ナオミ・キャンベル、集めた寄付金を不正使用したことにコメント「私は管理をしていない」
元祖スーパーモデルのナオミ・キャンベル(54)が、慈善団体の理事資格を剥奪され、今後5年間同じ役職に就くことを禁じられた。ナオミが2005年に設立したチャリティ団体「ファッション・フォー・リリーフ」は、集めた寄付金を慈善活動に使用せず、ナオミを含む理事の旅行費などに不正使用していたとされる。この件について米メディアに質問されたナオミは、「私は団体の管理をしていない」と述べ、「合法的な雇用者に管理を任せていた」と説明した。
【動画】寄付金の不正使用について米メディアに質問されたナオミ・キャンベル
ナオミ・キャンベルは2005年、ファッションと慈善活動を融合させるチャリティ団体「ファッション・フォー・リリーフ(Fashion For Relief)」を設立した。貧困を救済し、経済的に恵まれない若者を支援するための寄付金を集め、他の団体に資金を提供することを目的としたものだ。
同団体のウェブサイトには、これまでにニューヨーク、ロンドン、カンヌ、モスクワ、ムンバイなど世界各地でファッションショーやプロジェクトを開催し、1500万ドル(約21億4600万円)以上の寄付金を集めたと記載されている。
セレブが集まるチャリティイベントを開催していた同団体が、集まった寄付金を慈善活動に使用せず、ナオミを含む理事のために不正支出を行っていたことが発覚した。
イングランドとウェールズの慈善団体を登録・規制するチャリティ委員会は、「ファッション・フォー・リリーフ」の財務活動に関する3年にわたる調査の結果、「複数の不正行為および管理不行き届き」が発覚し、2016年から2022年にかけて、慈善助成金に充てられたのは支出全体のわずか8.5%だったと発表した。
それ以外の支出は、ナオミを含む複数の理事のために、不正に使用されたものだった。
同委員会によると、同団体はナオミの航空券や高級ホテルの部屋代、スパトリートメント代、個人警備費用、タバコ代などのために、集まった寄付金を不正に支出していた。これにより、ナオミは5年間の慈善団体理事資格停止処分を受けた。
同じく同団体の理事ビアンカ・ヘルミッヒ氏は、2年間にわたり無許可でコンサルタント料として29万ポンド(約5600万円)、旅費として年間2万6000ポンド(約500万円)を受け取っていたことが判明し、9年間の慈善団体理事資格停止処分を受けた。
ビアンカ氏は2022年2月にコンサルタント料と旅費の返済を提案し、委員会はこれに合意。2023年4月に全額返済した。
3人目の理事ベロニカ・チョウ氏は、4年間の活動禁止処分を受けた。
チャリティ委員会は調査の結果、「ファッション・フォー・リリーフ」は2005年の設立以来、重大な不正行為や財政管理の不備、ガバナンスの欠如があったと結論付けた。財務管理や記録管理がずさんであったことに加え、常勤職員がおらず、管理や会計は外部の顧問に委託していた。
また、同団体から34万4000ポンド(約6600万円)を回収し、9万8000ポンド(約1900万円)の慈善資金を保護したとされている。団体は今年の初めに解散し、慈善団体の登録から抹消された。
チャリティ委員会が重大な発表をした数時間後、ナオミはフランス文化への貢献が認められ、フランス文化省から芸術文化勲章を授与された。
授与式の後、ナオミは米メディア『AP通信』の記者から今回の調査結果について質問されると、「非常に懸念しています」と語り、さらにこう付け加えた。
「私は慈善団体の管理を行っていません。合法的な雇用者に管理を任せていました。」
そして「私達は、何がどのように行われたのかを調査している最中です。私が行ったすべてのことについても調査中です。これまでに集まった寄付金はすべて、慈善団体に寄付される予定です。」
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)