【横浜市金沢区】金沢区富岡西地区 「とみおかーと」が本格運行 実証実験開始から約7年
金沢区富岡西地区で12月1日から、乗合型移送サービス「とみおかーと」の本格運行が始まった。2018年に最初の実証実験が始まって約7年。京急富岡駅を発着点として運行し、ルート上で自由に乗り降りが可能。急な坂道が多い同地区で住民の移動を支える。
同地区では18年から企業や大学、地域などが連携し、交通課題の解消を目指して6回にわたって実証実験が行われてきた。小型カートを使った無償検証からスタートし、直近では22年12月から23年11月に普通乗用車による有償運行を行い、191日の運行で2ルート合計5911回の利用があった。
こうした実績を踏まえ、京浜急行電鉄(株)を代表に、富岡第三地区連合町内会、富岡第一地区連合町内会、京急文庫タクシー(株)で構成される「とみおかーと共創推進協議会」が継続した運行を検討。地域の移動課題の解決を図る「横浜市みんなのおでかけ交通事業」の補助金を活用し、本格運行に至った。
初回の実証実験から事業を担当する京急電鉄の秋本雅さんは「運行開始は一つの区切りでしかないので、取り組みに共感・賛同いただける方々の力もお借りして、継続させていきたい」と話す。
ルート上で自由に乗り降り
実証実験で夕方の利用率が高かったことを踏まえ、本格運行の時間帯は平日の午後1時台から8時台。土日祝日や年末年始などは運休する。
車両は京急電鉄マスコットキャラクター「けいきゅん」の色をイメージしたワンボックスカー。定員9人で、運転手は京急文庫タクシー職員が務める。京急富岡駅を発着点に富岡西四丁目・杉田九丁目地区を巡る藍ルート、富岡西一〜三丁目地区を周る緑ルートの2ルートで、それぞれ急な坂道の多い地区を1日各7便が運行する。
交差点など乗り降りに危険な場所を除き、ルート上では自由に乗り降りが可能。運賃は大人300円、小人150円。大人1人につき未就学児2人まで無料。敬老パス利用者は半額、福祉パスや特別乗車券を提示すれば無料で利用できる。
地区内でも急な坂が多いエリアの一つが、富岡西四丁目を区域とする富岡北部町内会の地区。路線バス「富岡西循環」が通るが、運行は午前10時台から午後4時台までとなり、夕方以降のバス便を求める声が多かったという。同町内会の森純一会長は「夕方以降の運行なので、仕事帰りの方や塾帰りのお子さんとかも使いやすくなるはず。一人でも多くの人に乗ってもらいたい」と話した。