上越市の公立小学校でいじめ 学校が適切に対応せず 児童不登校に
去年3月、上越市内の公立小学校でいじめがあり、被害にあった当時の児童が中学校に進学したあと不登校になっていることが分かりました。教育委員会は学校が「一過性のトラブル」として教育委員会に報告せず、適切に対応できていなかったとして謝罪しました。
上越市教育委員会によりますと、去年3月、市内の公立小学校で当時6年生だった児童が卒業式で発表する歌を練習したあと、歌声について同級生から傷つくことを言われたということです。その後、学校は児童の保護者から連絡を受け、傷つくことを言った同級生1人とその場にいた3人から聞き取りをし、4人は児童に謝罪しました。しかし1か月後、児童は中学校に進んだあと不登校になりました。同級生4人も児童と同じ中学校に進んでいます。
教育委員会は去年6月、児童と保護者がいじめについて教育センターに相談したことでいじめがあったことを知りました。
上越市教育委員会 白石聡 教育部長
「小学校は一連の出来事を『児童間の一過性のトラブル』と認識。教育委員会に報告しなかった」
担任は去年3月に異動になったとき、トラブルは解決済みと考え、関係者から事情などを聞き取ったメモを廃棄していました。さらに進学先の中学校には情報が引き継がれていませんでした。これを受け教育委員会は、小学校に報告書を作るよう指示しましたが、小学校はいじめられた児童へ直接聞き取りができないまま報告書を完成させました。
教育委員会は12日(金)、このいじめについて市議会の文教経済常任委員協議会で説明しました。
教育委員会 学校教育課 小林秀智課長
「担任は被害児童から直接話を聞こうとしたが、保護者にかけた電話に児童が出なかったので直接の聞き取りはできなかった」
上越市教育委員会 白石聡教育部長
「本件事案に対して課題があったことを真摯に受け止め、いじめの未然防止、再発防止に取り組み、被害児童と保護者の意向に寄り添い児童が笑顔で学べる環境を作り上げるよう尽力していきたい」
児童が登校できない状態は今も続いていて、教育委員会では今後も児童や保護者との面談を続けていくということです。また市内の小中学校にいじめが疑われる様子が確認された場合は、速やかに報告するよう指示しました。