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2年以上続く悪臭 市「発生源の特定に努める」

赤穂民報

 赤穂市西部の大津地区から新田地区にかけた一帯で、ここ2年ほど悪臭に関する苦情が続いている。苦情が出始めたのは、2023年春に大津地区(地番は西有年)に酪農施設が開業した時期と重なっており、苦情を受けた市は「パトロールを続け、臭いの発生源の特定に努める」としている。

 赤穂市環境課によると、23年5月に「大津、新田のあたりで臭いがする」と通報があった以降、継続して苦情や相談が寄せられているという。今年4月から9月までの半年間では電話とメール、来庁を合わせて20件の通報や相談があった。同課では通報を受けたタイミングに加えて随時両地区周辺のパトロールを実施してきたが、「臭いをたどっても今のところ臭いの発生源の特定には至っていない」という。

 赤穂民報に寄せられた通報を総合すると、▽早朝(5時〜6時台)や雨上がりに悪臭がすることが多い▽北からの風が吹くときに臭う▽臭いが強いときもあれば、かすかに臭うときもある▽長くても30分程度で臭わなくなる―といった共通点がある。住民の間では「(酪農施設に)牛が入った途端に臭くなった」「家畜の糞の臭いがする」などと同施設が悪臭の発生源だとする見方が強まっており、大津自治会は施設を運営する事業者に直接対応を求めたという。

 この施設は山陽自動車道赤穂インターチェンジから西へ約2・7キロメートルにあり、市によると、最も近いところでは直線距離で950〜970メートル程度の場所に住宅が複数建っている。赤穂市生活環境保全条例と施行規則は、5ヘクタール以内に住宅が50戸以上ある地域から半径1キロメートル未満の範囲で牛や豚を飼養できる頭数を「50頭」と制限しているが、「施設と住宅地との間にある山の起伏を考慮すれば離間距離は1キロメートルを超える」(同課)として、規制の対象から外された。それにより、同施設に飼養頭数制限はなく、子牛を含めて710頭を飼養する計画になっている。

 悪臭への懸念は計画段階から指摘されており、事業者は臭気対策として「トンネル換気システム」や「全自動糞尿処理システム」などを導入。「周辺地域への環境に配慮した、最先端の畜産経営モデルの構築」を目指すと説明していた。その他にも消臭剤の噴霧や、臭いの発生を伴う工程の作業時間の見直しなどの対策を取ったとされるが、その具体的な内容や効果は明らかになっていない。

 赤穂民報は先月22日、事業者側に対し、現在の飼養頭数や臭気対策の内容、苦情への見解などを尋ねる取材質問を送付したが、期限とした29日までに回答はなく、今月1日に弁護士を通じて「引き続き回答文を作成中ですので、一定のお時間をいただければと思います」と返信があった。

 赤穂インター周辺では5、6年前に塩屋堂山の肥料製造現場から発生した悪臭への苦情が相次いだが、現在は肥料製造は行われていない。

 市環境課は「酪農施設から臭いが発生している可能性はあるが、今のところ断定はできない。他の原因も排除せず、引き続き悪臭の原因の特定に努める」としている。

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