精液とおしっこは混ざらない?おしっこと精液の出る仕組み【12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育】
精液とおしっこは混ざらない
ここまで読んで、「え、精液とおしっこって、同じところから出てくるの?」「おしっこと混ざってそう……」と思った人もいるかもしれません。
結論からいうと、尿と精液が混ざることはありません。
順を追って説明しましょう。まず、おしっこ(尿)がつくられるのは、腎臓という器官です。腎臓は血液の中にあるいらないものを取り除き、きれいになった血液を再び体中にめぐらせる働きをしています。腎臓で「いらないもの」とされた不要物や余計な水分は、「尿」として膀胱にためられます。尿がたまると尿道を通って体の外に出しますが、ふだんは膀胱から尿道への出口は閉まっています。おしっこが勝手に少しずつ出てくることがないのは、そのためです。
さらに、射精が近づいてくると、カウパー腺液という液体も分泌されます。カウパー腺液には尿で酸性になっていた尿道をアルカリ性にして、酸性に弱い精子が死なないようにする働きもあります。
つまり、尿も精液も同じ尿道を通りはするけれど、精液が出るときは膀胱の出口は閉まっているので尿と精液が混ざることもないし、射精のときは精子が通りやすいための環境が一瞬にして整えられるのです。
おしっこと精液の出る仕組み
たまった尿が尿道を通り外に出る
精液が出るときは膀胱の出口は閉まる
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子