Yahoo! JAPAN

マザリ[ライブレポート]7人で大盛況に終えたツアーファイナル、そして第二章へ——。「これからもマザリは7人で永遠に続いていきます」

Pop’n’Roll

マザリ[ライブレポート]7人で大盛況に終えたツアーファイナル、そして第二章へ——。「これからもマザリは7人で永遠に続いていきます」

マザリが、2025年3月10日(月)に渋谷WOMBLIVEにて、東名阪ツアー<白装束ト藁人形>ファイナル公演を開催した。

ツアー中の2月24日(月)、メンバーの心臓ウリンが急逝。あまりにも突然の別れは、メンバー、スタッフ、そしてファンの心に深い悲しみを刻んだ。それでもマザリは、“7人のマザリ”としてこの日を迎えることを決意し、ウリンの存在を感じさせるステージをくり広げた。

悲しみを抱きながらも未来へ進むことを誓い、マザリの“第二章”の幕開けとなったこの夜の模様をお伝えしたい。

・マザリの写真 29枚

撮影:ミヤタショウタ

“心臓ウリンさんを失ってしまったんですけど、私たちはこれからも7人だし、こっちゃん(ウリン)は私たちの心臓で、これからもずっと心の中で生きているので、これからも7人のマザリをよろしくお願いします”

アンコールの中、髄狂アクが強く口にした。マザリが出した答えだ。

2025年2月24日、心臓ウリンが旅立った——。

あまりに突然すぎる訃報にメンバー、スタッフ、ファンのみならず、アイドルシーン全体が深い悲しみに包まれた。しかしながらこのまま活動を止めてしまうのは彼女も望んでいないはず……そう考えたメンバーはウリンの遺志とともに7人で活動していくことを決意。開催中であった東名阪ワンマンツアー『白装束ト藁人形』は中止せず、継続を選ぶまでに時間は掛からなかった。

マザリ、初となるツアー<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>が2025年3月10日、渋谷WOMBLIVEでファイナルを迎えた。

ステージ上には、ホール天井に届くほど、聳え立つ巨大な鳥居。“無色声香味触法”“能除一切苦”といった般若心経の一句が書かれた幕が飾られ、笙や篳篥の響きが会場を不気味さで覆っていた。

“マザリのライブには恨み、妬み、憎しみが込められています……”お馴染みのナレーションから、禍々しいSE「呪詛」が轟く。そこに現れる能面を被ったメンバー。

“全員呪エッ! ヴォイ、ヴォイ、ヴォイ!”

蛇喰ホムラの咆哮にフロアを埋め尽くしたオーディエンスも精一杯の掛け声と腕を上げて応えていく。1人ひとりがステージの持ち場につき、フォーメーションを完成させると、ホムラが妖艶に歌い出す。その語尾がけたたましいシャウト混じりの歌声に変わると轟音が降り注いだ。ツアータイトルと物々しい会場の雰囲気通り、「丑の刻参り」でライブはスタートする。朽壊レムから真鬼マナセへと妖しく紡がれていく歌は7人のユニゾンへ。

そう、ウリンの歌声もそこにあった。

マザリ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

ステージ下手にはトルソーに飾られたウリンの衣装と能面が構える。そんなウリンのことを気遣うように、6人は彼女にアイコンタクトを送り、時に衣装に手をかける。そのパフォーマンスはこれまで通り7人で作り出すものであり、いつもと違うところを挙げるのなら、十分すぎるほどの気合いに満ち溢れ、鬼気迫ったステージングがくり広げられていることだ。

心臓ウリン衣装<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

“ツアーファイナル、お越しくださりありがとうございます。最後まで盛大に呪い合っていきましょう”

間髪入れずに「お慕い申し上げます。」へ。エッジィな米粉パンの歌い出しをウリンが継ぐ。不気味な笑みを浮かべながら掛け合いしていく死ヰメロアンチとアク。リズミカルな楽曲を重々しくもソリッドでタイトに進めていく7人。一分の隙を見せぬまま、メロの落ちサビからの転調大サビ、《あなたを理解して 愛せるのは私だけ 捕まえて離さないで ずっと》とホムラのハイトーンがどこまでも突き抜けるように響いた。

米粉パン<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)
髄狂アク<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

ハネた横のビートにダークないななきが重なっていく「愛×食欲」。タイトなリフが応酬するスリリングな楽曲展開が目まぐるしく、斬れ味抜群な動きで魅せていく7人。ズバズバとキマっていくホムラのシャウトと飄々としたパンのコントラストが美しく、泣きメロがオーディエンスの情緒にまとわりついていく。

