ブランド以外はダメ! 産地や食感まで限定された食べつわり
5歳と4歳の姉妹を育てる在宅ワーカーママ“リトルベビー”です。
長女を妊娠したのは29歳。不妊治療を始めて1年が経過したころでした。不妊治療を次のステップへ進めるべきかと悩んでいた最中の妊娠で、妊娠検査薬が陽性を示したときは言葉にできないほどうれしかったです。何度目かの健診で無事に赤ちゃんの心拍を確認。ほっと安心したのもつかの間、その1週間後に初めて体の不調を感じました。「食べつわり」の始まりです。
妊娠9週目。はじまりは「静岡県産三ヶ日みかん」
私はもともと健康志向で、妊娠前は毎朝欠かさず和朝食。具沢山の味噌汁と納豆、白米をしっかりと食べていました。
ところが妊娠9週目に入ると、食べ物を口に入れたとたんに胃がムカムカするように。定番の和朝食はおろか、何も食べられなくなってしまったのです。吐き気が徐々にひどくなる中で、「何でも良いから口にしよう」といろいろ試した結果、唯一“静岡県産の三ヶ日みかん”なら食べられることがわかりました。
1食につき小粒のみかんを2個。三食すべてがみかんです。不思議なことに、産地や種類が違うみかんは体が受けつけません。“静岡県産の三ヶ日みかん”だけが私の食事。ある日、夫に買い出しをお願いしたら、オーストラリア産のネーブルを買って来て、本気で怒りました。
妊娠12週目。“鮭おにぎり”と“アップルケーキ”
“静岡県産三ヶ日みかん”生活は3週間ほど続きました。そして妊娠12週に入ると“鮭おにぎり“と“しっとりしたアップルケーキ“も食べられるようになったのです。
しかし、おにぎりの具は“鮭”、アップルケーキは“しっとりした”食感という限定付き。おにぎりは夫がコンビニで調達してくれていましたが、海苔は匂いや食感が吐き気を引き起こすため、正確には“鮭おにぎりの海苔なし”が私の食事です。
それから数週間は、“三ヶ日みかん”“鮭おにぎり(海苔なし)”“しっとりしたアップルケーキ”だけを食べて過ごしていました。そして、妊娠16週に入ると、これまでの激しいつわりが嘘のように、スーっと引いたのです。
最後の最後に訪れた“チョコバニラアイス”
安定期と妊娠後期は、塩分とカロリーに気をつけながら、何でもおいしく食べられました。これまで限定した食事しかできなかった私。赤ちゃんや自分の健康を意識し、選り好みせずバランスよく栄養を取るようにしていたのです。
しかし、妊娠32週に入ったころ、再び食の好みに変化が訪れます。チョコでコーティングされたバニラアイスが無性に食べたくなりました。最初は真夏の暑さのせいだと思っていました。しかし、吐き気と呼ぶほどではありませんが胃がムカムカし、“チョコバニラアイス”を食べないと治まらないのです。
食べればすぐに治まるので、「これは妊娠後期のつわりだな」と思いました。毎日、散歩の帰りにコンビニに駆け込み“チョコバニラアイス”を購入。こうして私の“チョコバニラアイス”生活は、出産の前日まで続いたのです。
妊娠39週で出産した長女は、体重2426g、身長47cmでした。産後、食生活は元に戻りましたが、以前よりも生クリームなどを好んで食べるようになりました。
私に関しては、つわりのときに食べたかった味を産後も好んでいるような気がします。つわりを通して、普通に食べられることがどれほど幸せなことかを噛みしめることができました。
つらいつわりでしたが、健診のたびに大きくなる赤ちゃんがいたからこそ、乗り越えられたのだと思います。
[リトルベビー*プロフィール]
昨年から、入稿・架電業務・事務作業等を委託されている在宅ワーカーママです。5歳と4歳になる姉妹にさまざまな経験をさせてあげたいと思い、子どもたちがどんなものに興味を持つか模索中。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。