キング・オブ・アイドル!田原俊彦の魅力が詰まったTBS映像作品集のキラキラ度がヤバイ
KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.1〜 ②
アルバム楽曲の貴重なパフォーマンスも収録
ああ、心が弾ける! 田原俊彦1980年〜1991年の映像が詰まった『KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.1』は、予告段階でテンションが弾けまくり。『ザ・ベストテン』でのキュートなトシちゃんのパフォーマンスや、『日本レコード大賞』『日本有線大賞』などでの、スペシャルなステージも楽しみだ。しかし、実は一番新たな発見があるのは『8時だョ!全員集合』『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ 』の映像が収められたDISC4かもしれない。
というのも、『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』をはじめとする歌番組が、昭和から平成にかけてたて続けに終了。1990年代は歌番組が激減し、テレビ番組での歌唱映像が少ないのだ。その時期のパフォーマンスが収録されているのは本当にありがたい。
そして、「もっとミステリー -消えた女-」(1987年 / アルバム『YESTERDAY MY LOVE』収録)や、「僕のDoor」(1991年 / アルバム『夏の王様 〜MY BLUE HEAVEN〜』収録)といった、アルバム楽曲の貴重なパフォーマンスが入っている。嬉しい!
大人の “田原俊彦" に変わるプロセスをしっかり映像で確認
さらに、1980年代半ば以降は、トシちゃんのイメージチェンジ期の楽曲が詰め込まれている。エモい!そうなのだ、“トシちゃん" から、大人の “田原俊彦" に変わるプロセスをしっかり映像で確認できるのは本当に貴重。
1980年代半ばまで “タイトルを聴けばサビが歌える” くらい爆発的ヒットが続いた彼だが、逆に言えば、そのころの曲がキャッチー過ぎて、1984年のシングル「ラストシーンは腕の中で」あたりから、セカンドブレイクとなった1988年にリリースされた「抱きしめてTONIGHT」の間のシングルは、パッと思い出せない曲も多い。ふんわりと、少年から大人への変化で揺らいでいるイメージが残っている。だからこそあれから40年経った今、その映像を見ることで、名曲であることを気づかされ、大好きになる確率が高いのだ。
2025年の新曲「LIFE IS A CARNIVAL」についてインタビューを敢行した際、彼自身も、80年代後半の曲に関して、こんなことを話していた。
「僕はキャラ的に陽のイメージだから、これまでポップな曲が多かった。『君に決定!』とか、ちょっと異質ですけど『NINJIN娘』とかね。だから余計、そうではない、ゆったりとしたバラードが(キャリアの)キーポイントになっている」
そして “昔より今の方がしっくり歌える曲はありますか” という質問に「Hardにやさしく」(1986年)、「どうする?」(1987年)、「愛しすぎて」(1989年)を挙げてくれた。このDVDでは、ほかにも、宇崎竜童が作曲を担当した「ベルエポックによろしく」「あッ」(1986年)、阿久悠作詞の「KID」(1987年)、呉田軽穂(松任谷由実)が作曲した「銀河の神話」(1985年)などが収録されている。どんな時代も、田原俊彦を愛する職人たちが、その素材を活かし、遊び尽くし、歌、衣装、ダンスという三位一体で魅せる “T-POP” (田原俊彦ポップス)なる世界を広げていたのだ。
「いろんな作家の方が、僕が少年から青年に変わっていく世界を書いてくださいましたね。大人っぽくて追いつかなかった時期の楽曲が、時間を重ね、今歌えて財産となっています」
トシちゃんは噛みしめるように、楽曲への感謝を語っていた。
現在の田原俊彦の魅力と強くリンクしている1980年代後半の楽曲
その “追いつこうともがいている” 時期の田原俊彦は、今見ると、独特のアンニュイさがあって、期間限定の輝きを放っている。ダンスを封印して挑んだ「NUDE」(1990年)をはじめ、売上が伸び悩んだタイトルもあるが、むしろこの1980年代後半から1990年代にかけての楽曲こそ、現在の田原俊彦の魅力と強くリンクしているといえる。
64歳になった今でも田原俊彦は、キレッキレのダンスをキープ。歌唱力に至っては、安定感と深みを増していっている。だからこそ、昔を振り返っても、懐かしいで終わらずーー
▶ 昔のトシちゃんのキラキラ度ヤバイな!
▶ この歌、覚えてないけどめちゃくちゃカッコいいな!
▶ この名曲の数々を今もガッツリ歌い続けているトシちゃん、すごいな!
ーー と3つのおいしさを楽しめるのだ。
田原俊彦は、インタビューで自分の楽曲を “財産" と呼んでいたが、あらためて、その価値を噛みしめよう。味わおう!
そして最後にもう1つ――。Disc4には、3分間のショーと絶賛された神曲「チャールストンはまだ早い」の映像が収録されている。「8時だョ!全員集合」は生バンドだったので、見応え十分。間奏のダンスと弾けるようなサウンドとの絡みをガッツリ堪能しよう。ただ、「チャールストンはまだ早い」の映像はこの1つしか入っていない。なぜ⁉ファンの人気も高い楽曲のはずなのになぜーッ!『KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.1』 “Vol.1”ということは、もしかして “Vol.2” ももうすぐ…? 期待してしまうではないか。
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