「ねぎま」や「つみれ」にしてもおいしい、おでんのブリ(鰤)の調理方法
今回はおでんのブリ(鰤)の調理方法について紹介しよう。近年続く豊漁や養殖技術の発達によってブリが手に入れやすくなっている。旬は12月から2月であり、おでんの季節と重なる。ブリのおでんは一般的ではないが、そのまま切って入れるだけでなく、ねぎまやつみれにしてもおいしい。
豊漁によって手に入りやすくなったブリ
ご存じのとおり、ブリは出世魚で大きさによって名前が異なる。500g未満を「わかし」と呼び、「いなだ」から「わらさ」を経て、6kg以上のものを「ぶり」と呼ぶ。
全国沿岸で漁獲されるが、一時は1000尾程度まで漁獲量が減少した。近年は増え続けて豊漁となっている。お正月の定番食材であり、関西ではブリ、関東や東北ではマグロや鮭が好まれてきた。
ブリの代表レシピはぶり大根だが、煮物に最適なのでおでんにしてもおいしい。今回は3種類ほどレシピを紹介しよう。
ブリの下ごしらえ
まずはブリの選び方だが、天然物でも養殖物でもかまわない。身がしまった背側、脂がのった腹側が選べるので好みで購入しよう。切り身の場合は皮が黒いほうが背側、白いほうが腹側だ。
ブリに塩をふって10分ほど待ち、表面に浮き出た水気をキッチンペーパーなどで拭き取る。塩は表面だけでなく裏や皮にも振っておこう。
次にボウルに切り身を入れ、熱湯をかける。沸騰したお湯だと反り返ったり、皮が剥がれることがあるので沸騰直前の90℃くらいが目安だ。丁寧にかき混ぜブリの表面が白くなったら、水を入れて冷ます。これを霜降り(湯引き)というが、ぬめりや水気が取れてほくっとした食感になる。後述するつみれをつくる場合は霜降りを行わなくてもかまわない。
ふっくらとした食感が楽しめる、そのまま煮る方法
いちばんお手軽な調理法は切ってそのままおでんとして煮る方法だ。ブリのふっくらとした食感を満喫できる。
霜降りしたブリを包丁で適当なサイズに切る。皮や骨はそのまま残してかなわない。おでん汁をつくったら、弱火で数分煮れば完成だ。
風味をつけるために料理酒を少量入れてもいいだろう。霜降りしてもブリの臭みが汁に多少うつるので、先に別の鍋で煮たあとにほかのおでん種と合流させる。この方法であれば、煮過ぎてぱさぱさになることも防げる。
味変としてトマトソースをかけてもおいしい。トマトの酸味やガーリックの風味は和風のおでんと意外にマッチする。市販品を使ってもいいし、トマト缶、ニンニク、オリーブオイルなどで自作しても簡単にできあがる。
長ネギとブリの相性が抜群、ブリのねぎま
ブリのねぎまも簡単に調理することができる。見た目も上品で、ひと口サイズで食べやすい。
清涼な香りの長ネギと脂ののったブリとの相性は抜群で、最後までしつこく感じさせない。
霜降りしたブリの皮と骨を包丁などで取り除き、ひと口大に切り分ける。さっぱり味わいたい方は、脂の多い身を避けるといいだろう。
長ネギは外側の皮をむいたあと、ブリの大きさに合わせて切る。ブリと長ネギを交互に串に刺せば完成だ。ブリは身が重なった面から串を刺すと抜けやすいので、身の正面から刺すと抜けにくい。おでん汁で煮れば完成だが、すこし炙って焼き目をつけてから煮てもいい。お手軽なのでぜひ一度挑戦していただきたい。
ぷりぷりとした食感のブリのつみれ
最後はすこし手の込んだブリのつみれに挑戦してみよう。フードプロセッサーを使わずできあがるので、後片付けも楽ちんだ。
用意するのはブリ(150g)のほか、片栗粉(大さじ1)、塩胡椒(小さじ1)、おろししょうが(大さじ1)、刻んだ長ネギ(適量)。好みでニラや人参、椎茸を入れてもいい。
ブリは塩を振って臭みをとったら、皮と骨を取り除き、粗めに包丁で刻む。そのまま包丁で叩いてもいいが、すりこぎを使うほうが簡単だ。
材料をすべて入れて、まとまる程度に摺っていく。おでん汁、もしくは水を沸騰させたら中火にし、すり身を手で団子状にして鍋に入れていく。つみれが浮いてきたら引き上げよう。
最後にほかのおでんに合流させれば完成だ。柚子胡椒などをつけて食べても非常においしい。
冬場はブリのおいしい季節、豊漁に感謝しておいしくいただこう。今回紹介した以外にもさまざまな調理法があるので、ぜひいろいろ試していただきたい。
取材・文・撮影=東京おでんだね
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