吹き抜け階段とは|実例やメリット・デメリット、後悔しないポイント
「吹き抜け階段のあるおしゃれな新築を建てたい」
「吹き抜け階段は空調の効率が悪いって本当なの?」
吹き抜け階段を取り入れると、開放感のあるおしゃれな空間になります。
一方で、空調効率や防音性が低いことや、メンテナンス方法には注意が必要です。
この記事では、吹き抜け階段の実例やメリット・デメリット、後悔しないためのポイントについてくわしく解説します。
吹き抜け階段を設置するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
吹き抜け階段とは
吹き抜け階段とは、階段と吹き抜け空間が組み合わさった構造のことです。1階の天井および2階の床を設けずに、階段でフロア同士がつながっています。
吹き抜け階段を取り入れると、空間が縦に広がるため、室内がより広く感じるでしょう。
また最近は、吹き抜け階段をリビングの一角に設置する「リビング階段」の間取りも人気です。
吹き抜け階段の実例
上の画像は、吹き抜け階段をリビング内に設置した実例です。
吹き抜けの上部に北側窓を採用したことで、1日中安定した採光が行えます。
また、おしゃれなペンダントライトによって、縦に広がる空間をより印象づけているのもポイントです。
手すりの下に透明パネルを設置することで、安全性の確保と併せて、室内に光が入りやすくなっています。
実用性とデザイン性を兼ね備えた吹き抜け階段といえるでしょう。
吹き抜け階段のメリット5つ
吹き抜け階段のメリットは、以下の5つです。
・メリット1.開放感が生まれる・メリット2.採光しやすい・メリット3.風通しが良い・メリット4.デザイン性が高い・メリット5.家族間のコミュニケーションにつながる
それぞれのメリットについて、くわしく解説します。
メリット1.開放感が生まれる
吹き抜け階段を設けることで、室内に開放感が生まれます。
限られたスペースでも圧迫感を軽減し、実際の床面積以上の広さを感じられるでしょう。
土地の面積が限られている一方で、室内の広さは確保したいという場合に特におすすめの間取りです。
メリット2.採光しやすい
吹き抜け部分に窓を設けると、高いところから光を効果的に取り入れられます。日中、室内は照明なしでも明るいため、電気代を節約できるでしょう。
建物の中心部に階段を配置する場合も、吹き抜けを活用すれば、暗くなりがちなエリアにも光を届けられるためおすすめです。
メリット3.風通しが良い
吹き抜け階段を設けると、上下階の空気の流れがスムーズになり、家全体の風通しが良くなります。
暖かい空気は上に向かうため、吹き抜け部分の窓から空気を逃がすことで、室内の空気が循環しやすくなるでしょう。
メリット4.デザイン性が高い
吹き抜け階段はデザイン性が高いため、それだけで1つのインテリアとなります。階段の形状や素材、手すりのデザインなどを工夫すれば、さまざまなスタイルのデザインに合わせられるでしょう。
たとえば、スケルトン階段を採用すると、階段による圧迫感を減らしつつ、洗練された印象を与えられます。
また、吹き抜け階段と併せてペンダントライトを取り入れることで、縦の空間が強調され、高いデザイン性を楽しめるでしょう。
メリット5.家族間のコミュニケーションにつながる
吹き抜け階段を設置すると、上下階の境界がなくなるため、自然とコミュニケーションが増えます。
特にリビング階段を設けると、2階の部屋に向かうために家族が集まるリビングを通らなければなりません。
これにより、家族同士で顔を合わせる機会も多くなり、円滑なコミュニケーションが生まれるのです。
吹き抜け階段のデメリット5つ
吹き抜け階段にはデメリットもあります。
主に以下の5つです。
・デメリット1.空調が効きにくい・デメリット2.音・においが伝わりやすい・デメリット3.メンテナンスの手間が増える・デメリット4.プライバシーを確保しづらい・デメリット5.転落に気をつける必要がある
機能性とデザイン性を兼ね備えた吹き抜け階段ですが、上記5つのデメリットには注意しましょう。
デメリット1.空調が効きにくい
吹き抜け階段があると空間が広くなり、空調が効くまでに時間がかかります。
特に冬場は暖かい空気が上に逃げるため、1階部分に冷気がとどまるでしょう。
エアコンの設定温度や風量を上げて対応する必要も出てくるため、光熱費がかさむおそれもあります。
