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温泉むすめ「FUSION☆FUSION!!」ライブレポート|「SPRiNGS」選抜&新ユニット「VUCCA(ヴッカ)」の音楽で湯治する2時間半から感じた「新しくて楽しい」温泉むすめの“いま”と“これから”

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年3月15日(土)、温泉むすめプロジェクトが8周年を迎えた記念日に、約5年ぶりとなる単独ライブ「FUSION☆FUSION!!」が開催されました。

出演したのは、プロジェクトの原点を担う「SPRiNGS」からの選抜メンバーと、新たに結成されたユニット「VUCCA(ヴッカ)」。タイトルが示す“FUSION”の言葉どおり、あらゆる要素を越えて融合する音楽とパフォーマンスは、会場に集まった“ぽか旦那”“ぽか女将”の心を芯から温め、熱く沸かせました。

本稿では、新ユニット、新曲、新衣装など、さまざまな「新しくて楽しい」温泉むすめの魅力が詰まったライブの2部の模様をレポートとしてお届けします。

【写真】温泉むすめ「FUSION☆FUSION!!」2部ライブレポート

温泉むすめ「FUSION☆FUSION!!」ライブレポート

「温泉むすめ」約5年ぶりの単独ライブ「FUSION☆FUSION!!」。おなじみの「SPRiNGS」から選抜されたメンバーに加え、新ユニット「VUCCA」の4人が加わったステージは湯気が立つほどの熱気に包まれていました。

まず登場したのは「VUCCA」より、かみのやま 庵 役・進藤あまねさん、福地珊瑚 役・反田葉月さん、稲取ひなめ 役・鈴木杏奈さん、別所愛染 役・立石 凛さん。ユニット楽曲『オーバーフロー!』を披露しました。

なんと作詞は帰ってきた「唐沢美帆さん」! 温泉むすめ初期の曲の多くの歌詞を担当した唐沢美帆さんの歌詞とCNBLUE、FTISLANDなど韓流アーティストを多く手掛ける「Yuzuru Kusugo」さんにより作曲・編曲された曲を、元気いっぱいでフレッシュにパフォーマンスされ、ペンライトと歓声で応える“ぽか旦那”“ぽか女将”(以下、“ぽか”)たち。目にも耳にも楽しい、新ユニットの始まりを感じさせる明るい一曲から、「VUCCA」の“これから”への期待が高まります。

『オーバーフロー!』を歌い終えたあとは、先陣を切った「VUCCA」がライブの始まりを思わせるような元気あふれるMCを行いました。4人から「チョイナー!」とおなじみの挨拶が飛び出します。

各人の自己紹介の際、鈴木さんから、稲取温泉の方がライブに来ているとの情報が。鈴木さんの「稲取(温泉)から来た人ー?」という問いかけに、客席後方から「はーい!」という大きなレスポンス。

それに対し進藤さんは、“温泉むすめの良いところ”として「各温泉地の方々が自らチケットを取って、“お湯かぶり席”(前から3列目以内確定の特別な席)にいたりするんです!」と語ります。温泉地と「温泉むすめ」の強固なつながりを感じさせる一幕となりました。

「VUCCA」よりバトンを受け取る形で登場したのは、「SPRiNGS」選抜の有馬輪花役・本宮佳奈さん、道後泉海役・篠田みなみさん、登別綾瀬役・日岡なつみさん、奏・バーデン・由布院役・和多田美咲さん。ステージに上がった4人は『未来イマジネーション!』で息の合ったパフォーマンスを披露します。

「SPRiNGS」、そして温泉むすめとして1枚目となるミニアルバム「ユノハナプロローグ」にも収録されているこの楽曲に、“ぽか”さんたちも熱烈な歓声で応えました。

約5年ぶりとなる単独音楽ライブとなったこの日。MCでは、「SPRiNGS」メンバーの仲の良さが見えるやり取りも。

久々に「SPRiNGS」として集合した本宮さんと日岡さんは、楽屋で「可愛い」とお互いに言い合っていたそう。その様子を見ていた篠田さんが「変になっちゃってる」と笑いながら現状を分析し、客席の笑いを誘います。

2つのユニットが“FUSION”するライブは、熱いお湯加減でスタートを切りました。

新曲、新衣装が次々登場!

