なんでも野菜室はNG!青髪のテツさんに聞いた「 野菜保存」裏ワザ
「せっかく買った野菜が傷んでしまった」「買ったことを忘れて放置してしまった」という経験のある人も多いのでは。野菜の価格が上がっている今、安くなっている時にまとめ買いし、できるだけ長く保存できれば節約にもつながることは間違いありません!
そこで今回は、X(Twitter)で毎日野菜についての発信を行っている、野菜のプロ、青髪のテツさんに野菜の保存テクニックを伺いました。
何でも野菜室はNG!青髪のテツさんに聞く「 野菜長持ちテク」
野菜のプロ 青髪のテツ
スーパーの青果部歴 14 年の中で野菜の販売や仕入れをした経験から、「青髪のテツ」というハンドルネームで野菜について発信している。本名や素顔は非公開。2020 年から X(Twitter)で活動を開始。「野菜の選び方」や「保存方法」「簡単レシピ」「旬」など、野菜についての発信を毎日夕方 1 投稿行っている。現在のフォロワー数は 74万人。野菜のブログ「やさいのトリセツ」を運営。
著書に「野菜売り場の歩き方」サンマーク出版、「マンガでわかる やさいのトリセツ」Gakkenなど。
「夏野菜は野菜室、冬野菜は冷蔵室」というのが基本
――野菜室に入れておいた野菜がしおれていたり、傷んでいたりということがよくあります。野菜を長持ちさせるにはどのようにしたらよいのでしょうか?
青髪のテツさん(以下テツさん):まず、何でも野菜室に入れるというのはNGです。
野菜によって保存に適した温度帯が違うので、野菜室(約3~7度)、冷蔵室(約0~6度)、チルド(約0度)を使い分けてみてください。
「夏野菜は野菜室、冬野菜は冷蔵室」というのが基本です。(とうもろこしは野菜室の方がよいなど、例外はあります)
例えばブロッコリーはチルド室が最適です。湿度が低く乾燥しやすいので湿らせたキッチンペーパーで包んで保存袋に入れると長持ちしますよ。
キッチンペーパーは毎日交換するようにしてください。白菜も野菜室より冷蔵室での保存がベターです。
白菜やキャベツ、かぼちゃ、大根は丸ごと買うのがおすすめ
――いきなり目から鱗でした。冷蔵室にも野菜を入れるスペースをとっておくのがよさそうですね。ほかに、長持ちさせるポイントはありますか?
テツさん:カットされたものではなく、丸ごとの野菜を買うのもおすすめです。
白菜やキャベツ、かぼちゃ、大根など、包丁を入れていないものは長持ちします。
丸ごとのものは使いづらいと思う方もいるかもしれませんが、白菜やキャベツであれば外側から葉をむいて使えばOKです。サイズの小さい「ミニ白菜」も使いやすいですよ。
かぼちゃもカットして売られているものはあまり長持ちしませんが、丸ごとであれば常温で保存できます。
種やワタをとってから使いやすい大きさに切って冷凍しておけば、必要な分だけ使うことができます。
テツさん直伝、野菜を「冷凍保存」するときの注意点
――野菜を冷凍するときのコツもおしえてください。
テツさん:ほとんどの野菜は冷凍できるので、スーパーで安くなっている野菜をまとめ買いして冷凍保存するのはすごくおすすめです。ポイントは買ってきたらなるべく早く冷凍すること。
水気をとり、空気を抜いてフリーザーバッグに入れて保存してください。食べやすく、調理しやすい大きさに切っておくと便利です。
ただ、冷凍したからといって何ヶ月も冷凍室に入れたままにするのはNG。1ヶ月を目安に使い切るようにしてください。
また、冷凍した野菜は凍ったまま調理するのが基本。解凍して使うと水気が多く出たり、食感が悪くなったりしてしまうので注意してください。
野菜を数種類“冷凍貯金”しておくだけで、時短・節約にもつながるだけでなく、手軽に栄養をプラスできるので、子育て世帯にはうれしいメリットがあります。日々の生活にぜひとりいれてみてください。
子どもがいる家庭で、秋冬におすすめの野菜
――秋から冬にかけて、お子さんがいる家庭でおすすめの野菜や果物があれば教えてください。
