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静謐な気品とパフォーマンスを宿す英国生まれのジェントルマン。1964年式アストンマーティンDB5のステアリングを握る喜び

Dig-it[ディグ・イット]

’60年代から現代まで続く名作映画に主役顔負けの存在感で度々登場し、“The Most Famous Car in the World”の称号で知られるASTON MARTIN(アストンマーティン) DB5。あらゆるカテゴリーにおいて最高峰のクオリティを追求するハイエンドな趣味人が唸る英国生まれの最高傑作の魅力とは。

クルマ好きには「ゴール」ともいえる世界的名車。

いつの時代も映画に登場するムービーカーは、子供から大人まで世界のクルマ好きにロマンを与えてくれるエンターテイメントだが、中でも’64年から続く映画『007』でジェームズ・ボンドの相棒として活躍するASTON MARTIN DB5、いわゆる“ボンドカー”は最も世界中から認知度が高いムービーカーのひとつと言える。

DB5がデビューしたのは、1963年。前作DB4から受け継ぐ軽量化を追求したSuperleggera工法によるハンドメイドの美しいアルミボディや、直列6気筒アルミエンジンを採用し、世界のクルマのパフォーマンスが大きく向上した’60年代において最高峰のスペックを誇ったクルマである。戦後ASTON MARTINのオーナーとなったデヴィッド・ブラウンの名を冠したDBシリーズは現代まで続くロングセラーシリーズであり、前作のDB4とDB5には外観上大きな違いはないのだが、DB5が今もASTON MARTINの象徴であり続けるのは、やはり“ボンドカー”の存在を無視することはできないだろう。

生粋のクルマ好きとして知られるリアルマッコイズの辻本氏は長年DB5に憧れを抱き続け、遂にロンドン在住のカーコレクターが所有していた、オリジナル装備かつ極上コンディションのDB5を手に入れた。

「『007』の影響がないと言えば嘘になりますが、それ以上に自分にとってMERCEDES BENZ 300SL、PORSCHE ナナサンカレラ、そしてDB5は最高峰のベンチマーク、いわばゴールと言えるクルマだと思っています」

辻本氏がオリジナルの装備にこだわるのは、当時のスペック、乗り味を極力そのまま味わいたいという思いに加え、メーカーが当時最高峰の技術を集約して生み出した作品、また作り手へのリスペクトが感じられる。名車が名車である所以は、そのクルマの本来の姿が教えてくれるのだ。また、様々な名車を飾りではなく走るホビーとして堪能することをポリシーとする辻本氏にとって、DB5の真髄はその価値ではなく、あくまでもパフォーマンスにある。

「DB5はラグジュアリーなスタイリングで、排気音やフィーリングも凶暴さは一切なく、どこを切り取ってもジェントルマンなイメージ。ただ、アクセルを踏み込めばレスポンスが非常に良く、内に秘めた高いポテンシャルを感じることができます。品のあるスピード感こそDB5の最大の魅力でしょう」

最高峰の技術を採用して作り上げられた軽量な車体にハイパフォーマンスなエンジンを積んだ英国ASTON MARTIN流儀の純正ホットロッド。数々の世界のマスターピースの味を知る玄人が、他では味わえない気品漂う走りに舌鼓を打つ1台だ。

DB4で採用されたオールアルミ軽合金の直列6気筒DOHCエンジンをアップデートし、排気量を3995ccにスープアップしたDB5の心臓部。トリプルキャブレターはDB4ではホットバージョンのヴァンテージのみ許された専用装備だったが、DB5では標準モデルにも3連のSUキャブレターが装備され、282psを出力。トランスミッションはドイツのZF社製5スピードを採用。当時のメーカーパンフレットでは、「世界一のスピードを誇る4シートGTカー」と謳われた。

オリジナルのダッシュ周りのデザインにも気品が漂う。フードに輝く“Superleggera”のオーナメントが誇らしい。Superleggeraはイタリア・ミラノのカロッツェリア・トゥーリング社が特許を持つ技術で、強固なプラットフォームに小径鋼管のフレームを建て、それに薄いアルミパネルのボディを被せる軽量化のための工法である。DB5はSuperleggera 工法によって車両重量1465kgを実現している。

DB5は前後ガーリングタイプのサーボ付きスチールディスクブレーキを装備。エンジン出力の向上に伴って足周りもアップデートされた。新車時並みのクオリティでレストアされた1台だけに、インテリアは新品に換装されている。

Owner 辻本仁史さん|ヴィンテージ・クロージングを最高級のクオリティで現代に甦らせる、ザ・リアルマッコイズ最高執行責任者。ファッションから乗り物、釣り、コーヒーなど、様々な趣味を徹底的に突き詰める探求者である。

【取材協力】
ザ・リアルマッコイズ

(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)

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