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誤飲、転落、窒息、やけど 〈室内のリスク〉から赤ちゃんを守る 〜赤ちゃんが生まれたらやるべきこと(17)〜

ミキハウス

誤飲、転落、窒息、やけど 〈室内のリスク〉から赤ちゃんを守る 〜赤ちゃんが生まれたらやるべきこと(17)〜

日々成長、発達する赤ちゃん。できることが多くなってきてママ・パパはうれしいと思う反面、“思いもよらぬ動き”にヒヤッとすることも。そこで今回は、赤ちゃんにとって安全な部屋とはどんなものか、赤ちゃんの成長を先回りした環境づくり等についてまとめていきます。

目次【0~3か月ごろ】窒息や転落の原因になりそうなことに気をつけましょう【4~6か月ごろ】寝返りができるようになると目が離せなくなります【7~8か月ごろ】おすわり、ハイハイのスタート 動ける範囲が格段に拡がります【9~10か月ごろ】たっち、つかまり立ちができ好奇心いっぱい。同時に、危ないと思うことも増えます赤ちゃんもパパ、ママも安心してすごせる環境を

【0~3か月ごろ】窒息や転落の原因になりそうなことに気をつけましょう

この時期の赤ちゃんはほとんどの時間を眠っているようでも、視覚、聴覚などの感覚や運動能力は目覚ましく発達していて、音のする方を見たり、手足をバタバタさせたりします。また、3か月ごろになると首がすわり、顔の向きを自由に変えられるようになると、より外の世界に関心を持つようになります。

寝返りもまだなので心配はいらないだろう…そう思いがちですが、手足を動かしているだけでからだが移動しているなんてこともあります。

たとえばベビーベッドやソファの上に寝かせていたら落ちそうになっていた。近くに置いていたぬいぐるみやクッションが赤ちゃんの顔の上に覆いかぶさっていた、などヒヤリとすることもよくあるようです。

短時間でも転落防止柵のないところに赤ちゃんを寝かせない、ベビーベッドの中に小物を置かない、うつぶせ寝にしない、敷布団は硬めのものを使う、敷シーツをたるみのないように敷くなど、窒息や転落の原因になりそうなことに気をつけたいものです。

また、敷布団の上には防水シーツ、キルトパッドを重ね、その上から全体を覆うようにフィッティングシーツをぴったりとかぶせることにより、シーツのよれやまくれ上がりを防ぐことができます。

【4~6か月ごろ】寝返りができるようになると目が離せなくなります

おもちゃをつかんで振ったり、口に入れたりするようになるのが4か月のごろ。5か月をすぎて寝返りができるようになると赤ちゃんの移動範囲はグンと広がります。

寝返りができるようになると、気をつけたいのはやはり窒息や転落のリスク。たとえば、眠っていたのに気づいたら寝返りをしていてうつぶせになっていて、(元に戻れないまま)顔が埋もれてもがいていたり…。また郵便物を取りに行っているほんの30秒くらいの間に、寝かせていたソファから落ちているなんてこともよくあること。

20代のパパはこう振り返ります。

「子どもと留守番をしていたとき、リビングに寝かせていたのに気がついたらいなくなっていて焦りました。見つけたのは玄関。幸いケガはありませんでしたが、ここまで何回寝返りしたのだろうと驚きました。以来、部屋のドアはいつも閉めるようになりました」

【7~8か月ごろ】おすわり・ハイハイのスタート さらに動ける範囲が格段に拡がります

おすわりができるようになると、赤ちゃんの視野が広がり、両手を自由に動かせるようにもなるので見たものに手を伸ばして取るという一連の動作をスムーズに行うように。手が届く場所も増えてくるので、この時期はお口に入るものや、なめてはいけないものは赤ちゃんの手が届くところに置かないように気をつけましょう。

おすわりから腹ばいの姿勢になり、おなかをつけたまま、ずりばいで前や後に移動するようになります。だいたい8か月ぐらいで四つんばいになって手と足を交互に動かすハイハイができるようになる子が多いとされています。そうなると、どこにでもはっていくので、お部屋の隅など目の届きにくい場所もお掃除しておきましょう。

▲「ちょっと目を離したすきにゴミ箱をひっくり返して捨ててあったビニール袋で遊んでいました。それ以来、ゴミ箱は棚の上に置くようにしています」(20代ママ)

またハイハイを始めた赤ちゃんはママ、パパの後追いをしたり、おもちゃを見つけて取りに行ったりと自由に動き回ります。好奇心がますます旺盛になり、何でも触りたがるようになり、さらに手先も器用になるので、小さなつまみを握って扉を開けようとするなどの行動も見られます。活発に動き回る赤ちゃんにママ、パパは振り回される毎日です。

30代のパパは、「ハイハイで階段を上がれるとは思わなかった」と振り返ります。

「階段の途中にいる姿を見つけたときはびっくりしました(苦笑)。すぐに階段の上り口に突っ張り棒式のベビーゲートを設置しました」

また、ハイハイしている赤ちゃんの目線の高さにも注意が必要です。その代表格が「コンセント」。コンセント部分をそのまま触っても感電することはないですが、たとえばヘアピン、針金、クリップ、鍵、硬貨などをコンセントに入れたり、コンセントとプラグの間に差し込んだりすると危険です。感電事故の防止のため、金属製の物は子どもの手の届かない場所に保管したり、(容易に取り外せないタイプの)コンセントカバーを取りつけるなどしておいた方が安心です。

