株主総会で会社提案が可決されたフジ・メディアHD 翌日の株価はかろうじて1円高
フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジ・メディアHD)は6月25日、定時株主総会を開催し、同日社長に就任した清水賢治氏やファミリーマート元社長の澤田貴司氏を含む11人を取締役とする会社提案が可決された。SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長や6月末でSTARTO ENTERTAINMENTの社長を退任する福田淳氏ら12人を取締役候補とするアクティビストの米投資ファンドのダルトン・インベストメンツからの株主提案は否決となった。
日枝久前取締役相談役や総務省から天下っていた吉田真貴子社外取締役らは退任した。吉田氏は、2021年に発覚した東北新社による総務省幹部接待問題で大きな批判を浴びた内閣広報官(当時)で、現在は戸籍上の苗字である吉田姓を名乗っている。自ら「飲み会は絶対断らない女」と名乗っていた人物で、総務省の所管である東北新社から74,204円の接待を受けたことが明らかになり辞職、その後もNTTから同様の高額接待を受けていたことが発覚している。
株主総会では会社側の勝利となったが、信頼回復にはほど遠い。中居正広氏に端を発した人権問題だけではなく、6月23日にはフジテレビの局員でバラエティ制作部企画担当部長の鈴木善貴容疑者(44)がオンラインカジノの賭博容疑で逮捕されるなど、社員の不祥事も起きている。翌24日には、同局の山本健太アナウンサーも賭博容疑で書類送検されており、株主総会ではフジ・メディアHDのガバナンス不全を指摘する声もあがったという。
株主総会翌日のフジ・メディアHDの株価は、前日から0.03%上昇の1円高となる3041円で取り引きを終えている。新体制となった同社が膿を出し切り、ガバナンス改革を断行して信頼を回復できるか注目したい。