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神戸ピーポーNo.9「臼井 真(うすい まこと)」さん。震災のシンボル曲「しあわせ運べるように」の作者

神戸ジャーナル

名谷駅前で「ハンドメイド雑貨・スイーツ」などが並ぶ、手づくり広場『すましあ』が開催されるみたい。スタンプラリーも

神戸に住んでいる人&活動する人を紹介する「神戸ピーポー」。今回は「臼井 真(うすい まこと)」さんをご紹介します。

毎年1月17日、震災を想うシーンで耳にする曲『しあわせ運べるように』。今年「神戸市歌」にもなったこの曲を作ったのが、神戸市立の小学校で38年間音楽教師をしてきた臼井さんです。

1月17日「しあわせ運べるように」が2つ目の「神戸市歌」に。1つ目のことも調べてみた

2021年1月16日

心に響く曲を生み出した臼井さん、会ってみた印象はとっても「おちゃめな人」でした。穏やかな口調でおしゃべり好き、曲の話になると普通に歌ってくれたりもする、誰にでも垣根をつくらない雰囲気は、38年「先生」をやってきたからなのかもしれません。

ちなみに、子供のころの夢は「魔法使い」、サリーちゃんの影響だったとか。

メロディがきれいな曲が好きで、小さい頃から「グループサウンズ」「加山雄三」など昭和の懐メロに触れ、中学時代は「ユーミン(荒井由実)」を、最近は「髭男dism(ヒゲダンディズム)」も聴いたりするそう。

作曲者というと「音楽一家育ち」なのかな?と思い浮かべますが、そうではなく、音楽に親しんだのは普通に「幼稚園」から。歌が上手だったそうで、褒められるのがうれしくて音楽が好きに。

初めて歌を作ったのもこの頃で、友達のことを即興で曲にしていたそう。いまその曲を思い出してみると「すごく盛り上がりもあって主音で終わってるし、片手で弾きながら詩も自分で…その頃から才能はあったと思うんです(笑)」。やっぱりおちゃめ。

性格はとっても「シャイ」な少年だったそうで、厳しい先生は苦手なタイプ。

小学校で通ったピアノ教室が、たまたま定年した音楽教諭がやさしく教えてくれるところで、「男でピアノ習うなんて…」と言われたような時代に6年間楽しく通えたのが今につながっているとのこと。

人生のいろんなところで、良い「出会い」や「縁」があったなぁって感じているそうです。

臼井さんが教員生活の中で生み出した曲は、約400曲。

「しあわせ運べるように」がもちろん有名ですが、自然学校のキャンプファイヤーで歌う「心のハーモニー」など市内の学校で歌われる歌は20ほどあり、他には「忘れ物の歌」や「恐怖の明美先生」といった教え子たちだけが歌ったユニークな曲も。

数ある曲の中で臼井さんが一番好きな歌は、音楽会のエンディングで歌われる「みえない翼」。

たくさんの子供たちがこれまでの時間を想い、歌う中で「涙」をこぼすこの曲。「音楽で感動して「宝石の涙」を流せる子供たちって、将来心豊かで幸せな大人になれると思ってる」と話してくれました。

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曲は、思いついて作る時もあれば、「なんか人を迎える時に歌う歌つくって~」と同僚に頼まれたり、とっつきにくいテーマの授業が心に届きやすいようにと「工夫」のために本のフレーズに曲をつけたことも。

まずノートに「歌詞」を書き出して、音符を振っていくんだそうです。

音楽の先生といえば、授業の時だけ会うイメージですが、臼井さんの場合はかなり積極的に関わる先生でした。

「休み時間」はいつでも音楽室にウェルカムで、臼井さんが買ってきた「ドラム」や「トランペット」などの楽器を自由に使ってOKにしたり、「朝練」や「夏休み」なども共に過ごすほど。

どうしてそこまで熱心に、力を入れられたのか?きっかけは、一枚の「手紙」です。

教員になってすぐの頃、一生懸命子供たちと「音楽会」の練習をやりすぎて、声が出なくなってなってしまったことがあったそう。

その音楽会の後、一人の生徒からもらったのが「先生の声が出なくなってすごく悲しかった。僕の声をあげられるものなら先生にあげたいとずっと思っていた」という手紙。

こんなに子供って純粋なんだと胸を打たれ、一生懸命教えたことが報われる経験をしたことが原動力に。それ以降も自分が関わった分だけ子供たちが「歌声」や「気持ち」で応えてくれることが「やりがい」となり、38年間頑張り続けられたそう。

子供たちとの関わりを通じて感じた喜びやきれいな心、そういったものが臼井さんが作る曲ににじんで人を感動させるのかもしれません。

今年「定年」を迎え、この春からは「神戸親和女子大学」の准教授になった臼井さん。

教える相手が「大学生」に変わっただけでなく、コロナ対応で「オンライン授業」の準備をしたり「ズーム」の使い方に戸惑うことも多いそうですが、次の世代の「先生」を育てる道を歩み始めてます。

「曲作り」の方は「企業」から依頼があったりするので、今後臼井さんの曲をもっといろんなところで聴くようになるかもしれません。

ちなみに今の「夢」は、以前同僚のために作曲した「ウェディングソング」を世に出すこと。若い頃に交流のあった歌手の石丸幹二さんに歌ってもらえたらなぁと願っているそう。「なかなかいい曲なんですよ。我ながら(笑)」と口ずさんでくれました。

神戸ピーポーNo.9「臼井真(うすいまこと)」さんのコメント

神戸との関係
神戸生まれの神戸育ちで生粋の神戸っ子です。大学は大阪でしたが、神戸から片道2時間半以上かけて通学しましたので、生まれてから60年神戸に住んでいます。26年前の阪神・淡路大震災で悲惨な状況の故郷「神戸」の復興を願い創作した「しあわせ運べるように」が、今年の1月17日に第二の神戸市歌に制定されたことは、神戸っ子の私にとりまして最高に幸せな出来事でした。これからも、全国の一人でも多くの方々に、あの時の神戸の思いを伝えてゆきたいと思っております。「山があって海がいて」そんな故郷「神戸」の街が大好きです。

最近のおすすめスポット
神戸ポートピアホテル30F「スカイグリルブッフェ GOCOKU~五国のめぐみ」が気にいっています。兵庫県の五国(摂津、丹波、但馬、播磨、淡路)の特産物や選りすぐりの食材を使用した料理と最高の夜景・・・特に神戸に初めて来た方に好評です。価格もリーズナブルでお勧めです。

ひと言
神戸親和女子大学で第二の人生をスタートしました。先生を目指す学生さんたちに、私が38年間現場で学んだ教訓を伝えてゆけるように尽力します。そして、また新たな新曲を全国に届けてゆきたいです。

◆関連リンク
・しあわせ運べるように – 公式サイト
・神戸親和女子大学 – 公式サイト

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