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庭どうぐ 想像力をかき立てる、汎用性のある丈夫な「ゴムバケツ」

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私が使っている浅型のゴムバケツ(RUBI-KANGURO)、10年前に購入したもの。広い部分の直径は約40cm、高さは約15㎝で容量は12L。空(から)の重量は約1.6㎏もあり、ずっしり重いながら肉厚で丈夫

ガーデニングを快適に! 使いやすい道具やおしゃれなガーデニングウェアを身に着けて、庭しごとを楽しく行ないましょう。「庭どうぐ」の基本の選び方、豆知識、おすすめなどを、園芸グッズの企画・開発も行なう武藤良幸さんが伝授します。

 

運ぶ、入れる、作業する…etc.


酷使にも耐えて丈夫で、汎用性のある「ゴムバケツ」

一般的にバケツの用途といえば、「水をためる(注ぐ)」とイメージする人がほとんどだと思われます。でも、わたしたちガーデナーは「バケツ」にもっと多様な仕事・役割を期待しがちです。
水や液肥などの液体はもちろん、重たい土や堆肥、ガーデニングツールも入れて運びますし、レンガを積むときなどセメントと砂を混ぜてモルタルを練ったり、時にはひっくり返して椅子や踏み台にしたり(危険ですからくれぐれもご注意を)、なんなら菜園を狙うカラスを追い払うための太鼓として打ち鳴らすとか、バケツに穴が開いたらプランターとして使うなんて当たり前です。そんな想像力というか、酷使にも耐える丈夫なバケツをガーデナーは日々探し求めているのではないでしょうか。

スペインの工業製品ブランド RUBI-KANGURO(ルビ-カングロ)が製造している「ゴムバケツ」は、やわらかすぎて椅子にも踏み台にもなりませんが、再生ゴムを含んだ天然ゴムとポリアミド繊維を混ぜてつくられていて、曲げようが落とそうが、叩いても踏んでも壊れる気配がありません。国内外の雑貨店などで見かけるタブトラッグス製品のようなやわらかで豊かなカラーリングの合成ゴムバケツと比べてみると、肉厚で重くて、いかにも業務用というか武骨そのもの。

私が使っている浅型のゴムバケツ(RUBI-KANGURO)、10年前に購入したもの。広い部分の直径は約40cm、高さは約15㎝で容量は12L。空(から)の重量は約1.6㎏もあり、ずっしり重いながら肉厚で丈夫

そもそもこのゴムバケツは欧米でセメントやコンクリートを運んだり、手練りでモルタルを混ぜる容器として左官職人に重宝されてきたようで、丈夫さはもちろん、バケツの底にたまったセメント分が固まってしまっても、バケツを曲げたり叩いたりするだけで簡単に割れて剥(は)がれるという点にも大きな魅力があるようです。
そんな左官職人の愛用品を横目で見ていたかどうかはわかりませんが、どこかのガーデナーがこのバケツを庭に持ち込んでみたところ、とてもよかった!という口コミがじわじわと広がり、いつしか札幌に住む私のところにも届いたというのが私の勝手な推測です。

鉢の植え替えトレーや堆肥をブレンドするためのボウル、ゴツゴツした石や割れ物を運んだり泥がついた根菜を入れたりする収穫カゴ、洗いものをする桶(おけ)、いずれの用途としても活躍してくれるのがゴムバケツです。泥だらけのブーツや道具を車に積むときにも便利。
天然ゴムに混ぜられた繊維のおかげで一般的なゴム製品よりも強度が高く、先が尖った移植ゴテを力任せに突き刺してもびくともしません。また、両方のハンドルをくっつけるように曲げて持つとバケツの中身のものが注ぎやすくなり、液肥を樹木の根元に注ぐとか、芝の目土を散布やタネまきするにも便利です。汎用性がある丈夫な庭道具は、ガーデナーの想像力をさらにかき立ててくれる気がします。

肉厚で適度なコシがありながら天然ゴム特有の柔軟性があり、衝撃や引張り、摩擦にもとても強い

このゴムバケツについて気になった点として、天然ゴム製品のタイヤや長靴と同じように使い始めはゴム独特の臭いがしていましたが、ひと月も経たないうちに臭いは気にならなくなりました。また、真夏の炎天下や車の中に置きっぱなしにしておくと変形したり、ゴムが溶けたりしないか心配していましたが、炎天下でタイヤが溶けないのと同じで、熱による影響は感じられませんでした。ちなみにメーカーの説明によると、マイナス60度の環境でもゴム製品のやわらかさを保つことができるのだそうです。

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