【相模原市】3M PFAS問題 発生源特定へ前進 敷地内の試験施設か
スリーエム(3M)ジャパンイノベーション相模原事業所(南橋本)の敷地内から国の指針値を大きく超えるPFASが検出された問題を巡り、同社が7月に公開した調査結果によって、過去に泡消火剤を試験散布していた同所内の施設が発生源となっている可能性が高まった。8月8日には市民団体が3Mに健康診断の実施などを求める申し入れを行った。
地下水の流れに着目
7月に情報公開された同所内の調査結果によると、敷地中央にある元泡消火剤性能試験場の土壌から最大で1キログラム当たり330万ナノグラムの高濃度PFOSが検出されていたことがわかった。市民団体「相模川さがみ地域協議会」の岡田一慶代表は調査結果を見て、「元泡消火剤性能試験場が発生源と考えている」と話す。
調査では、敷地北の地下水からPFOSとPFOAの合計値で49ナノグラムが検出された一方、敷地南東の地下水からは国の暫定指針値の280倍に当たる1万4千ナノグラムが検出された。岡田代表は「地下水は北西から南東方向に流れているので、南東の地下水の濃度が高いのは敷地中央にある泡消火剤の元試験場が発生源と考えれば説明がつく」と言う。
ただ、施設や調査地点の具体的な位置など調査方法に関する詳細な説明がなされていないため、今後説明の実施を求めていくという。
同協議会は今回の情報公開を受け8月8日、同所を訪れ申し入れを実施。中央区の地下水を飲用したことがある住民、工場労働者のPFOS血中濃度を測定して健康診断を実施することや、浄化計画の作成、浄化の速やかな実行を求めた。
南橋本などで高濃度
PFAS(有機フッ素化合物)は水や油をはじき、熱や薬品に強いといった独特な性質があるため、撥水剤や表面処理剤、消火剤、コーティング剤などに用いられる化学物質。環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積するため、現在では国内外で製造・使用が規制されている。
相模原市内では道保川や中央区南橋本などでPFASの一種であるPFOSとPFOAの合計値が国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を大幅に超えており、問題になっている。
地域の地下水が汚染されていることを問題視した「相模川さがみ地域協議会」は昨年、過去に泡消火剤などのPFOS、PFOA関連製品を製造していた同所に情報公開請求を実施。同所内で高濃度のPFASが検出されていたことを突き止めた。
今年2月には同協議会を対象とした3Mジャパンによる説明会の実施にこぎ着け、相模原事業所で泡消火剤の消火テストを過去に行っていたことを把握した。
市は浄化実証試験
市内で高濃度PFASの検出が問題となっている中、相模原市は8月19日、道保川公園での浄化実証試験を実施することを明らかにした。昨年包括連携協定を締結した株式会社奥村組からの呼び掛けにより実現した。
試験は今年10月からおよそ3カ月間行われる予定。公園内に処理施設を設置し、活性炭などによって水質中のPFASを除去する。また、公園内の水等を活用して同社で研究・開発中の浄化技術に関する試験を行う。
9月にシンポジウム
市民にPFAS問題への関心を持ってもらうため、桂川と相模川を守る活動を行う「桂川・相模川流域協議会」は9月27日(土)、シンポジウム「いのちの水大丈夫?〜公害の歴史から考えるPFAS問題〜」を杜のホールはしもとで開催する。午後1時から4時まで。参加費無料。9月18日(木)までに要事前申し込み。(問)同会神奈川県事務局【電話】045・210・4352