いつやるの? 今なの? 気になる「おむつをはずすタイミング」 〜赤ちゃんが生まれたらやるべきこと(21)〜
おむつからの卒業は、赤ちゃんにとって1つの大きな節目です。ママやパパにとっては、子どもの成長を誇らしく思う反面、少し寂しい気持ちもあるかもしれませんね。この記事では、赤ちゃんもママもパパも、ストレスなくおむつとお別れできるような、やさしいトイレトレーニングの進め方をお伝えします。
目次そろそろおむつ卒業? 適切なタイミングとはトイレトレーニング 「補助便座」と「おまる」、どっちがいい?ゆったりとした気持ちで見守ってあげましょう
そろそろおむつ卒業? 適切なタイミングとは
おむつを外すためには、赤ちゃんが尿意や便意を感じたときにそれをママ、パパに伝え、トイレに座るまで我慢できるようになることが必要です。今まで当たり前のようにおむつですませていた赤ちゃんにとって、これはなかなか難しいことです。
おむつを外せる時期は個人差がありますが、多くの場合、約1歳半から2歳半頃にトイレトレーニングを始める家庭が多いようです。しかし、もっと早く始める子もいれば、3歳をすぎてから始める子どももいます。重要なのは、子どもがトイレトレーニングに必要な準備が整っているかを見極めることです。
たとえば、おむつが長時間(2時間以上)乾いている、排せつに一定のパターンが見られるなど、ある程度排せつをコントロールできる能力がついているかが、判断材料になります。
またおむつをしている赤ちゃん自身がおしっこやうんちをしたときに“気持ち悪さ”を感じられるようになることも大事なポイントです。おむつを替えて“気持ちいい”状態になる前に、うんちやおしっこをした状態のままでいることは、気持ちの悪いことだと声をかけるなどして、気づかせてあげるのもいいでしょう。
少しずつママやパパの話している言葉を理解できるようになり、羞恥心も芽生えはじめた赤ちゃんにとって、排せつはデリケートな問題。早くおむつを外してあげたいとママ・パパが一生懸命になればなるほど、トイレに行くことに臆病になってしまう子どももいます。焦らず赤ちゃんのペースにあわせて進めることを基本としてくださいね。
トイレトレーニング(トイトレ)のスタート時期ですが、あんよができるようになり、以下のようなことができるようになったら、始めてみてもいいかもしれません。
2歳前後にはじまるイヤイヤ期と重なったら、トイトレは難しくなることもあるかもしれません。反対に手を振ってバイバイすることを覚え、バイバイするのが大好きな時期には、トイレにおしっこやうんちをして「バイバイ」と流すのを楽しむようにすれば、うまくいくこともあります。
また、簡単なコミュニケーションができるようになる1歳前から、おむつ替えの時に「○○ちゃんもあんよが上手になったら、ママやパパみたいにトイレでおしっこしようね」と話しかけ、大きくなったらおしっこはトイレでするものと教えておくと、トレーニングに入りやすくなりますよ。
おむつ外しはからだの機能の発達、体調、性格、また導入へのプロセスなどいろいろな要素がかみ合ったときにうまくいくもの。赤ちゃんの心とからだの準備が整ってきたのち、「うまくいけばラッキーくらい」の気軽な気持ちではじめるといいですね。
あと、これは赤ちゃんが生まれた時期にもよりますが、トイトレは、薄着になる春から夏にするのがおすすめです。トイレでの衣服の着脱も楽なこと、また仮に汚したとしても洗濯物が乾きやすいので、ママやパパの負担は減ります。
もちろん、優先すべきは赤ちゃんの発達状況とトイレへの興味です。ママやパパは、お洗濯やお掃除が大変だし、時間もかかるかもしれませんが、おおらかな気持ちでわが子のトイレトレーニングをサポートしてあげてくださいね。
トイレトレーニング 「補助便座」と「おまる」、どっちがいい?
トイトレといえば、「補助便座」か「おまる」を使うのが一般的です。
「補助便座」のメリット
■後始末に手間がかからず、衛生的
■はじめからトイレに慣れることができる
「おまる」のメリット
■自分で座れる
■足がつくので姿勢が安定する
■どこにでも置ける
〈▲現在は補助便座を使われる方が多いようです〉
最近はステップ付きの踏み台一体型の補助便座もあります。踏み台があると、トイレに早く慣れる子もいますよ。おまるの場合、排せつ物の漏れが心配という方も多いかと思いますが、下にシートを敷くなど対策を施せば問題ないでしょう。
トイトレ用のアイテムはいろいろありますが、子どもが使いやすそうなものを選んであげたいですね。
“朝起きたらトイレへ” ここからはじめましょう!
