なぜ拡大した?財務省解体デモの目的とは
3月21日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは「財務省解体論」というテーマで、経済アナリスト・共同PR総研所長の池田健三郎氏に話を伺った。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「『財務省を解体せよ』という議論がネットを中心に去年末ぐらいから拡散されまして、霞ヶ関の財務省前に、かなりの数のデモ隊が集結するというような事態になっております」
長野智子「池田さんは、これをどういうふうに見てらっしゃるんでしょうか?」
池田健三郎「『よくわからないな』と。『これを主導しているのはこの団体でこのホームページを見るとその主張が全部漏らさず書いてあるから何月何日どこそこに集まりましょう』みたいなことで、ちゃんと趣旨・目的がハッキリしていて、責任者が明確化されているのであれば『こういう意見を持つ人たちも一定程度いるんだなぁ』っていうのがわかるんですけど、そもそも“財務省解体”っていうことの意味がよくわからないことに加え、どういう呼びかけの仕方でやっているのかっていうと専らネットですよね」
長野「はい」
池田「『いまの状況に不満がある人は財務省前にみんな集まれ』というようなことで、やはり経済政策、つまり給付を求めているんですよね。経済的困難に直面して給付を求めたいという気持ちの人たちには響くような主張をしているんですけれども、それにしても、あまりにもフワフワとしていて全体像が見えないなという印象です」
長野「なるほどね。たしかに去年の末、11月ぐらいからエックスを中心にこの話題が出てきて、そのあと国民民主党の“103万円の壁”っていうものが報道されるようになってきて、ますますデモが大きくなっていった現象はありましたよね」
池田「そもそも『悪いのは財務省』っていう、その考え方がよくわからない。彼らの主張を聞いていると、おそらく『財務省が持っている権限を剥奪したい』と。つまり、『お金を国民に配ることを拒否している財務省っていうものが悪いのであって、そこから権限を奪ってしまえ』ということなんですけども。そもそも財務省というものが、時の政権・政治、石破さんの意に反するようなことを勝手にやるとか、石破さんがAという選択肢を指示しているのにBという選択肢を取ることはできないんですよ、行政機構としては。だからいま財務省がやっていることは石破政権の意思を受けてやっているわけなんですよ、すべてにおいて。そうなんですが、『財務省が悪いんだ。言うことを聞かないんだ』っていう主張がありまして。それは行政が仕事をするメカニズムをちゃんと見るとそんなことはないわけですから、だからやっぱり僕としては『言っていることがよくわからない』ということになるんですね」