かみのやま庵(CV:進藤あまね)『ココロコノママ』

ここからは「VUCCA」のソロ楽曲が次々とお披露目! まずは『ココロコノママ』を引っ提げてかみのやま庵役の進藤さんが、耳付きニット、ポシェット、グリーンのスマホを携え登場です。

コール&レスポンスがふんだんに盛り込まれ、アップテンポで展開される楽曲。ステージ全体を広く使い、キレのあるダンスを披露しながら歌う進藤さんのパフォーマンスに、会場も大いに沸き立ちました。

稲取ひなめ(CV:鈴木杏奈)『まつりごと』

続いて披露されたのは、稲取ひなめの新曲『まつりごと』。本楽曲は、「FUSION☆FUSION!!」にて初披露となる楽曲のひとつです。

表現されたのは、鈴木さんが身にまとう巫女服ベースの和装が軽やかに舞う可憐なステージ。神楽鈴や琴など、和楽器の音色が心地よく響くサウンドが魅力の一曲です。

Cメロでは鈴木さんの合図にあわせて、客席全体が息の合ったクラップで応え、一体感のある盛り上がりを見せました。

また、この楽曲を手掛けたのは『ハロ/ハワユ』などを生み出したボカロPとしても知られる「ナノウ」さんであることがライブの後、明かされました。

別所愛染(CV:立石 凛)『雨の雫』

こちらもこの日が初披露となった『雨の雫』。心にスッと入り込む立石さんの澄んだ歌声が、会場を包み込みます。

番傘を使った可憐な振り付けと淑やかなメロディを楽しむ”ぽか”たち。飛行船シアターならではのプロジェクションマッピングが合わさり、無二のステージとなりました。

この楽曲の作詞・作曲も『まつりごと』と同じく「ナノウ」さんであることが明かされ、どちらもキャラクターの個性を際立たせた曲になっていました。

福地珊瑚(CV:反田葉月)『気分はストレンジャー』

「VUCCA」ソロ楽曲の最後を飾るのは、福地珊瑚の新曲『気分はストレンジャー』。先ほど披露された『雨の雫』とは打って変わって、激しく楽しげなダンスナンバーです。

この曲は48グループにも多数の曲を提供をする「木下めろん」さんの作詞・作曲となり、曲中には、〈ぐるぐるぐるぐる……〉という特徴的な歌詞が組み込まれています。その歌詞の通り、反田さんの「みなさん! 回るよ!」という明るい掛け声が会場に響き渡ると、“ぽか”たちはその場でぐるぐると回転! 会場が一体となり、ほんわかと楽しいステージとなりました。

“FUSION”『Petit Etoile』

ここで、本ライブのテーマでもある“FUSION”を体現するステージが展開!

「VUCCA」より進藤さん、鈴木さん、立石さん、そして「SPRiNGS」選抜から和多田さんが登場し、petit corollaの『Petit Etoile』を披露しました。

特徴的なエレクトロサウンドに乗せて響く4人の歌声。それに加えて息の合ったダンスが繰り出されると、客席からは「可愛い!」という声が次々と上がります。

鈴木さんは、衣装についている“お団子”のような装飾がぽむぽむと跳ねて大変だったと、笑顔で語ります。

また、ライブで『Petit Etoile』を歌うのは今回が初めてだった和多田さんも、この曲を楽しみにしていたとのこと。

この日のために結成されたユニットとは思えないほどの完成度からは、まさに“FUSION”の真髄を感じることができました。

“FUSION”『ロマンスの林檎』

続く“FUSION”楽曲は、「SPRiNGS」選抜の篠田さん・日岡さんと、「VUCCA」から反田さんが登場。

日岡さんが演じる登別綾瀬として、「私、泉海ちゃんと珊瑚ちゃんの可愛い姿が見たくなっちゃった」と客席の期待を煽ります。その言葉通り、可愛さ満点のナンバー、SPRiNGS内ユニット しゃんぷーはっとの『ロマンスの林檎』が披露されました。

ライブ用に再構成された歌詞割りに照れるメンバー、ノリノリでパフォーマンスするメンバー……馴染み深い楽曲に加わる変化。“FUSION”ならではの特別な空間が広がりました。

SPRiNGSが会場を追い焚き!

SPRiNGS『湯夢色バトン』

『ロマンスの林檎』を歌い終えたあとは、「SPRiNGS」選抜の4人によるMCへ。

舞台裏でパフォーマンスを見ていた本宮さんは、篠田さんの可愛らしい歌唱や、日岡さんのセクシーな歌い方を絶賛。少し低めのイケメンボイスで「良かったよ」「可愛かったです」と言葉をかける姿は、まるで評論家のようです。それにつられ、照れながらもお互いを褒め合う姿から、メンバー間の絆が窺えました。

そして、いよいよ「SPRiNGS」によるステージがスタート!

