『ダンまち』アニメ10周年記念ファンミーティング「第1夜 アニメスタッフにトークを求めるのは間違っているだろうか」レポート|きわどい話もありつつ、OVAなど今後の展開について面白おかしく語る場面も!?
2025年4月4日(金)に10周年を迎えた.アニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』。それを記念したファンミーティングが2025年5月9日(金)にLOFT/PLUS ONEで開催されました。
登壇者は大澤信博さん(EGG FIRM)、松倉友二さん(J.C.STAFF)、志治雄一郎さん(WB制作プロデューサー)、前田有希さん(WB宣伝プロデューサー)、石上静香さん(シル役)の5名。
MCにフリーアナウンサーの中倉隆道さんを据え、ここだけの話も含めた様々なアニメ『ダンまち』の思い出話が披露されました。本稿ではこのイベントの模様をレポートします。
なお、緩い雰囲気+お酒の席でもあったため、表には出せない話も。なので、そういった部分はなるべく省きつつかいつまんでお届けします。
【写真】『ダンまち』アニメ10周年記念ファンミーティング 「第1夜」レポート
『ダンまち』を一躍有名にした“青い紐”を宣伝側はどう見ていた!?
千草役・井口裕香さんが歌った懐かしの第1期オープニング主題歌「Hey World」のBGMと共に、志治さんと前田さんが壇上へ。
ヘスティアがよくアルバイトで売っているジャガ丸くんや豊穣の女主人風パスタ(ナポリタン)、各種ポーション(アルコール入りかノンアルコールか選べるカクテル)など、各種コラボフード&ドリンクを紹介したところで大澤さんと松倉さんも呼び込み、乾杯を実施。
大澤さんは2015年4月に放送開始となった2年前くらいからアニメ『ダンまち』の立ち上げに関わられたそうで、最初は原作の発行元であるSBクリエイティブから声がかかり、自身も作品をチェックして面白いと感じたことから企画を実現させるべく動き出したのだとか。
続いて当時制作した企画書を見せていく場面があったのですが、そこには“王道少年成長物語×美少女ハーレム”などの時代を感じる文言が連なっていました。途中、まだ原作が第4巻くらいまでしか発売されていない時期に作られたものであることが判明したのですが、それに付随してここでは書けないきわどい話も飛び出し……!?
志治さんと前田さんはワーナー側の担当者。それぞれ志治さんはBlu-rayや音楽、ゲームの監修、前田さんはアニメ本編以外の公式サイトやお店に貼るポスター、キャスト出演の特番など宣伝に関わるものを担当されています。
3月まで放送された第5期『豊穣の女神篇』では特番や舞台挨拶をかなり実施していた印象がありますが、会場にはそれらを視聴していたり、当日参加されていた熱いファンが多数参加していることがここで判明。
また、大澤さんと松倉さんが原作の大森先生と初めて顔をあわせた際のエピソードを語る場面も。志治さんが事前に大森先生にもその時の感想を伺っており、「すごく怖そうな人と、妖精みたいにちっちゃい人」だと感じていたことが明らかに。そして、後に自身が子供の頃に見ていたアニメを作った凄い人たちだと知って腰を抜かしたともコメントしていました。
志治さんによると大森先生はとても実直な方だそうで、思ったことは何でも口に出してくださったり、ゲームのほうでも様々なシナリオを執筆してくださったりとかなりメディアミックスに協力してくださっているのだとか。
出演声優陣が話題になると、当時の制作発表時のニコニコ生放送の特番が話題に。番組タイトルで『ダンまち』のアニメ化だとバレないように企画段階から苦心していたそうで、その結果として「松岡禎丞主演作品発表会」という番組名になったそうなのです。
当時制作したこの特番の企画書を見せていく場面もあったのですが、実は過去にテレビで放送された番組を思わせる企画がいくつかあったことが判明。前田さんによるとこの特番自体の評判はよかったが、事前の話題作りとしては想定していたほどではなかったそう。
その代わり……なのかもしれませんが、放送後から瞬く間に話題となったのがヘスティアの胸元を支える“青い紐”。原作からあったものがアニメ化されて大きな話題を呼んだものでしたが、宣伝的にはおいしいものの例の紐の作品だと思われてしまうのも困るので、ネットミームとして早々に作品を消化されたくないと当時前田さんは思っていたのだとか。
石上さんが登場しアフレコ裏話も披露……実は第1期からシルがフレイヤだと知っていた!?
