「して・観て・ふれて」 県障がい者スポーツ協会の山本さん
現地時間28日にパリ・パラリンピックが開幕する。選手約4400人が参加し、12日間の日程で22競技が行われる。県立スポーツセンターグリーンハウス内(善行)にある一般社団法人神奈川県障がい者スポーツ協会の専務理事で事務局長を務める山本浩さんにパラスポーツの見どころなどについて話を聞いた。
「障害の種類や程度によって一般的な競技のルールや方法を変更したり、用具を工夫したりして行われるのがパラスポーツです」と山本さん。車いすバスケットボールでは、障害のレベルに応じて選手に持ち点が与えられ、コートにいる選手5人の合計持ち点が14点以内になるようにチームを組む。ゴールの高さは一般のバスケと同じ3・05mだ。
「競技用車いすを巧みに操作しながらスピード感あふれるプレーが展開される。座った姿勢で低い位置からシュートを決める技が見事なのはもちろんですが、鍛え抜いた選手たちの投球力や瞬発力などにも驚かされます。車いすラグビーも迫力があります」。また、前回の東京パラリンピックで日本代表が「精密機械」といわれるほどの正確な投球で注目を集めたボッチャや、目隠しをして鈴の入ったボールを投げ合うゴールボールでの神業的なプレーなども見どころになりそうだ。
「障害の有無に関わらず、パラスポーツを体験することでパラアスリートの技術・能力の高さやパラスポーツの楽しさを知ることができると思います。ぜひ多くの人にふれてほしい」と山本さんは呼びかける。10月には「かながわパラスポーツフェスタ」の開催が予定されているという。
「する」「観る」「支える」という観点から障害者スポーツの普及・振興に取り組む同協会では、大会や教室、体験イベント、人材育成のための講習会の開催などを行っている。「誰もが継続的にスポーツに親しむことで『ともに生きる社会かながわ憲章』の実現を目指していきます」と話す。