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福岡で【絶品の薬膳火鍋】を食べるなら。本当は秘密にしたい西中洲の隠れ家

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西中洲 薬膳火鍋 灯華 火鍋

寒い季節に恋しくなるものといえば、鍋料理。福岡にはもつ鍋や水炊きといった名物鍋が数多くありますが、今回ご紹介するのは、ズバリ薬膳火鍋です。

私のように火鍋が大好きな方はもちろん、「薬膳=クセ強い?火鍋=辛い?」なんてイメージをお持ちのビギナーさんにもぜひ訪れてほしい、とっておきの一軒があるんです。

やって来たのは、福岡屈指の美食エリアとして知られる西中洲。モダンな佇まいのビルの4階にひっそりと隠れるように、完全予約制の火鍋専門店「薬膳火鍋 灯華」はあります。エレベーターを降りてすぐ、右手前にある扉がその入口。密やかな看板を見逃さずに、店内へと足を進めましょう。

京都・織部の和紙職人・ハタノワタル氏に特注したという柿渋染めの和紙を張り巡らせたフロアは、大人の隠れ家と呼ぶに相応しい洗練された空間。テーブルやカウンターも同様の和紙であつらえています。和紙の独特な風合いに中国格子の建具やチェスト、調度品がセンス良く調和したアーバンモダンな雰囲気がなんとも素敵!

テーブルフロアとは別に、ゆったりとしたカウンター席を配する個室も完備。2〜3名で利用することができ、会食やプライベートな時間を大切にしたい時にも重宝しそうです。

薬膳火鍋の監修を手がけるのは、2年間で100軒以上の火鍋店を巡った“四川省在住の火鍋マニア”である山下元気さん(@genkiman168)。かつて、中洲の「辣 RISTORO 168」にて不定期で提供していた火鍋をさらに進化させ、2023年8月、新たに開業した専門店が「薬膳火鍋 灯華」というわけです。カウンターには「灯華」の薬膳火鍋に使用している、元気さん選りすぐりの漢方食材とその効能が紹介されていました。

四川唐辛子の代表格「朝天唐辛子」や、高級生薬の「冬虫夏草」、濃厚な旨味や甘味が出るという「アミガサダケ」、免疫力向上の効能で知られる「アガリスク」、日本では出回っていないという「バニチチイグチ」などなど。初めて見るような希少な食材も多く、これは元気になれそ〜!

薬膳火鍋のコースは4種類。「薬膳麻辣スープと薬膳きのこ白湯スープ、小鉢、肉盛り5種、野菜キノコ盛り、〆の麺、デザートまで付いたものがスタンダードな6,500円のコースです。

キノコの種類やボリュームが増えたものが「お野菜たっぷりコース」(8,000円)、肉の種類が増えたものが「お肉たっぷりコース」(8,000円)となっており、平日限定で「海鮮串火鍋コース」(8,000円)も用意されています。

火鍋と聞くと“辛い鍋”を想像する方もいるかもしれませんが、さにあらず。火鍋とはアジア圏で食べられている「火にかける鍋」のことで、スープの味わいは地域によってさまざまです。「灯華」は「日本の出汁文化×中国の薬膳文化」をテーマにしており、日本の方にも、中国の方にも好まれる味わいを目指しているそう。

「灯華」ではまず、福岡の水炊きのように、具材を入れる前のスープを味わいます。秘伝の出汁をベースにキノコの旨味がたっぷり溶け出した「薬膳きのこ白湯スープ」は滋味深く、「薬膳麻辣スープ」は花椒や唐辛子を独自にブレンドした麻辣の香りがクセに。本格的な香りや風味がありながら、いわゆる薬膳っぽさや見た目ほどの辛さもなく、これはおいし〜!

続いて具材もチェック。こちらは「お肉たっぷりコース」の肉盛りの一例です。6,500円コースの肉盛りにも登場する九州産をはじめとした国産豚のバラ、ロース、鶏モモ肉、つみれ、水餃子に加え、黒毛和牛がセットに。さらに希望すれば、無料でラム肉を付けてもらうことができます。私はもちろんラム肉もお願いしました。

こちらは「お野菜たっぷりコース」の野菜キノコ盛り。「だしきのこ」とも呼ばれる黄色いタモギ茸や、アワビのような食感の雪嶺茸(ゆきれいたけ)、美容食材としても人気の白キクラゲなど、珍しいキノコもずらり! キノコがたっぷり過ぎて写真では見えていませんが、奥にはその日の仕入れに応じた野菜も盛り込まれていますよ。

薬膳火鍋のスープにキノコを投入したら、煮込んでいる間につけダレ作りへ。カウンターには17種類ほどの調味料や薬味が並んでおり、好みの味付けを楽しむことができます。どれを選んでいいのか迷ってしまいますが、最初はスタッフさんがおすすめのブレンドを作ってくれるので安心。芝麻醤(チーマージャン・練り白胡麻)をベースに、韮醤(ニラジャン)や沙茶醤(サーチャージャン)、黄金豆も入れて……と、自由に組み合わせられるのが実に楽しいです。

キノコや野菜を軽く味わった後は、旨味が深まったスープでお肉を堪能。サシが程よく入った黒毛和牛は想像以上に1枚1枚が大判で、きめ細やかな舌触り。豚肉は甘味があり、ラム肉は柔らかく、香りよく、どれもたまらないおいしさです。

さらに、メニューには追加具材も用意。おすすめは、福岡県岡垣町にある「ジビエ料理屋べんけい」を経営する猟師・永山さん厳選のジビエです。肉の種類や産地は季節や仕入れによって異なりますが、この日いただいたのは「生捕90キロ以上オスの極上鹿肉(若宮・乙野産)」と「筍を食べたメスの猪肉(岡垣・湯川山産)」(各1,200円)。

いずれも舌触りや歯触り、甘味が格別で、あと口も実に綺麗。良質なジビエを、キノコの旨味が溶け込んだスープで味わえるのがなんとも幸せでした。

キノコ、野菜、お肉をたっぷりと堪能した後は、いよいよ締めに突入。麺の種類はその時々で変わるそうですが、この日は薬院の「麺道はなもこし」にオーダーしたという特注麺が登場しました。深みが増したスープで味わう麺はいうまでもなく美味。コースはこの後、自家製のアイスクリームをサンドした最中のデザートが登場して終幕です。

余談ではありますが、この育て上げたスープはテイクアウト(容器代として+300円)もOK。さらには、スープを使ってテイクアウト用の薬膳カレー(1食1,000円)を作ってもらうこともできるんです。このカレーがまた絶品なので、ぜひオーダーすることをおすすめします。

また、ノンアルコールも含めドリンクも充実しており、紹興酒も常時20種類以上が揃っているそうですよ。希少なものも多数あり「紹興酒飲み比べ3種」(1,200円)も用意されているので、こちらもお見逃しなく!

素材、味わい、空間にも大満足で、正直ここまでこだわり抜いた薬膳火鍋の専門店はそうないと思います。寒い季節はもちろん、なんだか疲れが溜まっている……なんて時にもパワーをくれる薬膳火鍋。ぜひ出かけてみてください。

薬膳火鍋 灯華(とうか)
福岡市中央区西中洲3-21 AG西中洲ビル4F
092-406-7364 (要予約)

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