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Cindyと中山美穂の密接な関係!90年代シティポップの名盤がアナログレコードで復活

Re:minder

1990年06月25日 Cindyのアルバム「ANGEL TOUCH」発売日

山下達郎のツアーにコーラスとして参加


1984年、Cindyはキティレコードよりシングル「Chance On Love」でデビュー。そして1987年には全曲英語詞によるアルバム『LOVE LIFE』をリリース。収録曲の「Spread The Love」と「Think Your Love Away」はスティーヴィー・ワンダーが作曲・編曲・演奏を手がけて話題になっている。また、この時期のCindyは山下達郎のツアーにコーラスとして参加しており、その歌声は達郎のライブアルバム『JOY』の中でも聴くことができる。

この時期、Cindyはソングライターとしても活躍していて、1988年に作曲を手がけた中山美穂のシングル「Witches」は、見事オリコンの1位を獲得。その後に手がけた「人魚姫 mermaid」(1988年)と「ROSÉCOLOR」(1989年)も首位を獲得している。そんな絶好調なタイミングでレコード会社をファンハウスに移籍し、本格的にアーティストとして始動することになっていく。

ーー 手元に1枚のCDがある。1990年に行われた業界向けのコンベンションで配られたサンプル盤だ。ジャケットには “Cindy Movies!” の文字が、キャッチコピーには “SHE PRODUCTS HERSELF 〜 ヒットメーカーのシンディが、彼女自身をヒットさせることにした” と書かれている。ソングライターとして注目された彼女を、本格的なアーティストとして売り出すために、ファンハウスが開催したコンベンションであった。

1990年にリリースされた名盤「Angel Touch」


2025年現在、名盤と呼ばれているアルバム『Angel Touch』は、音楽メディアがアナログレコードからCDに完全に移行した時期ーー 1990年6月25日に発売され、アルバムの発売と同時に「天使の気持ち」(中山美穂への提供曲をセルフカバー)がシングルカットされている。このアルバムは当時流行していたR&Bやニュージャックスウィングを取り入れた洗練されたアレンジで、彼女の持つキュートな声質と相まって、素晴らしいポップアルバムに仕上がっている。しかし、今思えば不思議な話だが、当時はさほど注目されなかった。

現在のシティポップ・ブームの中で注目されている楽曲は7曲目に収録されている「私達を信じていて」で、Spotifyで1,400万回以上再生されている。特に、国内外のDJたちから注目されている1曲なのだが、1990年代初頭は、あくまで “玄人受けする音楽” という印象だった。アルバムのキーマンとなるのは、山川恵津子と共に音楽ユニット “東北新幹線” を組んでいた鳴海寛で、アレンジャー、プログラマー、ギタリスト、キーボーディストとして関わっている。

Cindyと中山美穂の密接な関係


リリース当時、筆者が注目していた楽曲は「Destiny」で、この曲は前年の1989年に発売された中山美穂のアルバム『Hide'n' Seek』に収録された楽曲のセルフカバーだ。Cindyはこのアルバムに4曲の楽曲を提供しており、首位を獲得するヒットアルバムになっている。ちなみに、アレンジはCindyのアルバムにもギターで参加している鳥山雄二が手がけている。

そして、もっとも注目すべき曲は、ミディアムテンポのスウィートなナンバー「Fall In Love」だろうか。この曲は山下達郎がコーラス、ギター、キーボードで参加しているので、ご存じない方はいち早くチェックしていただきたい。

さらに、「天使の気持ち」「私達を信じていて」に続くシングルカットとなった「Special Ever Happened」はまるで讃美歌のように響いてくる美しい1曲だ。クリスマス時期には是非プレイリストに入れてほしいナンバーだが、この曲は、翌1991年に発売された中山美穂のアルバム『Dé eaya』の中でもカバーされている。

ここまで読んでいただいて、Cindyと中山美穂とがいかに密接な関係だったかお分かりいただけたかと思うが、Cindyは約30曲もの楽曲を中山に提供している。1991年にリリースされたCindyのサードアルバム『Don't be afraid』では、中山美穂が1989年に1位を獲得した「ROSÉCOLOR」もセルフカバーしている。こちらのバージョンも素晴らしい出来なので、是非チェックしていただきたい。

「CITY POP on VINYL 2025」でアナログ盤として再発


Cindyはその後、ロサンゼルスに移住し、著名なアーティストのボイストレーナーとして活躍していた。1990年代には松任谷由実も彼女からトレーニングを受けていたはずだ。しかし、Cindyは43歳という若さで2001年に亡くなってしまう。

アルバム『Angel Touch』が再び脚光を浴びるようになったのは、シティポップ・ブームの最初の頃で、2015年にはBlu-spec CD2規格でリマスターされている。その後、2020年にはアナログレコード化されて話題になっているが、あっという間にSOLD OUTになり、現在中古市場では高値で取引されている。

でも、安心してください(笑)。シティポップに特化したアナログレコードのイベント 『CITY POP on VINYL 2025』で『Angel Touch』は再発されることが発表されているから。当時、CDのみで発売されていた作品をアナログ盤で聴くという贅沢を、是非体感していただきたいと思う。

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