過去最多の作品が集結!「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」レポ【中編】 神戸市
今年で16回目を迎える「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」が、8月23日からスタートしました。国内外から集まった60組以上のアーティストが、山々の景観や歴史ある建築、豊かな植物に寄り添うように作品を展開しています。
天覧台からミュージアム内にある作品を鑑賞した前編に続き、中編では六甲高山植物園の見どころを紹介します。
奈良美智氏の「Peace Head」と並ぶ、もうひとつのメインビジュアルが『中村萌』の「Like a Bird」。タイトル通り、羽を広げた鳥のような姿で、来場者を迎えてくれます。
氏の作品は、観る人の心によって変わると言われる曖昧な表情が魅力的。自身の様々な記憶を通し、いつの間にか世界観に引き込まれ自己投影してしまうのだとか。じっくり向き合って鑑賞してみてください。
次に、水に浮かぶ球体の物体を発見!こちらは『遠山之寛』の作品「semi sphere」で、石灰石由来の紙「HAQIR」を使ったオブジェです。
環境に優しい素材を折り紙構造にして柔らかな半球のフォルムを実現することで、作品を通し人と自然との調和のあり方を問いかけています。
水面に反射する様子は、夜にはライトアップされることで月のような幻想的な姿が見られるそうです。
その隣にある作品は、『studio SHOKO NARITA』による「Aのためのオマトディウム」。虫の複眼のように六甲山の自然や空気を映すインスタレーションです。
着色したガラス粒を含む放物面の形状体をたくさん並べることで、見る角度によって様々な色彩の変化を感じることができます。「見る」そして「感じる」ということの原点に立ち返ることができる作品です。
続いて目に飛び込んできたのは、風の環「シラス、山に昇る」。”風の環”は漁業、林業、建築といった、いわゆる芸術家の範疇に収まらない集団によるアートプロジェクトです。
円筒の空間には白いシラスたちが風で揺らぎながら泳いでいるように見えます。大阪湾、瀬戸内海からの風を視覚化することで、六甲の山や街と海がつながる様子を身体で感じられるアートとして作られたそうです。
突如現れた立方体の作品は、ドイツを拠点に活動しているユニット『池ヶ谷陸+林浩平+上條悠』による「fernsehen」。まったく同じものがドイツ・ベルリンにも展示されているそうです。
無数の穴が開いているのは、遠く離れたベルリンの風景を覗くため。こちらが向こうを見る時、向こうもこちらを見ているかもしれない、そんな時間と距離を越えて、他国とこの場所を静かに重ね合わせる体験を想像しながらゆっくりと覗いてみてください。
開催期間
2025年8月23日(土)~ 11月30日(日)
場所
六甲ケーブル
天覧台
兵庫県立六甲山ビジターセンター(記念碑台)
六甲山サイレンスリゾート(旧六甲山ホテル)
ROKKO森の音ミュージアム、新池、六甲高山植物園
トレイルエリア
六甲ガーデンテラスエリア
みよし観音エリア
風の教会エリア
時間
10:00〜17:00
※会場により一部異なります
※夜パスは17:00~20:00