神戸市立のすべての学校園で、防災教育『ともしびプロジェクト』が展開中。震災30年の節目に「合唱曲」の制作など
神戸市立のすべての学校園で、2024年度を震災から30年を迎える節目の年度として、防災教育に重点的に取り組む『ともしびプロジェクト』が展開されてます。
これまでに学校園において、防災教育を通じて新たなる神戸の歴史を積み重ね続けている思いを「ともしび」に例えて、次の3つの視点で活動に取り組んでいるのだそう。
ともしびを【みつめる】震災から得た教訓を学ぶ活動
ともしびを【いかす】人とのかかわりを大切にして、生命を守る活動
ともしびを【つなぐ】誰かのこころに寄り添う感性を高め、自ら主体となってつなぐ活動
市内に共通する取り組みの内容は、こんな感じです。
教育長によるメッセージ動画の配信
2024年4月に、教育長が「ともしびプロジェクト」スタートを呼びかける動画を配信し、防災教育への思いや防災意識を高めるメッセージを全学校園に伝えました。
学習用端末を使った、防災啓発画面による啓発
小中学生のGIGA端末に、防災意識を啓発するメッセージを月替わりで表示しています。
防災教育副読本「しあわせ はこぼう」の改訂
神戸地方気象台等関係機関と連携し、これからの防災教育に適した内容に一部修正します。
全学校園で、地域や保護者、民間企業等と協働した防災学習や被災地との交流等が実施されていますが、特に「防災教育推進校」の10校では創意工夫して特色ある取組が行われているようです。
たとえば鷹匠中学校では、2年生340名が「作詞」を担当し、神戸市出身の防災士でシンガーソングライターの「石田裕之」さんと協働して、混声3部合唱曲「ともしび」を制作。
太田中学校では、生徒たちが授業の中でプロの振付師や演出家と協働し、幼児からお年寄りまで幅広い年齢層が楽しみながら防災・減災を学べるオリジナルダンス(防災ダンス)を創作したみたい。
完成した合唱曲とダンスムービー「ダンスDE防災」は、市内の震災関連行事等で披露されます。
学校園名取組概要灘すずかけ幼稚園防災リュックづくり成徳小学校地域・行政と連携した防災学習若宮小学校広島県呉市の小学生とオンライン交流井吹西小学校福島県出身大学生を招いて児童との交流いぶき明生支援学校体験活動を通した防災学習鷹匠中学校混声3部合唱曲「ともしび」の制作駒ヶ林中学校震災遺構めぐり等を通した語り部継承活動
復興祈念モニュメントの制作太田中学校防災ダンスムービーの制作舞子中学校避難所体験および運営科学技術高校土砂災害ミニ実験模型による防災啓発活動
震災から約30年が経過した今、震災を学校現場で経験した教職員は全体の「15.5%」となり、防災教育は転換期を迎えているとのこと。
これまでは教員や保護者・地域が震災体験から学んだ教訓を子供たちに伝えてきましたが、防災教育を受けた世代が伝える世代に成長し、次世代による防災教育が始まっています。
神戸市は「子供たちが、自分事として防災・減災をとらえ、主体的に学んでいくことができるように、教職員が震災の経験を語り継ぎながら、地域人材を“いかす”防災教育を今後も推進していく」 としています。