バナナに合う?まるでバター?産地によって味が様々!学校給食の牛乳の魅力
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
ゲストは、管理栄養士でミルク料理研究家の小山浩子さん。
子どもたちは、現在、どんな牛乳を飲んでいるのか? 調べてみたところ、地図の大手メーカー株式会社ゼンリンが「みんなの声で作った小学校の給食牛乳マップ」というものを公開していました!こちらを見ると、いまの子どもたちって本当に美味しい牛乳を飲んでいることが分かると、小山さん。
大人になってから牛乳を飲む機会が減ったという方や、いつも同じ牛乳を買っている、という方もいらっしゃるかと思います。今回は、そんな給食牛乳マップの中から、ぜひ試してみてほしいという牛乳をご紹介していただきました。全て実際に購入いただけるものなので、おうちでも給食気分で牛乳を楽しんでください!
ということで、今回は、小山さんに給食牛乳を紹介していただくにあたって、給食セットも用意して、飲み比べを行いました!
給食との相性にも注目です!
それでは、『牛乳のプロ・小山さん厳選!試してほしい学校給食の牛乳』1つめは…
千葉酪農農業協同組合の「千葉酪農3.6牛乳」
「千葉酪農3.6牛乳」は千産千消(千葉で生まれて千葉で消費)で、県内の小中学校での供給や、一部スーパーマーケットにて販売されている牛乳。パッケージがレトロで可愛らしいデザインです。
・給食で実際に供給されているもののパッケージは、千葉県内の小学生から募集した、「おいしい牛乳をありがとう絵手紙コンクール」の入賞作品をデザインに採用されています。
・千葉酪農農業協同組合は、学校給食に牛乳を届けて50年以上の老舗で、千葉県内の酪農家さんが育てた牛さんからの生乳のみを使用していて、鮮度が良く、ミルク版の地産地消となっています。
千葉県は、日本酪農発祥の地。
・江戸時代8代将軍・徳川吉宗公が、インド産の白牛(はくぎゅう)を輸入して、現在の南房総市で飼育して、その白牛の乳から「白牛酪」という乳製品をつくったことから「日本酪農発祥の地」と言われています。(「白牛酪」とは…牛乳を砂糖を混ぜたバターのような乳製品)
・都道府県別の牛乳の生産量ランキングでも令和4年は6位で上位になっています。
ポイント①〈香り〉
・まずは飲み前に香りを嗅いでみてください。すっきりとしていながらも甘い香りが特徴的です。
ポイント②〈バナナと一緒に楽しんでほしい!〉
「私はいつもバナナが食べたくなります。」と、小山さん。実際に、とあるバナナジュース屋さんでもこちらの牛乳が採用されているんだとか。
千葉県内の一部スーパーなどで販売中。
・200mLの小さいサイズは給食限定ですが、500mLであれば、絵手紙デザインのものも販売中です。緑色のパッケージ以外のもの販売しているそうなので、「千葉酪農3.6牛乳」という文字を探してみてください!
『牛乳のプロ・小山さん厳選!試してほしい学校給食の牛乳』2つめは…
東毛酪農業協同組合の「みんなの給食牛乳」
実は最近、学校給食の牛乳ではストローの廃止が進んでいます。プラスチック削減のために、ストローを使わないパックへの切り替えが進んでいるんです…!こちらの牛乳も、一般的な牛乳パックが小さくなったような形で、牛乳を注ぐのと同じような形の開け口にして、直接飲むタイプ。
群馬県の東毛地区の小中学校で供給している牛乳。
群馬県産生乳を100%使用していて、75℃15秒殺菌のパスチャライズド牛乳です。
「バスチャライズド牛乳(低温殺菌牛乳)」とは…
→生乳本来の風味や成分、栄養を生かす温度で加熱殺菌している牛乳。高温殺菌処理している牛乳は、時に、タンパク質が焦げた匂いなど、独特の匂いや後味が残ることがあり、それを嫌がる子供たちもいるんだとか。
→そこで、東毛酪農業協同組合では、低温殺菌の中でもさらに殺菌効果が高い方法で処理をして、搾りたての生乳に近いすっきりとした味わいの牛乳を提供しているのだそう。
スー&杉山:全然味が違う!すっきりしているけれど、バターのようなコクもある!
ちなみに…
文京区の茗荷谷にお店を構える「マールツァイト」というパン屋さんでは、日本で唯一の天然ミルク酵母のパン作りにこだわっているのだそう。給食の牛乳とは違う種類のものですが、このお店で使われているのも東毛酪農の牛乳なんです。
「みんなの給食牛乳」は、東毛酪農のWEBショップなどで販売中。
・学校給食で提供されているのは200mLですが、購入できるのは1000mLのもののみ。
・税込み364円。
『牛乳のプロ・小山さん厳選!試してほしい学校給食の牛乳』3つめは…
大山乳業 の「白バラ牛乳」
学校給食としては、鳥取県内の小中学校で供給されているものです。
・私たちが日頃飲んでいる牛乳はほとんどが殺菌温度が130℃の中、こちらは120℃。鳥取県産生乳を100%使用した成分無調整牛乳です。鳥取県民の〝ソウルドリンク〟と呼ばれる程、広く愛されているロングセラー商品で、白バラ牛乳グッズが発売されるなど、パッケージも大人気な牛乳です。
牛の飼育にこだわっていて、牛1頭が生まれてから除籍するまでの、あらゆるデータを管理する 牛群検定 = 牛の健康診断 によって健康な牛を管理しています。ちなみに、鳥取県の98%に及ぶ牛に牛群検定を行っていて、全国1位!(全国の平均は60%ほど)
スー&杉山:香りがまろやか!優しい味わい。
都内では、成城石井などに行くと販売していることが多い!
・新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」でも購入可能です。
・価格は1000mLのもので税込み340円ほど。
今回ご紹介したように、千葉、群馬、鳥取とそれぞれ違う地域で育った牛のミルクには味にも違いが出るので、ぜひ、その違いを楽しんでみてください!
小山浩子さん(管理栄養士・ミルク料理研究家)
・ミルクをこよなく愛し、ミルクのある暮らしを提唱。
・これまでに指導した生徒数は7万人以上。
・著作も多数あり、料理本のアカデミー賞といわれるグルマン賞を受賞。
・日本で唯一のミルク(牛乳)料理専門家で”乳和食“の開発者でもあります。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)