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ギリシア悲劇への新たな視点を与えくれる『テーバイ』が開幕 舞台写真&船岩祐太(構成・上演台本・演出)、出演者コメントが公開

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『テーバイ』舞台写真  (右から)植本純米、今井朋彦

2024年11月7日(木)新国立劇場 小劇場にて、2024/2025シーズン演劇『テーバイ』が開幕し、舞台写真&船岩祐太、植本純米、加藤理恵、今井朋彦のコメントが公開された。

1年間という期間の中で、参加者が話し合いや試演を重ねて作品理解を深めながら、より豊かな作品づくりをおこなっていく「こつこつプロジェクト」。このプロジェクトから誕生した、船岩祐太が構成、上演台本、演出を務めるのが本作『テーバイ』だ。

テーバイの地を舞台に、建国の祖カドモスの末裔が辿る悲劇的な運命を描いた『オイディプス王』『コロノスのオイディプス』『アンティゴネ』の3作品を一つの戯曲として再構成し、現代における等身大の対話劇として創り上げた本作。対話劇として再構成したことで、ドラマ性がより際立ち、まるで現代劇のようにも感じられる。時間をかけて、古典と現代社会との接点を見つめ続け、ギリシア悲劇への新たな視点を与えてくれたこの作品に、客席からは熱い拍手が贈られた。

なお本作は24日(日)まで新国立劇場 小劇場にて上演。

『テーバイ』



【あらすじ】
テーバイの王オイディプスは国を災いから救うべく、后イオカステの弟クレオンに頼り「先王ライオスを殺害した犯人を追放すること」という神託を得る。しかし、そこで明かされていく真実は、オイディプス自身がライオス王を殺した張本人であること、そして実の母親とは知らずにイオカステを后とし、子をもうけているという恐ろしい運命であった。絶望のなかでオイディプスは自らの目を突いて盲目となり、放浪の旅に出る。
オイディプス追放後、クレオンが統治するテーバイではオイディプスの息子であるエテオクレスとポリュネイケスが王権をめぐり対立、戦いへと発展してしまう。さらにポリュネイケスの埋葬をめぐりオイディプスの娘アンティゴネとクレオンは激しく対立。法と平和を司る統治者としてクレオンは厳しい決断を迫られる……。
船岩祐太(構成・上演台本・演出) コメント

こつこつとギリシャ悲劇を底本とした物語を紡いでまいりましたが、スタッフ、キャストの力を得て、本日無事に初日の幕が開きました。はるか遠い昔に作られた物語ですが、どこか今との繋りを感じてもらえると幸いです。公演はまだまだ続きますが、総力を持ってこの物語をお届けしたいと思います。

出演者コメント

■植本純米(クレオン役)
2021年にこつこつプロジェクトが始まり今日まで長い旅路だったので開幕した今も旅の途中駅のような気がしています。お陰で特に気負うこともなく自分の恥ずかしい所ダメな所も晒せてます。ありがとうこつこつ。今回のキーワードの一つは「血」です。政治、芸能、商売…世襲はきっと古代ギリシャの時代から好奇の目で見られていたに違いありません。そんな視線を客席の市民の皆さんから感じつつ裸(の王様)で舞台に立ちたいと思います。俺、エラそー。

■加藤理恵(アンティゴネ役)
「こつこつプロジェクト」として始動してから3年。贅沢な挑戦の場と準備期間を経て、ついに初日に辿り着くことができました! この物語を通じて私は"受け継がれた思いにどう向き合うか"ということを特に考えさせられました。それはこの「こつこつ」の過程で多くの俳優・スタッフが育み残してくれたものとも重なります。その軌跡を時には燃料に、時には手放し、皆さまに今この作品をお届けできること、とても嬉しく思います。

■今井朋彦(オイディプス役)
はじめからこつこつと地ならしをしてきた人、途中から助走に加わった人、最後の直線に現れて鼓舞しながら走る人……。さまざまな人がさまざまな働きをしながら今日という日を迎えました。でもここからは横一線。全員でスクラムを組んで、誰一人欠けることなく最後まで走り抜けたい、そんな思いです。劇場にて、目撃していただけたら幸いです。

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