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千光寺頂上展望台「PEAK(ピーク)」~ 尾道の絶景を求めて歩いてみた

備後とことこ

千光寺頂上展望台「PEAK(ピーク)」~ 尾道の絶景を求めて歩いてみた

広島県尾道市千光寺公園にある、展望台に行ったことがありますか。

2022年の3月に千光寺頂上展望台がリニューアルしました。

愛称は「PEAKピーク)」、頂上という意味です。

この記事は、尾道駅から千光寺頂上展望台「PEAK」へ、歩いて訪れたようすを綴るフォトレポート。

猫の細道」を散策しながら絶景を観に行き、帰りは「文学のこみち」や「千光寺」に立ち寄ります。

夕方からは夜景を求めて、再び千光寺頂上展望台「PEAK」へ。

そんな尾道の旅のようすを、さっそく見ていきましょう。

尾道駅から千光寺頂上展望台「PEAK」へ歩いて上る

尾道駅から千光寺頂上展望台「PEAK」までは、歩いて約30~40分です。

途中からは上り坂や階段が続くので、履きなれた歩きやすい靴で行くことをオススメします。

まずは「ロープウェイのりば」(千光寺山ロープウェイ山麓駅)へ

尾道駅を背にして信号を渡り、左側(岡山方面)のほうへ行きます。

この取材では、道沿いではなく尾道本通り商店街の中を通っていくことにしました。

屋根があるので強い日差しや雨の日も安心です。

カフェや尾道ラーメンなどの飲食店がたくさんあります。

尾道本通り商店街を10分ほど歩くと「ロープウェイのりば」の標識があるので、左折して直進し、大きな道に出ましょう。

大きな道の少し左寄りにある信号を渡り、線路下のトンネルをくぐります。

「ロープウェイのりば」の緑色の標識がある、小さなトンネルです。

「ロープウェイのりば」(千光寺山ロープウェイ山麓駅)に着きました。

ロープウェイの空中散歩も素敵ですが、今回はこのまま散策しながら千光寺頂上展望台「PEAK」を目指します。

左のほうへ進んで道なりに行き、細い路地に出ました。

まっすぐ進み、艮(うしとら)神社を通りすぎたあたりから、徐々に上り坂に。

そのまま坂や階段を上っていくと、猫の細道と呼ばれている細い路地に出ます。

猫の細道でかわいい猫たちに癒される

猫の細道は、艮神社の東側から天寧寺三重塔まで続く200mほどの細い路地です。

物語の中に出てきそうなハーブ庭園カフェ 「ブーケ ダルブル」

かわいい猫の顔が描いてある丸っこい石が、道のいたるところに。

これは福石猫(ふくいしねこ)と呼ばれている石で、尾道在住のアーティスト・園山春二(そのやま しゅんじ)さんの手によって生み出されています。

園山さんは空間プロジェクト「尾道イーハトーヴ」の代表で、猫の細道をアート空間へと創りあげた人物です。

廃屋同然となった古民家を改修し、再生させていく活動もしています。

「猫の楽園」の中にある小さなギャラリーにも、園山さん作の福石猫が展示されていました。

この猫たちの顔は、どことなく作者の園山さんに似ているのだそう。

福石猫の材料となる石は、日本海の荒波にもまれ、長い年月のなかで角が取れて丸くなったもの。

このかわいい猫たちを眺めていると、なんだか心も丸くなっていきます。

▼猫の楽園の建物の奥に横たわる大きな猫「猫槃像(にゃはんぞう)」も園山さんの作品。

幸せそうな表情につられて思わずにっこり

お釈迦様が横たわるようすの「涅槃像 (ねはんぞう)」が由来です。

平成30年7月豪雨で発生した瓦などのがれきを活用して制作されています。

楽園の看板猫たちは、庭先や路地でのんびりすごしていました。

アンコちゃん
アンズちゃん

園山さん作の福石猫は猫の細道を中心に、尾道市内のいろいろな場所で暮らしているのだそう。

探しながら街の中を散策するのも楽しいですね。

少し先へ進むと、その年の干支が描かれた福石猫が鎮座していました。

卯年の福石兎(うさぎ)
2022年の寅年の子も近くにいます

仲間たちに囲まれているのは、厄除けの「アカ」

どの子たちもかわいくて、みんなを指先でそっとなでさせてもらいました。

初代の福石猫

あっというまに猫の細道の出入り口へ到着。

天寧寺三重塔の横の出入り口

さらに坂道と階段を上り、千光寺公園にある展望台を目指します。

地域猫がちらほら
階段の途中にあった 「尾道ゲストハウス みはらし亭」のカフェ

階段をせっせと上ること数分。

右手に千光寺の本堂が見えてきました。

千光寺の裏門のほうから文学のこみち経由でも千光寺頂上展望台「PEAK」へ行けますが、階段が続くので左側の道路のほうから行きます。

階段の左側、千光寺公園駐車場の方面へ

坂道を上っていくと、千光寺頂上展望台「PEAK」への標識がありました。

右折して最後の坂を上ります。

ここから、あと少しです。がんばって~。

千光寺頂上展望台「PEAK」の姿と、尾道の絶景

やって来ました千光寺頂上展望台「PEAK」

ついに到着です。

この展望台がリニューアルオープンしたのは、2022年3月29日。

無料で24時間開放されています。

設計は、国内外で多くの建築物を手がける青木淳(あおき じゅん)さんと品川雅俊(しながわ まさとし)さんの建築設計事務所「AS」です。

