【横浜市鶴見区】鶴見中央 株式会社木曽屋 市の「きら星活動賞」受賞 コミュニティ冷蔵庫の取組評価
食品ロスを減らす優れた取組みを横浜市が表彰する「横浜市食の3Rきら星活動賞」の今年度受賞者が10月1日に発表され、鶴見中央でコミュニティ冷蔵庫「フリーゴ」を運営する(株)木曽屋が選ばれた。同社の中西美里さんは「おすそわけの精神を継ぐこの活動が、より広がる機会になれば」と喜びを語った。
同賞は、食品廃棄物の発生抑制、再生利用、啓発等で顕著な功績を挙げている事業者等を表彰するもの。今年度は木曽屋を含む2件が選ばれた。
木曽屋が運営するコミュニティ冷蔵庫の取組みはもともと欧州で始まったとされ、個人や飲食店などで余った食材などを入れてもらい、困っている人が自由に取り出せる、いわゆる「善意の冷蔵庫」。食品ロス削減とフードシェアを目的とし、この取組みを中西さんがテレビで見て感銘を受け、2020年に同社が管理するビルの入り口に冷蔵庫を設置した。
冷蔵庫には近隣店舗から出た売れ残りや家庭で食べきれない未開封の食品のほか、日用品なども寄せられる。毎日冷蔵庫の様子を確認する中西さんによると、ほとんどの食品はその日のうちに持ち出され、取り残しの廃棄も出ていないという。
ノートで利用者の交流も
フリーゴの特徴の1つが、冷蔵庫脇に添えられたノート。入れた品目や持ち出した食品などの記載のほか、受け取った人からの感謝の言葉などが綴られている。食品を入れた人からは「自分の入れた物が無くなっていく度に嬉しい気持ちになる」「地域で手軽に寄付できて嬉しい」などの声が寄せられているという。中西さんは「『今日はもらったから明日は何か入れてみよう』という、地域全体で食品などをシェアする好循環が生まれている」と話し、「フリーゴは昔からの『おすそわけ』の精神を継いでいる。今後も地域に愛され、今回の受賞によって横浜市からこの取組みを発信できることがとても嬉しく、光栄です」と喜びを語った。