阿部寛、真冬の“パンイチ”撮影は「心細かった(笑)」俳優人生初の崖落ちアクション『俺ではない炎上』本編映像
「第36回山本周五郎賞」候補にもなった浅倉秋成の小説「俺ではない炎上」が、山田篤宏監督の手で実写映画化。阿部寛主演の映画『俺ではない炎上』が、9月26日(金)より公開される。このたび、阿部寛の俳優人生初の崖落ちアクションが収められた本編映像が解禁となった。
ある日、SNSで殺人犯に仕立て上げられ炎上した男
主演を務めるのは、「第36回日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞受賞『テルマエ・ロマエ』(12)、「第38回日本アカデミー賞」優秀主演男優賞『ふしぎな岬の物語』(14)、優秀助演男優賞をダブル受賞『柘榴坂の仇討』(14)、「第45回日本アカデミー賞」優秀助演男優賞受賞『護られなかった者たちへ』(21)など、数々の作品で多くの映画賞を受賞し、今尚とどまることを知らずに活躍し続ける阿部寛。本作について阿部は、「非常にチャレンジングでやりがいのある作品」とコメントを寄せ、見事にハードな役柄を演じ切った。
そして、彼を取り巻く登場人物には、山縣泰介を追う謎の大学生・サクラに芦田愛菜、大学生インフルエンサー・住吉初羽馬に藤原大祐、取引先企業の社員・青江に長尾謙杜、そして泰介の妻・芙由子に夏川結衣といった、日本を代表する実力派から飛ぶ鳥を落とす勢いの若手人気俳優陣が集結。さらに、三宅弘城、橋本淳、板倉俊之、浜野謙太、美保純、田島令子ら個性豊かな実力派俳優陣が脇を固め、物語に奥行きを与える。
脚本には、『永遠の 0』(13)、『護られなかった者たちへ』(21)の林民夫。監督には、ニューヨーク大学で映画を学び、これまで乃木坂46のMVや短編映画で実績を積み、第1回木下グループ新人監督賞において、応募総数241作品の中からグランプリに選ばれ2020年に商業長編映画デビューを果たした『AWAKE』の山田篤宏が務める。
本作は、“大手企業のごく普通の営業部長”である山縣泰介(阿部寛)が、突如 SNS で個人情報をさらされ、殺人犯として追われることになる逃亡劇が描かれる。今回、山縣泰介が逃亡の果てに行き着いた崖から意を決して降りていくシーンが公開された。身に覚えのないSNS炎上で日本中から追われることとなった山縣は逃げ場を失い、崖から降りることに……。山縣は着ていた服を脱ぎ、繋ぎ合わせて木に括り付けると、それを命綱にして慎重に崖を降りはじめる。パンツ1枚、ほぼ裸の状況に「何やってんだ、俺…」と呆れ返るやいなや、服で繋いだ心もとない命綱はミシミシと音を立てはじめる。決死の覚悟で繋いだ命綱にも見放された山縣の運命やいかに!?
このシーンの撮影を振り返った阿部は、「あれは心細かったですね…(笑)そういうシーンなのですが、パンツ一丁で気持ちも心細くなってしまって。崖から降りるのも初めてだったと思うので、“大丈夫かな”と思いながら挑みました。しかも寒くて体もガチガチだったので、“もし落ちたら大変だな”と震えながら、降りていました」と、自身にとって初挑戦となる崖からの落下アクションに加え、真冬にパンツ一丁という過酷な状況であったことを明かしながらも、「そんな追い込まれた人間が最後にする表現としては、非常に面白いな。と思って、真面目に演じました」と、役作りへのプロ意識を覗かせた。そして、引き締まった肉体美について触れられると、「普段からジムには行っているんですが、撮影の日は寒すぎて硬直していた記憶があります。それで余計に引き締まって見えていたのかもしれませんね(笑)」と、謙虚にコメントを寄せた。
これまで数々の役柄を演じきってきた阿部だが、今作を通じて初挑戦だったことという質問に「(命綱が切れて)後ろから落ちていくシーンは初挑戦でしたが、一発OKだったかな。あとは、“誰だか分からない多数”に追われる・狙われること、どこから何が出てくるか分からない恐怖は初めてでした。泰介は死体を見る前に追われてしまうので、余計なことを考えずただ逃げることに徹することができた」と、役柄からくる演技への新しい発見があったことも明かす。
匿名の群衆がSNS上でこぞって個人情報を特定し日本中から追いかけ回される、まさに“炎上”の渦中にいる山縣泰介を見事に演じ切った阿部だが、真剣に逃げ回っているのにどこかユーモアが感じられる山縣について「笑わせようとしてはダメだと思うんです。お客さん自身がみて笑う・泣く、自分は真剣にただ演じるだけ」と、役作りへのこだわりを語った。
『俺ではない炎上』は9月26日(金)より全国公開