身体の不調を未然に防ぐ部分・動きケア®チェック&エクササイズ「胸郭部」【スポーツ障害予防の教科書】
胸郭部のチェック&エクササイズ
胸郭部のチェック① 胸郭部の丸め・反らし
胸郭部を丸めたり反らす動きをチェックします。イスに座って頭を肩の上に乗せた状態から前に出し、元の位置に戻します。このときに胸郭部が十分に動くことで頭が前に出ればO Kです。下の画像のN Gの場合には、胸郭部が硬くなっていますので、ここで紹介するエクササイズで動きを改善してください。
1 イスに座り頭を肩の真上に乗せる。
2 頭の位置を肩よりも前に出す。
3 頭の位置を肩の真上に戻す。この動きを数回繰り返す。
CHECK
胸郭部が十分に動いてスムーズに行えたらOKです。ぎこちなかったり、NGの動きになった場合にはエクササイズに進んでください。
NGの動き① 首だけが動く
頭を前に出した時に胸郭部が動かず、首だけが動く。
NGの動き② 首と骨盤が動く
頭を前に出した時に胸郭部が動かず、首と骨盤が動く。
胸郭のエクササイズ① フォームローラーで胸郭ほぐし
エクササイズの準備
フォームローラーがある場合はフォームローラーを使用する。
フォームローラーが固いと感じる場合は巻きタオルを使って行う。
巻きタオルの作り方
バスタオルを半分に折る。
半分に折ったバスタオルを丸める。
丸めたバスタオルをゴムで止める。
エクササイズの準備
フォームローラーの上部から頭が出ないようにする。
膝を曲げて足裏全体を床につける。
身体が安定する足幅にする。
①手を腰の横に置く
❶フォームローラーに正しく寝転がる。
❷手を腰の横に置く。
❸肩甲骨の内側縁・下部でフォームローラーを3秒ほどはさむ。
❹3秒挟んだら脱力する。
❺この動きを5回繰り返す。
②脇の下を40度くらい開く
❶フォームローラーに正しく寝転がる。
❷脇の下を40度ほど開く。
❸肩甲骨の内側縁・中部でフォームローラーを3秒ほどはさむ。
❹3秒挟んだら脱力する。
❺この動きを5回繰り返す。
③脇の下を80度くらい開く
❶フォームローラーに正しく寝転がる。
❷脇の下を80度ほど開く。
❸肩甲骨の内側縁・上部でフォームローラーを3秒ほどはさむ。
❹3秒挟んだら脱力する。
❺この動きを5回繰り返す。
④腕を挙げて肩甲骨の下部ではさむ
❶フォームローラーに正しく寝転がる。
❷腕を挙げて手のひらを頭のほうに向ける。
❸肩甲骨の内側縁・下部でフォームローラーを3秒ほどはさむ。
❹3秒挟んだら脱力する。
❺この動きを5回繰り返す。
⑤腕を挙げて肩甲骨の中部ではさむ
❶フォームローラーに正しく寝転がる。
❷腕を挙げて手のひらが向かい合うようにする。
❸肩甲骨の内側縁・中部辺りでフォームローラーを3秒ほどはさむ。
❹3秒挟んだら脱力する。
❺この動きを5回繰り返す。
⑥腕を挙げて肩甲骨の上部ではさむ
❶フォームローラーに正しく寝転がる。
❷腕を挙げて手のひらが外側に向くようにする。
❸肩甲骨の内側縁・上部でフォームローラーを3秒ほどはさむ。
❹3秒挟んだら脱力する。
❺この動きを5回繰り返す。
胸郭部のチェック②前から腕挙げ
もう1つの胸郭部のチェックとして前から腕を挙げてみます。腕を挙げることで胸郭が開きますが、胸郭が固くなっていると十分に腕を挙げることができません。イスに座って左右の腕を挙げ、スムーズかつ十分に挙げることができるかをチェックします。十分にできていない場合は、ここで紹介するエクササイズで動きを改善してください。
1 イスに座わる。
2 左腕を前から挙げる。
3 右腕を前から挙げる。
CHECK
左右とも腕がスムーズに耳の横まで挙がればOKです。左右のどちらか、もしくは両腕ともぎこちなかったり、可動域が足りない場合にはエクササイズに進んでください。
胸郭のエクササイズ② 胸郭ころがし
脇の下に巻きタオルを置く。
1 脇のすぐ下に巻きタオルを当てる。巻きタオルの先端と胸前面を合わせる。
2 息を吐きながら巻きタオルの上に寝転がる。寝転がったら大きく息を吸い 、吐きながら元の姿勢に戻る。
脇のすぐ下から巻きタオルを1本分下げる。
1 巻きタオルを1本分下に下げる。巻きタオルの先端と胸前面を合わせる。
2 息を吐きながら巻きタオルの上に寝転がる。寝転がったら大きく息を吸い、吐きながら元の姿勢に戻る。
脇のすぐ下から巻きタオルを2本分下げる。
1 巻きタオルをさらに1本分下に下げる。巻きタオルの先端と胸前面を合わせる。
2 息を吐きながら巻きタオルの上に寝転がる。寝転がったら大きく息を吸い、吐きながら元の姿勢に戻る。
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』