「悪魔のようなクリエイター」とアリ・アスターが絶賛する“北欧の異才”とは?ニコラス・ケイジ主演『ドリーム・シナリオ』誕生秘話
A24×ニコラス・ケイジ
<A24>とアリ・アスターが製作した映画『ドリーム・シナリオ』が、11⽉22⽇(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開となる。
『ザ・ロック』や『コン・エアー』、『フェイス/オフ』などのアクション大作に出演し、『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞主演男優賞を受賞、100本以上の映画作品に出演したきた名優ニコラス・ケイジが主演を務める本作。新進気鋭の映画スタジオ<A24>、そして『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』などで日本でも絶大な信頼を得る鬼才、アリ・アスターが製作に名を連ねる。
“禁断のタッグ”が贈る<ドリーム・スリラー>
本作は、ごく普通の暮らしをしていた大学教授が何百万もの人々の<夢の中>に表れたことから繰り広げられる、“平凡な日常が悪夢へと変わっていく”ドリーム・スリラー。米批評サイトRotten Tomatoesでは91%Freshの高評価を獲得し、第81回ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部⾨)では主演男優賞にノミネートされた。ケイジ自身も「私のキャリアの中でも最高の演技であり、最高の作品だ」と語っている。
そんな話題作の監督を務めるのは、アリ・アスターがその才能を絶賛する北欧の新鋭、クリストファー・ボルグリだ。ということで今回は、アリ・アスターとクリストファー・ボルグリの“気鋭タッグ秘話”にフォーカスしてみよう。
アリ・アスターが惚れ込んだ北欧の新たな才能
観る者の不安を煽ることにかけては右に出る者はいない鬼才アリ・アスターと、『シック・オブ・マイセルフ』(2022年)で最強の“承認欲求モンスター”を描き、アリ・アスターがその才能を絶賛した北欧の異才クリストファー・ボルグリ。そんな禁断のタッグで贈る<ドリーム・スリラー>が、ついに日本上陸を果たす。
アリ・アスターは言わずもがな、2018年にA24製作『ヘレディタリー/継承』が脚光を浴びると、続く『ミッドサマー』(2021年)、『ボーはおそれている』(2023年)が日本でも立て続けに大ヒットを記録した、いま大注目の監督。そんな彼とクリストファー・ボルグリをつないだのが、ボルグリの長編デビュー作『シック・オブ・マイセルフ』だった。
この作品は業界でも注目を集め、アスターが「悪魔のようなクリエイターによるグロテスクで底意地の悪い作品だ」と彼らしい賛辞を贈ったことでも話題に。長編デビュー作にして注目を集めたボルグリは、アスター監督作を制作してきたラース・クヌーセンに『ドリーム・シナリオ』のシナリオを送ると、それをアスターが気に入ったことで本作でのタッグが実現した。
「ニコラス・ケイジの言葉には説得力があった」
当時の心境について、「突然、2人のプロデューサーと電話会議をすることになり、彼らが支援してくれることになった」と、まさかの展開に対する驚きを振り返るボルグリ監督。彼は自身の作品で“集団行動に対する構造的ないじめ”を風刺たっぷりに表現してきたが、「これらを観ることで、私たちの行動をより良い方向に導いてくれたら嬉しい」と、映画製作についての期待を込めて語った。
さらにボルグリは、主演のニコラス・ケイジについても「ニックに脚本を送ると、すぐに読んでくれて、ポール・マシューズ(主人公)が経験するすべてのことを経験したことがある、と連絡をくれた。その言葉には、ニコラス・ケイジが獲得してきた名声と、ミーム化されていく過程を見てきただけに説得力があった」と明かしている。
そしてニコラス・ケイジ自身も、「私のキャラクター(ポール)を始め、これまでにない新しい作品。私はクリストファー・ボルグリの精神世界を歩き回り、映画のカテゴリーに収まりきらないことに挑戦する。この作品に参加するうえで、それを最も重要視していた」とボルグリの才能を絶賛している。
そんなアリ・アスターとクリストファー・ボルグリは『ドリーム・シナリオ』に続き、ゼンデイヤとロバート・パティンソンを主演に迎えた『THE DRAMA(原題)』でも再びタッグを組むことが決まっている。
『ドリーム・シナリオ』は2024年11⽉22⽇(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開