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四日市市の返礼品から「松阪牛」は取りやめ、ふるさと納税で森智広市長「基準には合うが自治体間対立は本意でない」

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返礼品の「松阪牛」をめぐる経緯を説明する森智広市長=四日市市役所

 三重県四日市市の森智広市長は5月21日、ふるさと納税の返礼品として「松阪牛」を提供することを取りやめると発表した。四日市で子牛を生産し、ブランド牛として認められる松阪市などの一定地域で肥育しているため、制度上は「松阪牛」であり、総務省からも「基準に該当する」との回答を得ていたと説明したが、松阪市からの申し入れもあり、森市長は「自治体間の対立は本意ではなく、事業者からも辞退の申し出があった」と話した。

 四日市市は、ふるさと納税の出入りの差による年間9億円余の赤字を解消したいと、昨年度から返礼品をあらたに開拓するなど、アイデアを凝らしてきた。その中で、松阪牛などのブランド牛を生産するために、四日市市内で黒毛和牛に種付けをして子牛を生産、その後、ブランド牛となるための一定の生産区域で肥育して出荷している事業者から、松阪牛を四日市市の返礼品として提供できないかとの提案を受けた。

 ブランド牛が、子牛の生産と、その後の肥育など、生産者の協業作業で成り立っていることを知ってもらい、子牛の生産地域にも注目してほしいという思いが事業者にはあったという。市は、妊娠期間も含め全生産期間の2分の1以上を四日市市内で飼育している松阪牛を四日市市の返礼品として提供できるかどうかを国や県のふるさと納税担当部署に確認し、「ふるさと納税の返礼品の地場産品基準に該当する」との回答を得たといい、昨年11月から返礼品のポータルサイトなどで取り扱いを始めていた。

 しかし、松阪市などの肥育農家や関係自治体は「生産区域」の考え方で疑問を表明し、違和感を四日市市にも伝えていた。こうした動きは一部の報道にも取り上げられ、松阪市長からは直接、森市長に相談もあったという。これらの経緯もあり、事業者が最近、「子牛を育てる区域外の生産地域にもスポットライトが当たり、少しでも松阪牛をPRしたいという思いだったが、区域内の市町が否定的な思いを抱かれるなら本意ではない」などとして、返礼品としての松阪牛の提供を辞退したいとの申し出があったという。

 四日市市によると、2023年度の市のふるさと納税の寄付件数は9353件で、このうち、松阪牛の返礼品への寄付件数は33件。寄付額では3億1824万円の全体のうち60万円だったという。

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