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【静岡の高校サッカー戦後史Vol.48】静岡工業(現・科学技術高)が1965年度、初の全国舞台へ!

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【静岡工業②】全国への壁 ついに突破

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。静岡サッカー応援アプリ「シズサカ」でまとめてご覧いただけます。

1965年度国体県予選を制し、初の全国行きを決めて表彰式に臨む


静岡工は創部6年目の1951年(昭和26年)度、スポーツ祭を制して初めて県の頂点に立ったのを契機に、上位グループに定着し、優勝争いに絡むようになった。しかし、最後の壁は厚く、跳ね返され続けていた。

松永弘道監督の戦略

そんな静岡工に59年度、松永弘道(焼津市在住)が体育教諭として赴任した。静岡高―東京教育大(現・筑波大)出身の松永は、兵庫県内の高校に2年間勤務し、本県に戻ってきた。静岡工は気鋭の指揮官の下、新たな歩みを始める。

監督に就任した松永は、有望戦力の発掘に取り組んだ。スポーツテストをもとに、サッカー経験の有無を問わず、運動能力に優れた生徒に次々と声を掛けた。藤枝東が旧制志太中時代にサッカーを校技と定め、運動能力の高い生徒を入部させて、発展の基盤を築いたことを思い起こさせる。

松永が率いて3年目、61年度の全国選手権県予選準決勝で藤枝北を2−1で退けた。この年度の藤枝北は、スポーツ祭決勝で藤枝東に一方勝ちした実績があった。FW陣の一角だった、当時2年の村越広(藤枝市在住)は「強い藤枝北に勝ったのだから―と、意気上がった」という。だが、決勝は藤枝東に3−0で屈し、勝負の厳しさを味わうことになる。

藤枝北との国体予選決勝

跳ね返され続けた全国への分厚い壁。その壁をついに突破する。創部20年目の65年度国体予選で、初めて全国のひのき舞台に名乗りを上げたのだ。

WMといえば、伝統のフォーメーションだった。ところが、松永は国体予選を控え、4−2−4の採用に踏み切った。当初、戸惑っていた選手たちも新システムを消化して、決勝に勝ち上がった。相手は藤枝北で、激しい攻防となったが1−0で競り勝った。

前年度の選手権予選決勝で、藤枝東に再試合も延長の末に惜敗。2年生GKで無念さを知る鈴木公一(日本軽金属)は「その悔しさがバネになった」と語る。

水戸商との激戦

東海ブロック予選も勝ち抜き、臨んだ岐阜国体。1回戦で水戸商(茨城)と対戦した。念願のひのき舞台だったが、緊張感からか動きが硬く、前半に2点を失った。後半は動きが一転、3分に岩崎守(建築設計事務所)の右からのロングシュートで1点差とし、その後も追い上げたが、わずかに届かなかった。

全国初挑戦は初戦敗退に終わった。だが、国体本番のピッチを踏んだことは、貴重な経験となり後に受け継がれていく。(敬称略)

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