相生の小学生岡野ななこさん 2度目のヘアドネ 約40cm、バッサリ
相生に暮らす岡野ななこさん(9)が3月29日、自身2度目となる「ヘアドネーション」活動のため、2年9カ月間伸ばしてきた髪の毛をカットした。長さ約40センチの髪は支援団体に郵送された後、小児向け医療用ウィッグとなり、頭髪に悩みを抱える子どもたちに無償提供される。
寄付された髪でウィッグを作り、病気の治療や投薬の影響などで髪が抜けてしまう人たちに提供する「ヘアドネーション」。新たな社会貢献活動のひとつとして、認知度が高まりつつある。岡野さんは4歳の時、人気ユーチューバー・フィッシャーズのモトキさんが髪の毛を寄付する動画でこの取り組みを知った。
先天性の病顔に手術痕
リンパ管の発生異常によって生じる病気「リンパ管腫」の影響で、左目付近に手術痕がある。先天性で1歳の頃に診断を受けて以来、治療を続けてきた。
保育園入園時に担任がクラスメイトの前で「『ななこちゃんは手術を受けてすごい子』と紹介してくれた。本人も前向きになれたのかも」と母親の公恵さんは話す。
「誰か」のために傷まないように
「病気で困っている人に髪の毛をあげたい」。1年生の夏、それまで伸ばし続けてきた髪の毛をカット。その後、2度目の寄付へ向け準備を進めていた。「誰かのために、傷まないように」と、お風呂上がりは母がドライヤーで我が子の髪の毛を丁寧に乾かすのが日課だった。
この春から弥栄小学校の4年生になる。「今までと違った姿で進級したい」と、伸ばし続けた髪の毛のカットを決意。この日に臨んだ。
「人毛は違うすごいこと」
3月上旬、乳がんを患い抗がん剤治療を受けているという母の友人に会う機会があった。その人は自身のウィッグを見せながら、人毛かつらと人工毛のかつらの違いを説明した。「あなたがやっていることはすごいこと」。「誰かのため」の「誰か」のひとりがすぐそばにいた。
カットしたのは、1回目の時も担当した「hairresortclamp相模原店」の篠原麻依さん。背中まで伸びた髪を5つの束に分け、40センチほどで切り落とした。カットを終え、岡野さんは「寂しいけど、軽い。また、伸ばしていきたい」と3回目の寄付を見据えた。