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【食のプロの台所】隅々までぜんぶ手作り。「WOLD PASTRIES」鰤岡和子

料理通信

台所は暮らしの中心を占める大切な場所。使い手の数だけ、台所のありようがあり、その人の知恵と工夫が詰まっています。今回訪ねたのは多摩丘陵の里山に囲まれた築70年を超える古屋。自力でリノベーションした美しい台所をご覧ください。


鰤岡和子
焼き菓子ブランド「WOLD PASTRIES」主宰。自宅の工房で焼き、通販や都内の雑貨店、イベントなどで限定販売される焼き菓子は、即完売の人気ぶり。家具職人の夫、愛娘との3人家族。
@woldpastries


(TOP写真)
乳白色のタイル壁。真珠色のホーローシンク(KOHLER製)。バニラホワイトの収納扉に人造大理石カウンター。東向きの窓から朝日が差すと、白のグラデーションが浮かび上がる。ニュアンスに富んだ美しいキッチン。


“匠たくみびと人”が近くにいる頼もしさ

土台は、築70年を超える古屋。再建築不可の建築条件をこれ幸いと、2年以上の時間をかけて納得のいく住まいに改修した。移り住んで4年目(取材当時)の春を迎える。


「窓からの眺めが最高に気持ちいいんです」と鰤岡さん。周りを多摩丘陵の里山に囲まれ、300坪もある敷地内の庭ではビワ、柚子などの果樹がたわわに実をつける。「朝ごはんの支度中、鳥が柿をつつくのを窓から見て、ほっこりしたり。マンション暮らしでは、想像もできないことでした」


裏山には竹林が広がり、タケノコ堀りも自在という憧れの住環境。さらに羨むべくは、リノベーションのすべてを自力でやってのける家族がいる“環境”だ。夫の力也さんは、店舗の内装も手がける気鋭の家具職人。白と木が基調のキッチンも、建具、家具、引き戸やノブなどの細部に至るまで、オールハンドメイドで設えた。一家の台所であると同時に、入魂の試作を展示するギャラリーとも呼ぶべき空間である。


「『収納を多く』ということ以外、特にリクエストもしていません。どんなふうになるのか、したいのか、大体はわかるから」


家具と菓子。ジャンルは違えど職人同士、ましてや家族。語らずとも、求めるものにズレはない。ついでに言えば、和子さんの仕事場である離れの工房も“作品”のひとつ。「ちゃちゃっと数日で作ってくれました(笑)」。うらやましいというしかない。


朝食用の丸テーブル。「2日の特急仕上げ」にして、この出来栄え!

収納はたっぷり。引き出し用の木製ノブに注目。旋盤を回し、一つひとつ手仕事で仕上げている。

(雑誌『料理通信』2019年5月号掲載)


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