自己紹介のあと、新曲「こっくりさん」を初披露。マザリらしい和テイストとホラーの趣を撒き散らしながら、ヘヴィネスなV-ROCKで昇華し、駆け抜けていく。ブレイクダウンもいいフックとなり、回転ヘドバンに折り畳み……今後のライブにおいて起爆剤となること間違いなしのキラーチューンである。そこからブラストビートが加速していく「逢魔時に染まる私の自傷癖」へ。ホムラのシャウトが猛り狂い、狂騒の中に刹那メロが映える。そのまま傾れ込んだ「メンタルリストカット」で、挑発的に暴発的な猟奇性でフロアを呑み込んでいき、混沌とした世界を創り上げていく。

蛇喰ホムラ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

舞台装飾に触れたMCから、「御呪い」を投下。分厚い音圧の壁とともに、不気味でありながらどこか悲しくも温かみのあるメロディが響く。《みんな大っ嫌い》とねっとり歌うマナセ、《何度も何度も突き刺し》と鋭利に衝くパンから、歌声が重なっていく。《らら る らら》、その7人の歌声はデビュー当時と比べるとより強靭になっていることは明らかだった。息つく暇なく「一緒に死ぬ序でに愛して欲しい」。怒涛のような楽曲構成と7人のユニゾンがほとんどを占めるボーカルパートがカオティックな世界観を構築する。その中で、中間部のウリンのラップ調のセリフパートが際立つ。オーディエンスは7人によって奈落へ堕とされた。

マザリ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)
真鬼マナセ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

本編最後は「混ざり」。蠢くようなヘヴィなリフから、もの哀しいメロディ、そして光が差し込むような展開へ。奈落の底から一気に救われるようなラスト、まさにさまざまな感情が混ざり合う楽曲でフィナーレを迎えた。

第二章のマザリもね、みんなと一緒に歩んで行けたらすごく嬉しい

鳴り止まぬアンコール。荘厳かつ凶暴なSEが鳴り響く中、ウリンを含め、新衣装を纏った7人が登場。エクストリームメタルの攻めに攻めた新曲「人形-ヒトガタ-」をブチかます。

朽壊レム<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)
死ヰメロアンチ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

そして、冒頭のアクの言葉である。ウリンについて、そしてこの先のマザリについての決意を強く述べると温かい拍手に包まれた。

そこから1人ひとりの挨拶へ。

“明日でマザリちゃん、5ヵ月、0.5歳なんですよ”というマナセの挨拶。5ヵ月なら0.41666…歳なのでは?というツッコミは置いておき、“おめでとう”で沸き上がる歓声。

マナセ:
デビューから5ヵ月で東名阪ワンマンツアーをやらせていただいて。こんなにたくさんの人が来てくれるとは思ってなかったので嬉しいです。僕にとって初めての経験で、1つの想い出なのでありがとうございます。

メロ:
5ヵ月間、本当に一瞬で。1発目のアー写を撮ったことを昨日のことのように思い出せるくらいに、とっても忙しくさせていただいたし、たくさんの人と知り合うことができました。こんなにいっぱい来てくれるとは思わなかったので、ありがとうございます。この5ヵ月間でいろんなことがあったけど、まだこの先がありますので、新衣装になった私たちと新しい景色を一緒に見てくれたら嬉しいでーす! ウレ死ヰメロです!

アク:
私はアイドル初めてなんですよ。5ヵ月でこんなにたくさんの顔を観れるとは思ってなかったし、これが当たり前じゃないって、前世があるメンバーから聞いてるので、それをこれからも大切にしていきたいと思っています。新衣装になったので、新しいところをメンバーそれぞれ見つけられると思うので、これからもついてきてください。お願いします。

ホムラ:
今日は晴天でさ、雲ひとつなくていい天気でこの日を迎えられてとっても嬉しいです。なんか……(涙を浮かべながら)この景色をウリンちゃんに見せたかったなと思って……。

“見てるよ”……涙で言葉に詰まるホムラに優しく答えるパン。

ずっと未練たらたらなんですけど、これからもウリンちゃんがそばにいてくれることを祈って、7人で頑張っていこうと思っています。新しい第二章のマザリもね、みんなと一緒に歩んで行けたらすごく嬉しいです。デビューして5ヵ月でこんな素敵な景色を見せてくれてありがとうございます。これからもみんなを大切にしていきます。

レム:
5ヵ月、毎日が意味わからないんですけれども、自分についてきてくれる人がいることが意味わからなくて、ありがとうございますという気持ちです。デビューライブの日、冷や汗とか震えとか吐き気とか動悸とか、ぐちゃぐちゃだったんですけど、それを経験して、今、5ヵ月を迎えることができて嬉しいです。5ヵ月でこれなら、もっと一緒にいろんなことをしていきたいなと、見ていきたいなと思っておりますので、Zeppツアーとかやりたいです!

