不幸な捨て猫に目向けてー アート展で発信
不幸な捨て猫を増やさないための活動にボランティアで取り組むアート作家の男性が、活動への関心と賛同を広めようと、猫をモチーフにした作品展を御崎の桃井ミュージアムで開催。作品の販売収益を今後の活動に充てたいとしている。
作品展を開いているのは、2002年の兵庫県展で知事賞を受賞した中広のアート作家、千崎輝幸さん(57)。今から13年ほど前、捨て猫を引き取ったことをきっかけに、「これ以上、不幸な猫を増やしたくない」と、野良猫に不妊手術を施して元の場所に戻して一代限りの命をまっとうさせる「TNR活動」をボランティアで開始。保護猫活動グループと連携して里親を見つけることにも取り組んできた。
しかし、せっかく時間と費用をかけて活動を終えても、しばらく経つと再び猫が捨てられるという繰り返しで、猫の正しい飼い方やTNRを啓発していく必要性を痛感したという。
今展では、交通事故や病気で亡くなった野良猫たちへの鎮魂を込めてハスの花に乗った猫と如来を描いた作品などとともにTNRの啓発パネルを展示。また、金魚をモチーフにした代表作で金沢21世紀美術館にも出展された「百万石の金影」も一部を公開するなど絵画やオブジェ計92点を展示販売している。
「捨て猫問題へ目を向けてもらえるように、ライフワークであるアートで発信していきたい」と千崎さん。猫アートで地域活性化を図る構想もあるといい、作品展と並行してクラウドファンディング(レディーフォー)も立ち上げて活動資金を募っている。
作品展は10月6日(月)まで午前9時〜午後4時。火曜休館。館内で使用できる金券500円を購入して入館できる。TEL56・9933。