植物由来の毒に多い“アルカロイド”とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】
植物由来の毒に多い“アルカロイド”とは?
植物毒の多くはアルカロイドという化合物群に属しています。アルカロイドとは一般に、塩基性を示す有機化合物で、さまざまな種類があります。その数は3万種以上にものぼり、タバコに含まれるニコチンや、コーヒーに含まれるカフェインなどもアルカロイドの一種です。
すべてのアルカロイドが毒というわけではありませんが、生命活動に影響する生物活性という働きを持つものが多いことから、人体にとって有毒なものも多くあります。
一方、私たちは何気なく、アルカロイドを日常的に摂取しています。たとえば、お茶にはカフェイン、テオブロミン、テオフィリンというアルカロイドが含まれています。唐辛子に含まれるカプサイシンもアルカロイドです。みそ汁の出だ汁しとして定番のかつお節にも、イノシン酸というアルカロイドが含まれています。
さらには、人間の体内に存在するアドレナリンやアセチルコリン、セロトニンといった神経伝達物質もアルカロイド類の化合物です。アルカロイドは、私たちの生活とは切っても切り離せない存在なのです。
ときには、誤って有毒なアルカロイドを摂取してしまうことも考えられます。食べるものや触れるものには、つね日ごろから気を配り、知識を持っておくことが大切です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次