なだらかな螺旋(らせん)階段を上っていくと…。

尾道水道しまなみの島々が織りなす多島美が、視界いっぱいに広がりました。

▼塔のような部分はエレベーターになっていて、千光寺山ロープウェイ山頂駅に直結しています。

歩いて下山するのはもうしんどい…というかたは、ここからロープウェイで帰れますよ。

・ロープウェイ営業時間:午前9時~午後5時15分
・毎時間15分おきに山麓と山頂の2駅を発車

ふもとからロープウェイで来たかたは、ロープウェイを降りてすぐエレベーターで展望デッキに行けるので、車いすやベビーカーでも安心です。

ロープウェイは2023年11月8日~昇降機の修理のため、車いすは乗車できないようです。

再開については千光寺山ロープウェイのホームページをチェックしてください。

展望デッキの階に到着すると同時に、目の前に絶景が広がります。

東側に見えるのは、しまなみの風景をバックにした尾道大橋です。

日頃のストレスが吹き飛ぶような開放感のある眺めに、思わず深呼吸。

展望台のデザインは、シンプルな直線とゆるやかな曲線がつながる、流れるようなフォルム。

アーティスティックでユニークな美しさに思わず見惚れてしまいます。

長さ63mの展望デッキは、橋のように東西に広がる細長い仕様。

おおぜいの人がいても、どこからでも、広々とパノラマを楽しめますよ。

ちなみに展望台の横には売店や自動販売機があり、トイレも売店の横と「ロープウェイのりば」にあります。

下山する前に水分補給をしながら、ちょっと休憩しましょう。

売店にはおみやげだけでなく、みかんのジュースやソフトクリームなどもありました。

千光寺公園頂上売店

営業時間:午前8時30分~午後5時30分

帰りは「文学のこみち」から「千光寺」へ

体力を回復させたら下山スタート。

展望台のエレベーター側のほうに文学のこみちへと続く道がありました。

約1kmの遊歩道には、正岡子規(まさおか しき)志賀直哉(しが なおや)など、尾道ゆかりの作家や詩人の作品を刻んだ大きな石が25個も点在しています。

林 芙美子(はやし ふみこ)作の「放浪記」が刻んである岩。

海が見える場所にあり、文章と眼下の海を感慨深い思いで眺めました。

文学のこみちは、千光寺の裏門から大師堂へ続いています。

千光寺からも尾道の絶景を楽しめますよ。

タイミングが合えば、ロープウェイに出会うことも。

千光寺は「千年先まで進むべき道を照らす寺」といわれています。

本堂のご本尊は千手観世音菩薩で、聖徳太子(しょうとくたいし)の作なのだそう。

きっと本堂の中から何世紀にも渡り、しまなみの眺めを楽しんでおられるのでしょうね。

千光寺

・拝観時間:午前9時~午後5時
・拝観料:無料

本堂の窓に映る風景
伝説のある巨石、玉の岩

千光寺から尾道駅までの帰り道は、上って来るときに通った階段をまっすぐ進んで下りていきます。

通行人を見守る地域猫
天寧寺三重塔と尾道大橋

帰りは猫の細道には寄らずに、千光寺から階段をひたすらまっすぐ下りました。

▼突き当りは、行きに歩いた尾道本通り商店街です。

尾道本通り商店街から海のほうへ進み、海沿いを歩いて帰りました。

展望台からは小さく見えた向島の造船所が、すぐ目の前に見えます。

潮の香りを感じながら、駅までのんびり歩きました。

千光寺頂上展望台「PEAK」の夜景

黄昏時が近づく頃、尾道駅から今度は車で、千光寺公園駐車場へ移動しました。

千光寺公園駐車場から千光寺頂上展望台「PEAK」へは徒歩で約10分。

しまなみの風景がやわらかな夕陽に染まり、徐々に夜の色へと変化していきます。

向島にある造船所のクレーンがライトアップされ、カラフルに輝いていました。

造船所のクレーンのライトアップは、金・土・祝日の前日のみ(午後10時まで)なのだそうです。

尾道大橋の光が水面にゆれて輝いていました。

千光寺頂上展望台「PEAK」もライトアップされ、昼間とは少し違う表情を見せてくれます。

照明でコントラストが強まり、なんだかシャープな雰囲気に。

小腹がすいてきたので、最後に夜カフェしました。

千光寺から階段を少し下りたところで見かけた、「尾道ゲストハウス みはらし亭」のカフェへ。

窓際の席から尾道大橋の夜景が観られました。

午後10時までの営業なのでゆっくりできます。

ゴルゴンゾーラのチーズケーキが最高に最高すぎて、「うっっまぁー!!」と何度も心の中で叫びました。

おわりに

千光寺頂上展望台「PEAK」への徒歩の旅で、たくさんの素敵な風景に出会いました。

「猫の細道」では物語のような雰囲気とかわいい猫たちに癒されて、千光寺頂上展望台「PEAK」ではそのデザインや尾道ならではの絶景に感動。

「文学のこみち」では今まで知らなかった作家や文学作品に興味を持ち、「千光寺」ではまた尾道の絶景を楽しみながらお参りをしました。

千光寺頂上展望台「PEAK」からの夕景と夜景はとてもロマンティックで、ライトアップされた展望台の姿も格好良くて素敵です。

リニューアルされて魅力的になった千光寺頂上展望台「PEAK」への旅で、ぜひ尾道を満喫してくださいね。

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