テツさん:さつまいもはどうでしょうか。
常温で保存できますし、料理にもおやつにも使えます。種類が色々あって迷ってしまうかもしれませんが、焼き芋にするなら、糖度の高い「紅はるか」や、なめらかさのある「シルクスイート」がおすすめ。
味噌汁に入れたり、天ぷらにするならホクホク感のある「鳴門金時」を使ってみてください。レモンの形のようにまんなかがふっくらしたものを選ぶのもポイントです。
あとは、りんごもおすすめです。くし切りにして冷凍することもできるんです。半解凍すればシャーベットのように食べられますし、凍ったままフライパンでソテーしても美味しいですよ。
りんごは冷やすほど糖分を強く感じることができるので、そのまま保存するときもぜひ冷蔵室に入れてください。
見習いたい!テツさんに聞いた「野菜種別・保存のコツ」
きのこ類
きのこ類は、冷凍すると旨み成分がアップするのでぜひ冷凍して使ってみてください。
石づきを取り除いて使いやすい大きさに分けたら、フリーザーバッグに入れるだけ。数種類を混ぜてもOKです。
白菜
生のままざく切りにして冷凍し、凍ったまま鍋料理やスープに入れることができます。
凍ったまま炒めると水分が出やすいですが、水溶き片栗粉でトロみをつければ美味しく食べられますよ。
大根
大根は皮をむき、輪切りなど、使いやすい大きさに切って1回分ずつラップに包んだらフリーザーバッグに入れて冷凍します。
大根おろしもそのまま冷凍することができます。大根おろしは自然解凍で使ってください。
ちなみに大根は部位によって食感や辛みが違うので、使い分けるとよいです。だいたい3等分して、一番下の方は辛みが強いので大根おろしに。中心は柔らかいのでおでんや煮物に。
葉っぱに近い部分は甘みが強く、硬めなのでサラダに向いています。
ねぎ
長ねぎの青い部分を捨ててしまっている人もいるかもしれませんが、青い部分は日が当たって青くなっているだけで、白い部分と同じものです。
土が気になる場合はしっかり洗えばOK。鍋料理や薬味などに使ってみてください。もちろん冷凍保存も可能です。
小ねぎは小口切りにして、水気をとり、フリーザーバッグに入れて冷凍しておくと便利です。
ほうれん草
ほうれん草は「シュウ酸」という成分を取り除くために、どこかの工程で茹でることが必要です。
そのため、かためにゆでて食べやすい長さに切り、小分けしておくと使いやすいです。
小分けにしてラップで包んでから、フリーザーバッグで保存しましょう。
もやし
もやしは野菜室ではなく必ず冷蔵室で保存してください。そのときに袋に数箇所穴を開けておくだけで、傷みを防ぐことができるんです。
もしくは、保存容器で水に浸して保存すると1週間程度長持ちします(水は毎日交換してください)。
冷凍保存もOK。パッケージに「水洗いしてください」と書いていなければそのまま冷凍できますし、水洗いしてから水気をとってフリーザーバッグに入れて冷凍もOK。冷凍しておくと少しだけ使いたい時にも便利です。
バナナ
バナナは常温保存でOKですが、気温の高い時期なら1本ずつバラしてラップで包んで野菜室に入れておけば1ヶ月近く持ちます。外は黒くなってしまいますが、中身は変わりません。
食べやすい大きさに切ってラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍も可能。そのまま食べるなら半解凍くらいがおすすめです。
トマト
トマトは丸ごとでも、カットして小分けにしても冷凍可能ですが、加熱調理に使ってください。そのままスープに入れても美味しいですよ。
いかがでしたか。青髪のテツさん監修のWEBムービー『SHIMATTA』~みんなのフードロスやらかし体験歌~では、あるあるな野菜の食品ロス体験がちょっとシュールな漫画とともに登場します。
お子さんと一緒に見ても楽しめること間違いなし! ぜひチェックしてみてくださいね。
(ハピママ*/平野 鞠)