水色のギンガムチェック衣装で揃った本宮さん、篠田さん、日岡さん、和多田さん。篠田さんの「SPRiNGSメンバーといっしょにお送りします」という言葉に続いて披露されたのは『湯夢色バトン』。

この楽曲でも、本公演のために再構成された振り付けが披露されました。曲中には、4人で大きなハートを作るシーンや、ペンライトをバトンに見立てて繋ぐ演出も。“ぽか”さんたちも思い出深い楽曲とともに、特別な演出を楽しみました。

有馬輪花(CV:本宮佳奈)『進化系ミライ』

ここからは「SPRiNGS」選抜メンバーによるソロ楽曲パートへ。最初に披露されたのは、有馬輪花の『進化系ミライ』。

キャラクター衣装に着替えた本宮さんが姿を見せると、客席のペンライトが一斉に赤へと変化。“ぽか”さんたちの団結力と対応力が感じられる瞬間でした。

しかし、それでも本宮さんはさらに盛り上げます。「みんな、もっと声出せるんじゃない!?」という呼びかけに、会場の熱量はさらに高まります!

本宮さんの全力のパフォーマンスに応えるように進化していく“ぽか”さんたち。そんな一体感あふれるステージに、胸が熱くなりました。

道後泉海(CV:篠田みなみ)『うぇるかむ to ONSEN!!』

次に披露されたのは、道後泉海の『うぇるかむ to ONSEN!!』。

温泉むすめプロジェクト初のソロ楽曲ということもあり、会場からは歴史を感じるような一際大きな歓声が響き渡ります。

Bメロの〈浮世のお疲れに 日頃のご褒美に〉〈悩みごとは置いといて 肩書きもしまっといて〉の部分では、掛け軸がダンサーにより提示され観客による合唱が巻き起こりました。

バックダンサーとの息の合ったダンスを見せた篠田さんには、大きな拍手が送られました。

奏・バーデン・由布院(CV:和多田美咲)『ユメを抱いて生きてく私たち』

奏・バーデン・由布院の『ユメを抱いて生きてく私たち』は、しっとりとしたメロディに、力強さを併せ持つバラードナンバーが会場を包みます。

和多田さんの真っ直ぐで芯のある歌声は、まるで希望を訴えかけるよう。観客の胸を打ち、思わず涙ぐむ“ぽか”も見受けられました。

登別綾瀬(CV:日岡なつみ)『湯けむりトキメキゲーム』

「SPRiNGS」最後のソロは、登別綾瀬の『湯けむりトキメキゲーム』。彼女のオトナでセクシーな雰囲気を全面に押し出した、ジャジーな一曲です。

バックダンサーとともに妖艶な空気感をまとった日岡さん。間奏部ではステッキを用いたダンスも披露され、ひと味違った魅力で観客を魅了しました。

もっと! 「FUSION☆FUSION!!」

“FUSION”『情熱のパラディソ -Live ver.-』

ここから再び“FUSION”ステージがスタート。AKATSUKIの『情熱のパラディソ』が、ライブバージョンとして披露されました。

本宮さんのアカペラから始まった『情熱のパラディソ』では、衣装も赤と黒にチェンジ。『湯夢色バトン』での可愛さや、『進化系ミライ』の元気さとはまた違った魅力が溢れます。

今回の“FUSION”では、「SPRiNGS」から本宮さん、「VUCCA」から反田さん・立石さんが登場。3人のキレのある歌声とハーモニー、そしてダンスが、“ぽか”さんたちの心を熱く沸かせました。

“FUSION”『SILENT VOICES』

続いて披露されたのは、イントロがなった瞬間に大歓声に包まれたSPRiNGS内ユニット 雪月花の『SILENT VOICES』。「SPRiNGS」から本宮さん、和多田さん、「VUCCA」から鈴木さんが“FUSION”します。

三声コーラスによる複雑なハーモニーが魅力の本楽曲。ユニゾンのない構成を、本宮さん・和多田さん・鈴木さんが見事に歌い上げます。

客席のペンライトによって白い光が広がり、幻想的で美しい世界がステージを包みました。

VUCCA『ユメハナビ』

『SILENT VOICES』の終了後、一人ステージに残った鈴木さんの呼びかけで「VUCCA」が再集結! 赤と黒の衣装を誇らしげに見せながら、「先輩たちにお借りしました!」と嬉しそうに話します。