ここには書けない話も含めて様々なトークを繰り広げたところで、ついに石上さんも壇上へ。会場には石上さんのファンの方も来場されており、そんなみなさんの前でシルの声で乾杯を実施して大きな盛り上がりを見せてくれました。
石上さんも加えての最初の話題は、当時のシルのオーディションについて。実はシルだけでなくアイズとエイナも受けていたそうで、個人的に手ごたえがあったのはアイズのほうだったそう。
そうして決定したシルという役ですが、なんと彼女の正体がフレイヤであることは第1期の第1話の段階で大森先生から事前に知らされていた模様。フレイヤ役の日笠さんもそのことを把握していると思っていたそうですが、日笠さんが知ったのは第5期『豊穣の女神篇』の最初だったとのこと。
『ダンまち〜メモリア・フレーゼ〜』のシナリオの方では、アニメより先にシルがフレイヤであることは匂わされていたそうですが、収録時に日笠さんのようにねっとりさせないようにとディレクションを受けていたことも明かしてくれました。
また、初代プロデューサーの中山さんが、この機会に急遽壇上にあがる場面も。中山さんは作品から離れてから素直にアニメ『ダンまち』を見られなくなっていた時期があったようですが、第5期は1ファンとして感無量だったと作品に関わった方々への感謝を表明。
先ほど話題に上った「松岡禎丞主演作品発表会」の企画書を実は自分が作ったことや、第1期当時の特番やイベントの写真などを見ていく場面も。そして、他にも様々な思い出話を語り、ここでイベント前半が終了。
後半は来場者の質問に登壇者が答える!
後半は事前に実施したアンケートに沿って、登壇者が来場者の質問に答えていくことに。最初は石上さんへの「第5期を終えて推しキャラランキングに変動はあったか?」というもので、1位ベル、2位フィン、3位リューという順位が1位ベル、2位ヘディン、3位リューに変わったと明かしてくれました。
その話の流れで「リューというキャラをどう思うか」という質問が投げかけられると、石上さんは「一言でいうと美味しいキャラ」だとコメント。会場のアンケートでも一番好きなキャラクターの項目はぶっちぎりでリューが多かったそうですが、大澤さんや松倉さんによると大森先生もシナリオ会議でリューについて話している場面がかなり見られた様子。
恒例になっている各シリーズ放送後のOVAが第5期でも制作されるのかという際どい質問が飛び出す場面もあり、実は現時点ではまったく考えていないことや、松倉さんから松岡さんやアイズ役の大西沙織さんも出演していた某アニメ作品をパロディした案が飛び出して、会場が笑いに包まれる場面もありました。
その後、登壇者のみなさんへ『ダンまち』で好きなキャラクターを尋ねたり、石上さんに「シルを演じてこれまで一番苦労したこと」を伺ったりと他にも様々な質問が飛び出していきました。
そんな話題の中で石上さんは、「石上さんってシルだったんだ、あんな声出るんだ」と言っている方を見かけて驚いたことを明かすと、最近は低い声で演じるお姉さん系のキャラクターが多いことや、シルの声はそういったキャラクターと比べて無理して出している訳ではないことも話してくれました。
その後、これまでのキービジュアルや作品ロゴを振り返ったところで、9月19日(金)に今回と同じLOFT/PLUS ONEで開催されるスタッフトークショー第2夜を告知。次回はゲームがテーマとなっており、『ダンメモ』スタッフが登壇予定だそうです。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
最後にゲストのみなさんからメッセージがあったところで、本イベントは幕を閉じました。ここで大澤さんがファンのみなさんがついてきてくださる限り、続けられるように頑張りたいと表明しており、今後の展開に希望を持たせてくれました。
10周年を迎えてまだまだ盛り上がりを見せるアニメ『ダンまち』。まだまだ原作をはじめさまざまな展開がなされていますので、これからもそれぞれの方法で応援し続けましょう!