Yahoo! JAPAN

調理方法によって変わる。「卵」の意外と知らない“効率的な食べ方”

saita

調理方法によって変わる。「卵」の意外と知らない“効率的な食べ方”

朝食に卵を食べている方が多いかもしれませんが、じつは調理方法によって体へのメリットが変わることを知っていますか? 1日を元気にスタートするためにも、食事内容を見直すことは大切なのだそうです。今回は摂南大学農学部 食品栄養学科の岸本良美准教授に、卵の効率的な食べ方や夏を元気に過ごすための理想的な朝食メニューを教えていただきました。

教えてくれたのは……岸本良美 准教授

摂南大学農学部 食品栄養学科准教授。専門分野は、ライフサイエンス/栄養学、健康科学。ポリフェノールやカロテノイドをはじめとする食品成分の機能性を研究。
主な研究には「ポリフェノールと動脈硬化の関連を調べる研究」「皮膚のカロテノイド量の測定を野菜摂取量の増加につなげる研究」などがある。

「卵」を効率よく摂取する食べ方とは

熱中症や夏バテ対策において、朝食は重要です。しかし、朝食をただ食べればよいというわけではなく、筋肉のエネルギー源となるパンやご飯といった主食(炭水化物)に加え、体をつくる役割をもつタンパク質を摂ることも大切です。

タンパク質の補給に最適な食品のひとつが、卵です。食べ方は、生卵より「半熟ゆで卵」や「温泉卵」をおすすめします。

stock.adobe.com

その理由は、卵は加熱することで生の状態のときよりも消化がよくなり、素早く吸収されるとされているため。朝は加熱した卵を食べるとよいと言われています。しかし、あまりに固ゆでになってしまうと吸収性や消化性が低下するというデータもあり、半熟が理想的です。

また、スクランブルエッグのように油を使った調理法も、脂溶性の栄養素の吸収を助けるのに役立ちます。手軽に食べやすい方法で、さまざまなバリエーションを加えながら卵を上手に取り入れていただくとよいと思います。

夏を元気に過ごすための「理想的な朝食メニュー」

暑さで食欲が落ちると栄養バランスが偏り、「ビタミンB1」「ビタミンC」「タンパク質」がとくに不足しがちです。

この3つの栄養素をプラスできる、理想的な朝食メニューの例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

和食メニューの一例

・玄米ご飯……糖質、ビタミンB1など

・納豆、温泉卵……タンパク質、ビタミンB1など

・野菜が入った味噌汁、冷や汁……ビタミン類、大豆イソフラボンなど

stock.adobe.com

玄米には、ビタミンB1が豊富に含まれています。食べにくい場合は、白米にブレンドされたものや、7分精米(7分づき)の分つき米などを選ぶとよいでしょう。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換するときに欠かせない栄養素です。玄米は糖質とビタミンB1を同時に摂取できるので、ぜひ取り入れていただきたい食品のひとつです。

就寝中に汗をかくことが多いので、夏の朝は汁物から水分摂取するのもおすすめです。冷や汁にすれば、豆腐、ゴマ、きゅうりなど多品目を簡単に摂ることができますよ。

洋食メニューの一例

・胚芽パンや全粒粉パン……糖質、ビタミンB1など

・ハムエッグ……タンパク質、ビタミンB1など

・冷製コーンスープ……タンパク質、カロテノイドなど

stock.adobe.com

パン食の方は、食パンを胚芽パンや全粒粉パンに変えることで、玄米の場合と同じように糖質とビタミンB1を同時に摂取できておすすめです。

汁物は、夏の朝には冷たいコーンスープなどが食べやすいと思います。コーンクリーム缶を活用すると牛乳を加えるだけでよいので、手間がかからず簡単に作れます。

果物をプラスして、ビタミンや抗酸化物質の補給を

以前おこなった研究で、夏には果物や野菜の摂取量が少なくなる傾向があり、とくに8月は最も少ない月であることがわかっています。

stock.adobe.com

そのため、できれば日々の食生活に果物をプラスすることをおすすめします。ビタミンC、カロテノイドやポリフェノールなどの抗酸化物質を含む果物を朝食にも摂っていただくとよいと思います。
「キウイフルーツ」や「スイカ」はビタミンCが豊富で抗酸化物質も含まれており、夏におすすめしたい果物です。多くの紫外線にさらされる肌のためにも、積極的に取り入れていただくとよいですよ。

shukana/webライター

【関連記事】

おすすめの記事