その後に披露された新曲『ユメハナビ』は、この日が初お披露目で『オーバーフロー!』同様のタッグで制作された曲。サウンドエフェクトやギターリフ、クラップパートが散りばめられており、マイナーコードの楽曲ながら、体を預けて楽しめる1曲です。

『オーバーフロー!』と同様、初披露にもかかわらず、会場に集まった“ぽか”さんたちは完璧なノリで応えます。

これからさらに楽曲を増やし、進化を遂げていくであろう「VUCCA」への期待がますます高まるパフォーマンスでした。

SPRiNGS『咲かせよ 沸かせよ バンバンBURN!』

そして、“この日最後の曲”として披露されたのは、『咲かせよ 沸かせよ バンバンBURN!』。温泉むすめの“全体曲”であり、ライブでもおなじみのナンバーです。

「VUCCA」が熱気をもたらした会場を、「SPRiNGS」がさらに盛り上げ、ボルテージを高めていきます。「それそれ」「わっしょい」といったコール&レスポンスも一体感を生み、熱気は最高潮に! 8年間の想いが湧き上がるような、圧巻のステージとなりました。

湯冷めなんて不可能! アンコールステージ

『咲かせよ 沸かせよ バンバンBURN!』が終わるや否や、会場にはアンコールの声が響き渡ります。“ぽか”さんたちの熱い想いに応え、まずは「VUCCA」の4人が登場!

この日がデビュー日となった「VUCCA」。8周年記念ライブでの門出に、メンバーからは改めて感謝の言葉が贈られました。

鈴木さんは、一推しは「SPRiNGS」さん、二推しとして「VUCCA」ちゃんも気にかけて、と謙虚にコメント。それを受けた進藤さんは、「SPRiNGS」の出番のときは「SPRiNGS」の法被を、「VUCCA」のときは「VUCCA」の法被を、と会場に呼びかけ、笑いを誘います。

本ライブが“温泉むすめ”として初舞台となる反田さん、鈴木さん、立石さん。準備は急ピッチだったと明かしつつも、“ぽか”さんたちの温かさに触れ、「頑張ってよかった」と笑顔を見せました。

今後、新メンバー2人の加入が予定されている「VUCCA」には、熊本県 玉名満美 役・青木陽菜さんと、長野県 鹿教湯万美 役・瀬戸桃子さんの参加が後日発表されました。弾けるような明るさが、さらに輝きを増すことが期待され、今後の展開の注目が一層高まります!

“FUSION”『青春サイダー』

ここで本ステージ初となる、8人全員集合が実現します。登場した「SPRiNGS」選抜メンバーからタオルを受け取った「VUCCA」の4人。その中でも進藤さんが「タオルって……“アレ”をやるってことですか!?」と期待を煽ります。

アンコール1曲目は、「SPRiNGS」の『青春サイダー』! 過去のライブでも盛り上がった人気ナンバーに、ライブという名の温泉から一度上がっていた“ぽか”たちも、再び飛び込みます。タオルが回り、湯気が立ちこめるステージに、興奮と喜びが満ちあふれました。

さらに、曲の終盤にはキャスト直筆サイン入りのタオルが客席へ投げ込まれる演出も! 笑顔と感動に包まれた、最高の一曲となりました。

“FUSION”『追伸、ありがとう』

2曲目のアンコールにて披露されたのは『追伸、ありがとう』。「温泉むすめ」“全体曲”のひとつである本楽曲は、“ぽか旦那”“ぽか女将”、温泉地の方々、関係者、「温泉むすめ」とつながった縁ある人々への感謝をこめて歌われました。

8人が力強く紡ぐ「ありがとう」。その想いは確かに“ぽか”たちの心に届き、中には涙を流しながら聴き入る“ぽか”さんの姿も。温泉むすめの“いま”に宿る愛が感じられる、感動的なラストナンバーとなりました。

そして“これから”も、きっと大きく広がっていく温泉むすめの輪。この日、すべてが“FUSION”した先に見えたのは、最古と新生が交わることで生まれた「ありがとう」でした。

楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまうもの。最後は8人が横一列に並び、感謝を込めて挨拶。

篠田さんの「よー!」の掛け声に続き、飛行船シアターには“ぽか”たちの元気な「チョイナー!」が響き渡りました。

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