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空から見るニッポン。ただいま、静岡県富士宮市の上空です!

さんたつ

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東は富士山、西に毛無山(けなしやま)のある天子(てんし)山地に挟まれた富士宮市。南は富士市となり、海に接していないものの、市域の高低差は3741mと自治体のなかで日本一。この高低差もあって富士山からの湧水に恵まれた環境により、ニジマスの養殖でも知られている。また全国にあまたある浅間神社の総本宮、富士山本宮浅間大社がある。

富士山の近くで富士山なしの撮影

富士宮市北部の朝霧高原には、有名なパラグライダーエリアがある。トレーニングで飛びに行くことも多いが、朝霧で練習するときは、山の上から離陸する普通のパラグライダーで飛ぶ。エンジンは使用しない。

普通のパラグライダーで飛ぶ場合、上昇気流がない場所では高度が上げられず、風の条件によって飛べる範囲が限られてしまう。そのため富士宮市の空撮はしたことがなかった。

だが今回、高高度テストのために隣の富士市のほうからモーターパラグライダーで飛行、高度を上げながら北上し富士宮市の空撮を行った。

同じ富士宮市でも北部の朝霧高原周辺とは異なり、南側は市街地となっていて民家が多い。有名な観光地である白糸の滝あたりを境に南北で雰囲気がだいぶ違う。

手前に富士宮市中心街、その上に朝霧高原と天子山地、奥に甲府盆地と八ヶ岳が見え、その先にはうっすらと北アルプスも。

高高度テストを目的としたフライトだったため、高度を4000ⅿほどまで上げてみた。

この高さまで上がると、朝霧高原で飛ぶときには下から見上げている毛無山周辺の山が低く感じる。天子山地越しに甲府盆地と八ヶ岳が見えた。北西方向には南アルプスの山々が連なっている。山梨方面から富士川が流れ、富士宮市を通過して駿河湾へと注ぐ様子もよく見える。

この周辺で飛ぶと必ず富士山が目に入るので、どうしても富士山を中心とした撮影になりがち。だがあえて、富士山以外の景色にフォーカスして撮影してみるのもおもしろかった。

富士川がくねくねと曲がりながら山梨方面へと続く。奥には雪を冠した南アルプスの山々が見える。

取材・文・撮影=山本直洋
『旅の手帖』2025年1月号より

山本直洋
空飛ぶ写真家
1978年、東京生まれ。モーターパラグライダーによる空撮を得意とする”空飛ぶ写真家”。現在、世界七大陸最高峰を空撮する、成功すれば世界初のプロジェクト「Above the Seven Summits Project」を計画中。

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