トイレトレーニングでいちばん大切なことは、失敗しても叱らないこと。1週間続けてもうまくいかなかったらしばらくお休みし、体調や気分を見て再チャレンジしましょう。
上手にできるようになったと思ったら失敗し、またやり直し…と、何度も繰り返す子がほとんどです。「完了!」といえるまで半年かかるケースも珍しくありません。長期戦に備えて、床にシートを敷いてお漏らししてもさっと拭けるようにしておく、夜はおむつを使うなどママ、パパのイライラをなくす対策も必要です。
トレーニングは、朝起きたらすぐにトイレに連れていくことからはじめます。
「出る?」と尋ねるのではなく、「やってごらん」とトイレに座らせましょう。食前、食後、外出前、帰宅後などママ、パパがトイレに行くときに「一緒に行こうね」と声をかけトイレに座らせるのもよい方法。
トレーニングパンツもうまく使いましょう
日中は布製のトレーニングパンツをはかせます。これは子どもに気持ち悪さを実感させるため。
気持ち悪さを実感しはじめたら、トイレに誘ってみましょう。タイミングよくおしっこやうんちが出たら、「すごいね」「上手だね」「気持ちいいね」と思いっきりほめてあげることが大事です。
トイレトレーニングをスムーズに進める上で重要なポイント、それは本人を「その気」にさせること。なかにはこんなやり方で、子どものモチベーションを上げた先輩ママも。
「何でも大人のまねをしたがったので、ママ、パパがおしっこをする様子を見せて、『大きくなったら、みんなこんなふうにするんだよ』と教えました。案の定『わたしもやる!』と興味津々。2歳半でおむつを卒業しました」(30代ママ)
中にはトイレを怖がるお子さんもいます。無理に連れて行く必要はありませんが、ある先輩ママは子どもの〈トイレ=怖い場所〉という先入観を取り除くためにこんなことをされたそうです。
「うちの子は狭いトイレが怖いようで、おまるではすぐにできたのに、トイレに座って用を足すのを嫌がりました。なんとかしようと、お気に入りのアンパンマンのシールを貼ったり、ぬいぐるみを置いたりしてトイレを楽しく演出してみたら、喜んでトイレに行くようになりました」(30代ママ)
トイレトレーニングは失敗して当たり前です。パンツにおしっこをしたら濡れて気持ちが悪いことを実感し、おしっこが出そうなときの感じを経験として積み重ねることで、おしっこが出る前にママ、パパに伝えてトイレに行かなくてはならないことを覚えます。おむつ外しは子どもの「外したい」と思う気持ちが大切。ママ、パパは子どもがそんなふうに思えるきっかけを与えればいい、くらいに構えていた方がいいでしょう。
外出時については、トレーニングパンツの上におむつをはかせてあげるのもいいかもしれません。服を濡らさずにすむのでママも安心。念のため、いつもより余分にお着替えを持ち歩くようにしましょう。もちろん、お出かけのときは無理せずにおむつをはかせるのもOKです。
夜の小学校入学前くらいまでおねしょなどがでてくる子もいますので、ママとパパは心に余裕をもって、じっくり付き合ってあげましょう。また、子どもが安心できるまでは、防水シートを布団に敷いてあげるのもいいでしょう。
ゆったりとした気持ちで見守ってあげましょう
2歳ぐらいでたいていの子は言葉でコミュニケーションがとれるし、できることも増えています。そんな成長を実感しているからこそ、排せつを教えることができないわが子にイライラしてしまうママ、パパが多いようです。
そのため、叱られると意識してやっているわけではない子どもは自分でもどうしていいかわからなくて傷つくこともあります。排せつに恐怖心をもってしまうと、ますますおむつはずしに時間がかかるので、ママ、パパはとにかく気長につき合う気持ちを忘れずに取り組みましょう。
おむつをしてよちよち歩いていた姿、お漏らしをしたと泣いたときの顔、はじめてトイレでできたときの得意げな表情。ママ、パパにとってはどれもかけがえのない思い出になります。根気よくわが子の成長を見守ってあげられるといいですね。