平均寿命40歳の時代に84歳まで生きた秘訣! 貝原益軒の睡眠と入浴法とは!?【1週間で勝手にぐっすり眠れる体になるすごい方法】
平均寿命30~40代の江戸時代に独自の健康法で84歳まで生きた人がいる
貝原益軒(かいばらえきけん)は江戸時代に活躍した日本の儒学者、本草学者、教育家です。体が弱かった益軒は若い頃から健康を気づかい、独自の養生法で寝た切りになることなく84歳の生涯をまっとうしました。平均寿命30〜40代と推測される江戸時代においては例外中の例外といえます。彼の代表作である『養生訓』は、300年以上経った今も健康指南書として読まれる不朽の名著です。また、『大和本草』は日本の植物や動物、鉱物について詳細に記した画期的な書物として評価されています。これらの本の中から、現代においても参考になる益軒ならではの睡眠・入浴にまつわる健康法を紹介しましょう。
『養生訓』
貝原益軒が83歳のときに執筆した、健康で長生きするための生活指南書。
入浴や睡眠については、養生法として具体的に記載されています。
睡眠について
【原文】
「早寝早起は養生の第一の法なり。夜は早寝して、夜ふかしをせず。夜ふかしすれば、心神を疲れ、血気を耗す。夜は静かに心身を安くし、心を動かさざるべし。」
【解説】
早寝早起きが健康の基本。夜更かしは心身を疲労させ生命力を消耗させると説き、夜は静かに心を落ち着けて過ごすようにとアドバイスしています。
【原文】
「寝る時は、心に事を思ひめぐらさず、よく寐るべし。寝る時、ものを思ひては、心疲れ、よく寐ざるゆへに、夢多く、心神安からず。
【解説】
寝る前には心配ごとや考えごとをせず、心を穏やかに保つことが重要。そうすることで深い眠りにつき、夢も少なくなり、心身が安らかになると述べています。
入浴について
【原文】
「入浴すれば、血気めぐり、身体温まり、垢落ち、よきことなり。但し、浴後には、早く衣服を着て、湯冷めせざるやうにすべし。食後直ぐには浴するなかれ。血気消化の力を妨ぐるゆへに。」
【解説】
入浴は血行を良くし、体を温め清潔に保つ効果がある。湯冷めしないように早く着替えること、食後すぐの入浴は消化を妨げるため避けるべきなど、注意点にも言及。
『大和本草』
日本の動植物、鉱物などを分類・解説した本草学(薬物学)の書物。入浴や睡眠に良い生薬について、活用法や効能を記しています。
睡眠について
【原文】
「合歓葉、安眠の効あり。煎じて服せば、よく寐るを助く。」
【解説】
「ネムノキの葉」には安眠を促す効能があり、煎じて飲むことでよく眠れるようになると、ネムノキの葉を生薬としてすすめています。
入浴について
【原文】
「桃葉、煎じて湯に入れ、浴すれば、汗を出し、皮膚の病を治す。」
【解説】
「桃の葉」を煎じて風呂に入れると、発汗作用を促し、皮膚の病を治す効能があると説明しています。特定の薬草を「入浴剤」として用い、その薬理効果についてまで記しているのが特徴的です。
【原文】
「今按に傷食、食滞、泄瀉、腹痛等の病に温湯に浴す。氣めぐりて早く愈ゆ。薬を用うるに勝り。但し湯冷めに注意すべし。」
【解説】
食べすぎによる食あたりや消化不良、下痢、腹痛などの病気になったときには、温かいお湯に浸かって体を温めると良い。気の巡りが良くなり、薬を使うよりも早く治ると説き、湯冷めについても注意。
【出典】『1週間で勝手にぐっすり眠れる体になるすごい方法』著:石川泰弘/監修:新見正則