デメリット2.音・においが伝わりやすい
音やにおいが伝わりやすい点も、吹き抜け階段のデメリットの1つです。
たとえば、リビングのテレビの音や話し声が2階まで届いたり、キッチンの料理のにおいが家全体に広がったりすることがあるでしょう。
対策としては、個室をリビングやキッチンから遠いところに設置したり、引き戸で仕切ったりする方法が挙げられます。
吹き抜け階段は、音やにおいに関する対応も踏まえて検討しましょう。
デメリット3.メンテナンスの手間が増える
吹き抜け階段にすると、足場の確保が難しく、高いところにある窓や照明器具の掃除やメンテナンスが難しくなります。
窓の掃除や照明器具の交換では、専門の業者に依頼する必要も出てくるでしょう。
メンテナンスについてどのように対応するのかも、重要な視点です。
デメリット4.プライバシーを確保しづらい
吹き抜け階段は、家族間のコミュニケーションを増やす一方で、プライバシーを確保しづらくなるデメリットもあります。
一人で過ごしたい時間や、子どもの成長など、プライバシーを重視したいタイミングで、吹き抜け階段が障害になってしまう可能性があるでしょう。
吹き抜け階段と個室を離したり、個室の防音性を高めたりする対策が必要です。
デメリット5.転落に気をつける必要がある
吹き抜け階段はデザイン性が高い一方で、子どもが転落するリスクが高まります。
特に、小さな子どもがいる場合には、手すりの高さを十分確保することや、柵を設置することで、吹き抜け上部からの転落を防ぎましょう。
【吹き抜け階段】後悔しないための5つのポイント
吹き抜け階段で後悔しないためのポイントとしては、以下の5つが挙げられます。
・ポイント1.家の断熱性を確保する・ポイント2.部屋の防音性を考慮する・ポイント3.メンテナンスしやすい間取りにする・ポイント4.家族間で協議して間取りを決める・ポイント5.安全性を確保する
吹き抜け階段の設置を検討するときは、5つのポイントを押さえましょう。
ポイント1.家の断熱性を確保する
吹き抜け階段を設置すると、暖房や冷房の効率が低下します。
そのため、断熱性の高い窓や気密性の高い建材を採用しましょう。
また、シーリングファンや床暖房を活用し、室内の温度を一定に保つ方法もおすすめです。
断熱性を確保することで、快適に過ごせるとともに、光熱費の負担も軽減できるでしょう。
ポイント2.部屋の防音性を考慮する
吹き抜け階段のある家では、上下階の音が伝わりやすくなるため、防音対策が必要です。
たとえば、寝室の配置を工夫する、吸音材を使った壁や天井を設けるなどの方法が挙げられます。
また、リビング階段を採用する場合は、ドアを設置して音の拡散を抑えるのもおすすめです。
ポイント3.メンテナンスしやすい間取りにする
吹き抜け階段を設置する際、高い位置に設ける窓や照明のメンテナンス性を確保しましょう。
具体的には、掃除がしやすい廊下の配置にする方法が挙げられます。
吹き抜け階段のデザイン性のみに着目するのではなく、住み始めてからのことも考えておきましょう。
ポイント4.家族間で協議して間取りを決める
吹き抜け階段は、プライバシーの確保手段が懸念点です。
家族間でトラブルにならないよう、あらかじめ家族全員で話し合って間取りを決めましょう。
その際には、将来的なライフスタイルの変化も踏まえて、長く快適に暮らせる設計を心掛けることをおすすめします。
ポイント5.安全性を確保する
吹き抜け階段は転落リスクがあるため、安全対策をしっかり行いましょう。
特に、小さな子どもがいる家では、柵やネットの設置は必須です。
安心して住み続けられるよう、吹き抜け階段はデザイン面だけでなく、安全面にも十分配慮しましょう。
まとめ:吹き抜け階段はインテリアにもなる魅力的な間取り|ポイントを押さえて取り入れよう
この記事では、吹き抜け階段の特徴やメリット・デメリット、後悔しないためのポイントについて解説しました。
吹き抜け階段は、開放感や採光のしやすさ、高いデザイン性が魅力です。
一方で、空調効率への対策や防音性・安全性の確保、メンテナンス性の考慮など、留意すべき点もあります。
吹き抜け階段を設置する際には、間取りについて家族間でしっかり話し合うことが重要です。
記事内でご紹介したポイントを参考にしながら、新築におしゃれな吹き抜け階段を取り入れましょう。