家中を移動できるようになった赤ちゃんには、転落、誤飲、ドアで指を挟むなどの事故も起こりがちです。床の上には何も置かない、引き出しや扉は赤ちゃんが開けられないようにストッパーやロックを使うといった対策は欠かせません。

また角のあるテレビ台やテーブルには頭をぶつけてもケガをしないようにコーナーガードを貼るのもおすすめです。階段など段差のあるところやキッチンなど入ってしまうとあぶない場所にはベビーゲートをつけましょう。

ベビーチェアやハイチェアを使っている場合は、ベルトや座面こまめに調整していつもぴったりのサイズでお座りさせてあげてください。いつか大きくなるからと余裕を持たせすぎるとすり抜けて転落する恐れもあります。

また、べビーベッドもそろそろ見直しが必要な時期です。生まれたばかりの頃は約50㎝だった赤ちゃんの身長は、生後10か月で65~75㎝。7か月ごろから柵につかまったり、足をかけたりする赤ちゃんもいます。転倒防止のために、赤ちゃんの成長に合わせてベッドの床面の高さを下げるようにしましょう。

【10か月ごろ】たっち、つかまり立ち、つたい歩きができるように。好奇心の爆発にともない危ないと思うことも増えます

足腰がしっかりして腕に力もついてくる10か月ごろには、つかまり立ちをする赤ちゃんが多くなります。つかまり立ちに成功するとつたい歩きが始まって、あんよができるのももうすぐです。

2本の脚で立ち上がったころの赤ちゃんの目線は床から60cmぐらい。行動範囲はますます広がり、興味のあるものを見つけると突進していきます。でも頭が重く脚力も十分でないので、よく転びます。フローリングなどは滑りやすいこともあるので気をつけましょう。

また、小さなものを上手につまんで口に入れることもできるようになります。たばこやお薬などの誤飲が多いのもこの頃なので、部屋に置いているものにより一層の注意を。

活発に動けるようになったこの時期の赤ちゃんの回りは危険がいっぱい。見守るママ、パパも赤ちゃんの成長に日々驚かされる毎日で、ますます目が離せなくなります。

たとえば少し目を離したすきにキッチンに“侵入”された30代ママの証言。

「侵入防止のゲートをつけてはいたんですが、完全に閉め切れてはいなかったようで…気づいたときにはガスコンロのスイッチを押していました。私のマネをしたのかもしれません。キッチンは包丁やナイフ、そのほか誤飲しそうなものまでいろいろあるので、とにかく手の届かない場所に収納するようにしました」

目線より高い場所であれば安心だと思っていたら、そうでもないよう。

「ダイニングテーブルの上に置いたお椀に手を伸ばし、スープをひっくり返してしまいました」(20代ママ)

活発な子の場合、本当に思いもよらぬ行動を取ることも。

「そばにあった箱を踏み台にしてこたつの上にあがって大喜び。すぐに降ろして箱をしまいましたが、そんな知恵がついてきたんだと驚きました」(20代パパ)

たっち、あんよができるようになると、赤ちゃんにはさらに新しい世界が広がって興味のあるところへどんどん行ってしまいます。お風呂場での水の事故も起こりやすいのでバスタブに水を入れっぱなしにしないことはもちろん、入浴時も決して目を離さないようにしましょう。ガスコンロなどの着火ロック機能は必ずかけて、アイロンやポットは手の届かない棚の上などに置くなど、やけど防止の対策も忘れずに。

赤ちゃんもパパ、ママも安心してすごせる環境を

最後に、過剰にリスクを意識しすぎることもかえってよくないかも、というお話を。

もちろん安全第一ではあるのですが、「あれをやりたい!」「こう動きたい!」という赤ちゃんの自由な意志を奪うようなことがないように気をつけましょう。

大切なことは、赤ちゃんを自由に遊ばせてあげながら、安全にすごさせること。そのための便利なグッズもたくさんあります。

たとえば、コーナーガード、コンセントカバー、ドアや開き戸のロック、引き出しのストッパー、ベビーゲートなど。ホームセンターやベビーグッズ専門店、関連のECサイトなどで販売されていますので、ご自宅の環境に合わせたものを準備しておくと安心です。

家具、家電の配置も工夫して部屋の中からできるだけ障害物をなくしてあげましょう。赤ちゃんが快適にすごせる空間なら、ママ、パパも安心して見守ることができます。

万が一、事故が起こってしまった時には、かかりつけ医に連絡するか、全国同一の短縮ダイヤル#8000でつながる「こども医療でんわ相談」を利用しましょう。また、いざというときの対応をママとパパで話し合っておくといいかもしれませんね。

安全のための便利グッズなどを上手に活用して、お家が赤ちゃんにとって楽しくすごせる場所になるように、ママ・パパにとっても安心してと暮らせるようにしたいですね。

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