仕事で人に「即レスを求める人」と「報告を求める人」の違い。あなたはどちらのタイプ?
職場で「相手が自分の言っていることを理解してくれない」と感じることはありませんか? 『「めんどくさい」が消える脳の使い方』の著者である菅原洋平さんによると、脳の情報処理の仕方が違うことが原因のひとつなのだそうです。今回は「2つのタイプの特徴」について教えていただきました。自分がどちらのタイプなのかをチェックしてみましょう!
教えてくれたのは……菅原洋平さん
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に行うベスリクリニック(東京都千代田区)で、薬に頼らない睡眠外来を担当するかたわら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。
話が通じないのは「脳の情報処理の仕方が違う」ために起こるもの
人と話していて、「話が通じないな」「こちらの都合をもっと考えてほしい」など、モヤモヤした気持ちになり、面倒だと思うことはありませんか?
日常のコミュニケーションはもちろんですが、仕事上のやりとりの場合は業務に支障が出ることもあるため、対処法を知っておくことは特に大切ですよね。
菅原さんは、このめんどくささの原因は、相手の脳と自分の脳の情報処理の仕方が違うからなのだと言います。この違いを知って上手に活用することで、人間関係の「めんどくさい」が減らせるようです。
あなたはどちらのタイプ?7つの質問でセルフチェック
私たちの脳の情報処理の仕方は、大きく2つの種類に分かれるとのこと。次の7つの質問に答えて、AとBどちらが多かったかをチェックすると、どちらのタイプか判定できるのだそうです。
1.新しい家電を買ったら?
A:とりあえず使う
B:取扱説明書を読む
2.おもしろい出来事があったら?
A:おもしろかったことから話す
B:出来事の順番に時系列で話す
3.本やドラマを見る(読む)なら?
A:おもしろいところから見る(読む)
B:第1巻・第1話や入門編から見る(読む)
4.資料をつくるなら?
A:最初に結論を伝える
B:背景から説明する
5.買い物は?
A:衝動買いをする
B:買う物リストが溜まる
6.部屋の片づけをするなら?
A:部屋のテーマ(イメージ)を決める
B:物をジャンル分けする
7.趣味を持つなら?
A:やりたいことをやる
B:できることをやる
「同時系」と「継次系」の特徴
7つの質問の結果はいかがでしたか?
Aが多かった人は「同時系」、Bが多かった人は「継次(けいじ)系」の情報処理の仕方をしているとのこと。それぞれの特徴について、まとめてみました。
トップダウン型の「同時系」
まずは情報の全体を捉え、その後に部分同士を関連づけて理解するのが「同時系」です。
映像や空間情報を処理する領域の頭頂葉をよく使うので、行動のイメージが浮かびやすく、「それを実現するためにはどうするか」という思考をします。会議や会話では、“結論から先”に聞きたいタイプだと言えるかもしれません。
アイデアを思いつくことが多いものの、実現不可能なこともたくさん浮かび収拾がつかなくなることも。
仕事上では「即レス」を求める傾向があり、相手からは「無理な依頼や早急な返事を求めてくる……」と思われてしまうこともあるのだそうです。
ボトムアップ型の「継次系」
マニュアルなどに沿って、情報をひとつずつ順序立てて理解するのが「継次系」です。
記憶情報を処理する領域の側頭葉をよく使うので、前後の文脈や過去の事例に基づいた考え方をもっています。事務仕事など、手順が大切になる業務が得意な人が多いタイプだと言えるかもしれません。
情報を整理することを重視するため、必要でない情報をとっておいたり、多すぎる情報で混乱したりすることも。
仕事上では「報告を求める」傾向があり、相手からは「どうでもいいことなのに、細かい報告を求めてくる……」と思われてしまうこともあるのだそうです。
タイプの違いを知れば「めんどくさい」は減らせる
タイプが違うことによって、相手に対して「めんどくさい」と思うことがあったり、その反対に自分が相手の「めんどくさい」を生み出すこともあるのだと、菅原さんは言います。
2つの脳の情報処理の仕方の違いをうまく使いこなすためには、話し方を工夫すると効果的です。
次回の記事では「相手に理解してもらいやすくなる4つの話し方」について、ご紹介します。
shukana/webライター