パン:
5ヵ月、めちゃくちゃいろんなことがあって。自分の中でもいろいろありまして。しんどいなぁとか、正直もうやっていけないなぁとか、考えたこともあったんですけど、でも自分には今、マザリを失ったら何もなくて。この7人で、これからももっともっと大きな景色を見ていきたいなって、思うので。自分だけじゃなくて、みんなしんどい時があると思うんです。しんどくて、どうしようもなくて、頼れる人間もいなくて、ふさぎ込んじゃったりとかあると思うんですけど、そんな時に“マザリがいるからもうちょっと頑張ろう”って思ってもらえるような、そんなグループになりたいなと個人的に思っています。これからもマザリは7人で永遠に続いていくので、これからもどうか私たちの成長を見守っていてください。本日はありがとうございました。

“いいライブだったよね、東名阪”、“これからもマザリは進化していくので、もっといいライブしていこうね”、“頑張りマザリ!”と言い合う7人。

“マザリ、5ヵ月、せーの”、“おめでとうー!!”の祝福が会場に響き渡ると、放たれたカラーテープとともに最後の最後のナンバー、「遺書」が贈られた。

真鬼マナセ、死ヰメロアンチ、髄狂アク、蛇喰ホムラ、朽壊レム、米粉パン、そして心臓ウリン、7人による“マザリ第二章”が今ここに始まった。

マザリ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>WOMBLIVE(2025年3月10日)

マザリ<東名阪呪礼ツアー『白装束ト藁人形』>

2025年3月10日(月)
WOMBLIVE

SE.呪詛
M1.丑の刻参り
M2.お慕い申し上げます。
M3.愛×食欲
M4.こっくりさん
M5.逢魔時に染まる私の自傷癖
M6.メンタルリストカット
M7.御呪い
M8.一緒に死ぬ序でに愛して欲しい
M9.混ざり

〜アンコール〜
特別SE
En1.人形-ヒトガタ-
En2.遺書

<二○二五年 五大都市単独巡礼 『禁呪〜別ノ生キ物ニ変ワルマデ〜』>

<二○二五年 五大都市単独巡礼 『禁呪〜別ノ生キ物ニ変ワルマデ〜』>

5月9(金)名古屋 X-HALL
開場 19:00 開演 20:00

5月23(金)大阪 FANJ twice
開場 19:00 開演 20:00

6月28(土)札幌PLANT
開場 18:30 開演 19:00

7月11(金)福岡INSA
開場 18:30 開演 19:00

7月22(火)ファイナル 新宿ReNY
開場 17:00 開演 18:00

■チケット
先行抽選(全券種統一)
3月22日(土)22:00〜4月13日(日)23:59

一般先着 4月14日(月)発売
名古屋編 20:00〜
大阪編 20:30〜
札幌編 21:00〜
福岡編 21:30〜
東京編 22:00〜

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 老け顔さん必見!自然に垢抜けるショートヘア〜2025年春〜

    4MEEE
  2. 【文化財を汚した犯人は誰?】新潟市の「萬代橋」と「柳都大橋」で落書き相次ぐ、新潟国道事務所が警察に被害届

    にいがた経済新聞
  3. 人にはオススメできない自身のスウェーバッティングを解剖!【ジャイアンツ黄金時代の核弾頭・仁志敏久ラブすぽトークショー】

    ラブすぽ
  4. 【最強のカードは「大卒」と「英語」】ひろゆきが子どもに伝えたい『10年後も食える人の働き方』

    こそだてまっぷ
  5. ビッグローブが福岡にネット接続の拠点新設、利用者のメリットは コストや速度、災害時の通信インフラ強化にも貢献

    J-CAST会社ウォッチ
  6. 【英語の「中1ギャップ」って?】小学生からの「おうち英語」で、どんな子でも「あと伸び」する!

    こそだてまっぷ
  7. 【何かに挑戦しようと思ってほしい】スポーツに救われた金メダリスト「小田凱人」が子どもたちに伝えたいこと

    こそだてまっぷ
  8. 【『考える人』が見下ろしているのは〇〇⁉】彫刻って、意味がわかるとおもしろい!

    こそだてまっぷ
  9. 高田は今年一番の暖かさ 最高気温22.5度 高田城址公園ウスカンザクラ咲き始める

    上越妙高タウン情報
  10. 手間はかかるがやる価値あり。【チャルメラ公式】の「袋麺」の食べ方がめちゃんこウマいよ

    4MEEE