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もっと報道してほしい! 生鮮食料品の値上がり

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、2月27日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。続く物価高の現状、今後について解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「物価高が止まりません。食い止めたい、ということで日銀には早期の追加利上げを求める声も強まりそうです。一方で利上げは景気を冷やす恐れもある、といわれます。日本経済、我々の生活はどうなるのでしょうか」

長野智子「先ほど(番組内で)リスナーさんから『お米が高すぎて。いつまで高いんですか』というメールがありました。去年の同月と比べて家電、ホテルの宿泊代、米、野菜、すべてが上昇しています。いつまで続いていくのでしょう?」

佐藤治彦「いまどれぐらいのインフレになっているかというと。2月21日に発表となった消費者物価指数(CPI)、予想よりもインフレが進んでいた、となったんですけど、発表された数字は4%でした。1年で物価が4%しか上がっていない感じ、ありますか?」

長野「いや全然。もっと上がっているでしょう、と」

佐藤「これって季節的要因が多い生鮮食料品は除く、という数字なんです。では生鮮食料品は1年間でどれだけ上がったか。じつは20%も上がっているんです。ニュース番組、新聞も、生鮮食料品のインフレ率をもっと大きく報道してもらいたい。20%上がっているとなれば、庶民の生活がどれだけ追い込まれているか、というのがわかると思います」

鈴木「とんかつ屋さんでキャベツが減った、といったニュースはよく伝えられています」

長野「『いかに安いお店を紹介するか』みたいになってしまう。確かに生鮮食料品が20%も値上げしている、というのはあまり報じられていません」

佐藤「キャベツや白菜の値が2倍になったなど、通常の年ならキャベツが高いと白菜はそんなに上がらないので、白菜の売れ行きが良くなる。今年に関してはキャベツも白菜も高い。逃げ場として、もやしばっかり売れている」

長野「だから個人消費は下げ止まっていますよね」

佐藤「物価が4%上がったら、個人消費が4%上がって、やっとトントン。それが0.1%しか増えていない。皆、節約しているということだと思います。『お米はいつ安くなるか』という話ですけど、まずひとつ考えなければいけないのは、いまのインフレは悪い物価高ということです。円安、異常気象。それにお米に関してはもしかして誰かが投機的に売買している、抑えているのでは、という悪い物価高。(中略)インフレ率がまったくの0%になる、物価が下がっていく、ということは目先、ちょっと考えられない」

長野「はい」

佐藤「ただ今後、まともな物価高になっていく可能性もある。賃金がアップして皆、ものを買って、売れるので物価が上がっていく。いまのように円安で輸入品が上がったために物価高、異常気象で物価高、というのとは変わってくるかなと。ガソリンやエネルギーに関していえば、いまアメリカでトランプさんが暴れてくれています。世界的に景気失速じゃないか、という話があって。景気が失速すると原油は下がるんですよ。いまどんどん下がっています」

長野「そうか」

佐藤「だからガソリン価格はゴールデンウィーク明けぐらいには落ち着いてくるのでは、と期待しています」

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