園芸の達人が教える!花束のような「寄せ植えギャザリング」のすすめ【一人一花はなきん便り】
新連載企画『一人一花 はなきん便り』(毎週金曜日配信)では、「金曜日に花束を」というテーマのもと、知っておきたい花や緑に関するニュースをお届けしていきます。
今回は『平田ナーセリー』の農場でたくさんの花や植物を育てている農場長・白田徹さんに、家庭でも手軽に楽しめる寄せ植えの作り方を教えてもらいました。「花や植物を育てることが生きがい」という白田さんの園芸という仕事への熱い想いと一緒に紹介します。
◼️幼い頃から「育てる」ことが大好き。今はもっと
白田さんは熊本の農家の出身。そんな環境もあってか、子どもの頃から何かを「育てる」ことが大好きだったそうです。大学で専攻したのはサツマイモの育成について。「同じ品種でも本当に条件や環境でまったく違う育ち方をするんです。やればやるほど育成の面白さにますますハマっていきました」。そのまま研究に没頭する道もあったが、就職で選んだのは、新たな園芸という道でした。仕入れた商品だけでなく、自社農場でたくさんの植物を自分たちの手で育てている平田ナーセリーの環境に出会って「ココだ!」と直感。10年以上、店舗で園芸のイロハを学んだのち、念願の農場長に就任。「ここで葉を選定したらどうなるかな?」。「この土と肥料の組み合わせはどうだろう?」。植物と会話しながらの試行錯誤の日々が、失敗や苦労もたくさんあるけど、何より楽しくて堪らない。園芸に携わることができて本当に良かったと実感する毎日なのだとか。手塩にかけて育てている農場の花苗を手にする、白田さんの真剣な眼差しがそれを物語っています。
そんな花育ての達人・白田さんに、初心者でも手作りできる、おすすめの寄せ植えを教えてもらいました。
◼️花束のようにして作っていく「ギャザリング」で季節感を楽しもう!
今回おすすめするのは、根が付いたままの植物を、手の中で花束のように組み合わせながら鉢に植え込む「ギャザリング」という寄せ植え方法です。
切り花やブーケを部屋に飾るように、花束のような寄せ植えが家にあると、まるで花畑がそこにあるような感じがして、暮らしが一気に華やかになります。
ここにあげた例はほんの一部ですが、花苗を4〜5種と鉢の組み合わせで、予算としては3500円〜5000円くらい(土・肥料・水苔などは別途)あれば、立派な寄せ植えが作れます。
主役の花を選んだら、それに合う背丈や色合いの花や緑の苗を選びましょう。鉢は置く場所のテイストに合わせて、ブリキやデザインが施されたものをコーディネートするのがおすすめです。
愛でる楽しみに、育てる楽しみがあるのが、寄せ植えの醍醐味。育てあげた時の全体像をイメージしながら、自分の好みのスタイルを追求するのもいいですし、シーズンごとにその季節感を表現していくのも楽しみ方の一つです。
◼️まるで「花畑が家にあるような」イメージを膨らませながらデザインしましょう!
まずは鉢の上に「花畑」を作るイメージで、全体像をイメージしてみましょう。
イメージが決まったら、以下の手順で「ギャザリング」による植え込みを実践してみましょう。
(1)土・肥料を混ぜて、鉢いっぱいになるように入れ込みます。
(2)主役の花を手に取り、風通しと腐敗を防ぐために、根本の葉っぱを切り落とします。
(3)ポットから取り出し根っこの周りの土を、大根の桂剥きをするように、薄く削ぎ落とします。
(4)主役の花苗と脇役の花苗を、花束を作るように、絡ませながら束ねます。脇役の花苗をいくつかに根分けして使うと、品種が混ざり合って、より自然な花畑のような仕上がりになります。
(5)保湿と水分補給を助けるために、束ねた根元を水苔で覆います。
(6)鉢の正面を決めたら、全体の配置を考えながら、花束ごと土に植え込みます。
(7)(2)〜(6)をくり返し全部を植え込んだら、土の隙間を水苔で覆い、外から水苔がなるべく見えないように苗や葉の位置を調整して完成です。
完成したら、日当たりや風通しの良いところで、育てる楽しみを感じながら「自分なりの花畑」に育成していきましょう。
平田ナーセリーでは植え込みや植え替えのサービスもありますし、自分で作るのはちょっとハードルが高いっていう人は、完成品を購入して育ててみることから始めてもいいと思います。
ぜひ「自分だけの花畑」をイメージして、寄せ植えライフにチャレンジしてみましょう!
◼️人とまちを結びつける花のチカラ。グリーンコミュニケーションをこれからも大切に。
「毎日会話しながら見守ってきた花や緑が、自分が想像した以上に育った時の感動は何者にも変え難い喜びですね。それをお客さんや生産者さんたちと共感できた時はもっと嬉しいし、本当に園芸に携われて良かったと実感しています。花にはそんな人と人とを結びつけるチカラがあると思います」。
一人一花運動に関連するイベントや仕事にも携わってきた白田さん。だからこそ分かってきたことがるそうです。
「平田ナーセリーではグリーンコミュニケーションって呼んでいるんですが、花や園芸の本当の楽しみって、周りの人や同じまちの人たちと、花や緑を通して、情報や想いを共創しながら、やさしいコミュニケーションをすることなんだと思います。これからもそんな人とまちを豊かに繋げることができる花や緑を育てていきたいと思います」。
美しい花やきれいな花壇の向こう側にある、生産者の想いを感じながら、その輪を広げていきたいものです。
最後に農場で育てた最旬の花と一緒に記念写真をお願いしたところ「今なら絶対にサンパチェンスです!」と即答いただきパチリッ!
これからぐんぐん育って、大きな色とりどりの花が咲くサンパチェンス。これから夏と秋を超えて、霜が降りるまで楽しめるそうです。
ぜひ白田さんイチオシのサンパチェンス、農場がある久留米本店のほか、平田ナーセリー各店でチェックしてみてください!
◼️平田ナーセリー久留米店
住所:福岡県久留米市善導寺町木塚288-1
電話:0942-47-3402
営業時間:10:00〜18:00
定休日:なし(不定あり)
Instagram@hirata_ns.kurume
https://www.instagram.com/hirata_ns.kurume/
◼️平田ナーセリー
HP:https://hirata-ns.com/
◼️「一人一花ブース出展 in 博多阪急」開催中!
●5月28日(水)〜6月2日(月)
博多阪急の8階催場で開催の「花と緑を愉しむ。」にて、
特製フォトスポットや、一人一花運動の活動に関するパネルを展示する
一人一花ブースを出展しています!
詳細は「一人一花運動」の公式SNSをチェック!
福岡市が 取り組んでいる「一人一花運動」は、一人ひとりが花と緑を育て、ありとあらゆる場所を花と緑でいっぱいにする取り組みです。「一人一花運動」の公式SNSでは、福岡市内のまちなかにある花と緑に関する情報をたくさん紹介しています。花や緑好きの人もそうでない人もぜひフォローしてみてください。
それでは週末も素敵なフラワーライフを!
◼️【公式】福岡市 一人一花運動
Instagram@hitori_hitohana
https://www.instagram.com/hitori_hitohana/