子供の歯磨きの悩み。歯医者さんがトコトン回答!
妊娠・出産・育児のリアルな経験談が集まる匿名座談会。
子育てのお悩みあるあるを中心に、今まさにその悩み直面している人も、これから直面する人も、子育ての参考書にいつでも聴ける番組。
今回は、歯磨きの悩みにトコトン回答!
東京都にあるスーパースマイル国際矯正歯科で小児歯科と小児矯正を担当されている歯科医師のリサ先生に伺いました。
いつから歯磨きを始めるべき?
川島:目安はあるんでしょうか?
りさ:下の前歯から生えるんですが、それが生え始めたら、「そろそろ歯磨きのタイミングだな」と思っていただけるといいと思います。ただ、口の中ってすごく敏感で、髪の毛が1本入っても気付くぐらい、体の中で1番敏感な臓器と言われます。突然歯ブラシが入ってくると、赤ちゃんもビックリすることがあるので、できれば歯が生える前から。ミルクを飲んだ後とか。清潔なシートやガーゼを指に巻いてマッサージする感覚でお口の中を触ってあげると、赤ちゃんも慣れてくるので、抵抗が出にくいかなと思います。
川島:口の中の菌を全部取るぞ!っていうよりは、慣れさせておこうと。
りさ:そうですね。歯がない赤ちゃんの口に、虫歯の菌の居所はないんですよね。なので、ミルクカスが残ってたりするかもしれないので、そういうものを軽く拭くぞ~とか、口の中をマッサージするねっていうぐらいの感覚で触ってあげれば十分だと思います。
フッ素。何からやれば…
川島:「生後10ヶ月。上下合わせて8本の歯が生えています。毎食後とおやつ後に歯磨きシートをする必要はありますか?すすぐのが難しいので、フッ素関連のものも何からデビューしていいのかわからず、結局、歯磨きシートを使用中です」と。
りさ:まず、毎食後とおやつの後に歯磨きシートをするのは、歯科医師としてはもちろんできたらいいですよ!ってお伝えはしたいですが、そこまで厳密にしなくても大丈夫。夜とか、長い時間寝る前にちょっと丁寧めに拭いてあげるので、今は十分じゃないかなと思います。あとはフッ素関連のもの。デビューしたい気持ちがあるようでしたら、薬局に行くと、スプレーでシュシュって吹きかけるタイプのものが最近売ってるんです。前歯しか生えていないお子さんでしたら、そのシュッシュのタイプのものを、歯磨きとか、拭いた後に。直接吹きかけるのが難しければ、綿棒みたいなものにつけて、シュシュっと。お口の中に行き届かせられるようだったら、口にシュッシュって入れて、かけていただければいいかなと思います。ただ、歯磨きシートを使用しているということで、フッ素は歯の汚れを除去するものではないので、まずは汚れを取る意味で、歯磨きシートを第一選択で使い続けていただければ十分安心なんじゃないかなと思います。
川島:汚れを取るとか、フッ素スプレーって、歯の裏も一緒にやった方がいいんでしょうか。
りさ:そうですね。汚れを取るときは、歯の裏側はマストで拭いていただいた方がいいですね。虫歯になる場合、上の前歯は裏側から虫歯になることが多いので、 外側から見て虫歯になってるとわかる時にはもう、裏側は大きくなってることがありますし、下の前歯は唾液が出るところがすごく近いので、歯石がものすごくつきやすいんですね。なので、歯石がついてしまうとお家では取りにくいので、 歯医者さんに行っていただくことになるかなと思います。付きにくくするためには、裏側しっかりお指にシート巻いて拭いていただけると安心かな。フッ素はお口の中に唾に混ざって行き届いてれば安心ですので、そこまで裏に入れようと頑張らなくていいと思います。
どのくらい磨けばいいの?
川島:8本生えていて、毎食後、歯磨きしてる。どのくらい磨けばいいかわかりません!という質問です。
りさ:難しいですよね。そこまで神経質にならずに、 残った食べカスをちょっと払いのけるぐらいの感覚でやっていただけるといいかなと思います。長く寝る前の歯ブラシを1番大切にして、気持ち丁寧に、ものが挟まってないかを確認しながら、裏側も歯磨きを。朝やお昼は、軽く残っているものを取るマッサージ感覚で大丈夫だと思います。
川島:8本生えている状態。歯磨き粉ってもう使っていいんですかね?
りさ:歯磨き粉は、基本的にはブクブクうがいができる子がベースになりますが、できない子用にはジェルみたいなものが売っています。おそらく磨いた後に拭って下さいと書いてあると思うんですが、そういうものを導入していただけるといいと思います。
川島:ジェルって、拭き取るのが前提なんですか。
りさ:拭き取れない…と心配な方もいらっしゃると思います。私も正直、拭き取れないことも結構あります。体にすごく害があるものを赤ちゃんのお口の中に入れることは、日本は特に基準が厳しいですから、安心していただいて大丈夫。ただ、一応安全のために。そして、心配でしたら付けすぎないことに気を付けていただければいいと思います。目安としては、歯ブラシの3分の1くらい。ブクブクうがいができるようになったら、泡立つタイプとか、歯の表面の着色を取るような効果がある、いろんな成分が入っているものにグレードアップできます。無理しないで。
日々の生活は、すごく大変です。虫歯にしたくない!と心配してらっしゃると思うんですが「できない時はできない。できることをする」。あとは信頼できる歯医者さんを見つけて、先生に相談したり、プロに任せちゃうっていうのが、負担を軽くできる手段かなとは思います。
川島:ありがたいですね。理想を言えば、歯医者さんは何歳くらいから行くのがいいんですか?
りさ:理想としたら、大体2歳半から3歳くらいになって、奥歯がほぼほぼ生えてきてる頃に。噛み合わせや歯磨きの状態をプロの先生に見てもらう。虫歯の治療が1番最初の歯医者さんになると緊張しちゃうと思うので、小さな時から通ってる小児科みたいな感じで、慣れ親しんだ歯医者さんに、安心して口が開けられる環境を整えてあげられると、より安心かなと思いますね。
(TBSラジオ『ベビーのいる生活~迷える子育て応援Podcast~』より抜粋)