課題解決、一歩ずつ 湯河原町 内藤喜文町長
――町長就任から半年、現状は。
「前町政からの引き継ぎ事項は粛々と滞りなく進めて、大体終わったところです。公約としておりました宿泊税の導入も検討委員会が立ち上がり、宿泊事業者と意見交換会を進めています。小児医療費助成については1月から18歳までの拡充が決定し、小学校給食の無償化も3年間のスケジュール感で、4月から3分の1ずつ無償化する方針も決まりました」
――役場庁舎の在り方の調査を進めているとのことですが。
「老朽化や第1庁舎の標準的な建替え時期が10年以内に迫っていることもあり、町民にアンケートを実施しました。7割ぐらいの方に建て替えが必要との声をいただいており、これから各地域ごとに意見を伺っていく予定です」
――ほかに町の課題は。
「バス路線の撤退問題は、非常に切羽詰まったものになってきています。観光政策はもちろん、移住政策、そして住民生活に関わる問題です。国や県への働きかけはもちろん、町としてできる限りの路線維持への支援を検討していきたいと考えています。また、ニホンザルの被害が拡大しています。これまでは農業被害が中心となっていましたが、最近は部屋への侵入や網戸が壊される生活被害が増えてきました。全町的な調査を始める予定です」
稼げる農業や介護課題にも注力
――新たな施策は。
「『稼げる農業』を進めていきたいと考えています。仕事を定年退職した後の小規模農園や軒先の畑にミカンの木が1本、2本あるなど、流通にのらない少量の作物があります。これらの流通経路を確立させ、少額でも収入となる仕組みを検討しており、議会で提案したいと思います。また、介護の分野ですが、有償ボランティアで町民のグループを作り、介護を必要とする方の日常生活をサポートする仕組みづくりを進めていきたいと考えています」
――インバウンド事業にも取り組むとのことですが。
「町内に観光バス数台で横付けできるような旅館やホテルもないので、外国人観光客の個人旅行者をターゲットに町をよく知っていただくような内容を考えています」
――町民へのメッセージをお願いします。
「湯河原町らしく、和気あいあいとした中でも課題や将来に向けた取り組みを進めたいと考えています」