芸妓はお酒が飲めないとやってられない?プライベートでもよく飲む?【さっぽろ芸妓日記vol.28】
札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。 「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には11名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
お酒が強くないとダメ?
皆様は、お酒は嗜まれますか?私は強くはないですが...好きです。笑
今回はよく質問をいただく、芸妓のお酒にまつわるあれこれをご紹介いたします!
お酒が強くないと芸妓になれないの?
お座敷といえばやはりお酒のイメージが強いと思います。演舞を披露する他に、お客様にお酌をするというのも立派な業務のひとつです。
芸者衆はお座敷中は食事に手を付けることはご法度なのですが、一緒にお酒をいただくことは許されています。
ですので、お客様の計らいで「ご一緒にどうぞ」と言っていただければ、有難く頂戴いたします。
ただ、「絶対にお酒が強くないといけない」ということはないのです。
紳士なお客様ばかりですので無理にお酒を強要されることはありませんし、全て自分のさじ加減でいただくことになりますね。
(実際にお酒を全く飲まないお姐さんもいらっしゃいますが、売れっ子さんです。)
お客様と一緒にお酒を楽しめるのが一番ですが、たとえ飲めなかったり弱かったとしても、座持ち(会話でその場を盛り上げる)ができればそれでオッケーということです!
どんなお酒が好き?
私は23歳でこの世界に入ってからお酒の味を覚えたのですが(それまではほとんど飲むことはありませんでした)、こだわりがないので何でも好き!ということが最近ようやく分かりました。笑
普段はお客様が召し上がっているものと同じものをいただくようにしてます。
ちなみに、「お座敷ではやっぱり日本酒なの?」と聞かれることがありますが、今の時代はそうでもないのです。ワインでも、ウイスキーでも、お客様自身がお好きなものを自由に召し上がっていらっしゃいますよ。
プライベートでもよく飲む?
私の場合は、お仕事でいただくことが多いのでプライベートではほとんど飲みません。一応、健康に気を使って「休肝日」ということにしております。笑
そうそう、余談でひとつ。この世界に入ってびっくりしたことが、ビールに「お」をつけることです。注文する際は「おビールお願いします~!」なんて言うんです。なんだかおもしろいですよね。
結論...もし、これをご覧になっている方の中で芸妓さんを目指している方がいらっしゃれば、心配される点かもしれませんが...お酒が飲めなくてもこのお仕事はできますよ!
私はそこまで強くないので、なにか大失敗をするほど酔っぱらう、ということは今まではありませんでしたが(あれ、もしかして覚えていないだけ...?)
お酒はやはり「楽しくほどほどに!」が、ちょうどいいですね!
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連載さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:Sitakke編集部IKU
<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。
※掲載の内容は記事執筆時(2025年8月)の情報に基づきます