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中村文則「SNSの登場で人類史上最もお互いを比べ合う時代に突入している」

文化放送

小説を通して数々の問題提起をしてきた作家の中村文則さん。12月12日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、新刊「列」をどのような思いで書き上げたのかを聞いた。

小島慶子「列に並ばされているから殺し合うんですか、私たち人間は?」

中村「どうしても競い合わされています。CMも羨ましがってもらうことで商品化したりだとか、今SNSもあるのでお互いを比べ合って、ちょっと自分の方がマウントを取ったり、相手よりちょっと自分のほうが上だみたいな感じになったりするとお互い苦しくなって自分の肯定感も下がり、ストレスが凄い溜まっていく。人類史上、今SNSの登場によって最もお互いを比べ合ってる時代に突入してるので、これも何とかならないかという思いを込めて小説に書いたんです」

大竹「自己肯定感って凄い邪魔っていうか、そこにいたら勝たなきゃいけないし、負けたら行き場がなくなる」

中村「そうなってしまうのは大変つらいんですけど、かと言って、みんな比べ合うの辞めようぜっていうのはなかなか難しいんですよ。自分は誰とも比べ合っていないっていう人も例えば『私はのんびり生活してるんだ』っていうのも結局は自分の心の平安を人にアピールしたりして比べ合ってしまっている。比べ合うなっていうのは簡単だけど、ある程度比べ合うのはしょうがないけど、その中でどうすれば多少は楽になれるのかなっていうのを今回小説に書いてみたかったんです」

この他にも中村文則さんは“列に並ぶこと”を通して人間の内面を描いた新刊「列」についてたくさんお話を聞かせてくれました。

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