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疲れない土地探しのコツは?不動産のプロが徹底解説!

リブタイムズ

疲れない土地探しのコツは?不動産のプロが徹底解説!

注文住宅の土地探しは、家づくりにおいて重要なポイント。通勤・通学の都合や建てたい土地の面積、予算など考えることが多く、土地探しに時間がかかる方も多いのではないでしょうか。 今回は、注文住宅に関する土地選びのコンサルティングを行う富士住宅(株)代表の渡辺さんにインタビュー!土地探しのポイントや検討すべきことなどをくわしくお聞きしました。お話を伺った方富士住宅株式会社代表 渡辺 智(わたなべ さとし)さん

【資格】宅地建物取引士・第二種電気工事士など 【経歴】 中堅マンションデベロッパー(新卒入社の年末にバブル崩壊で倒産)   中堅不動産仲介会社、不動産仲介会社の共同起業を経て、家業を継承 富士住宅株式会社 代表取締役 【実績】 土地から購入での注文住宅は400件以上  一般の不動産取引は1000件以上

土地探しは自分で行う?不動産会社に依頼する?

土地探しは自分で行うのでしょうか、それとも不動産会社や依頼する住宅会社に任せるのでしょうか。 土地探しの基本的なポイントをお聞きしました。

土地探しを自分で行うと納得感がある!

ー土地探しは不動産会社にお願いするのでしょうか? 最初の段階でいうならば、自分で探すことをおすすめしています。自分で土地探しをして決める方が、他人に決めてもらうよりも満足度が高いと考えるためです。ー土地探しに迷った場合はどうすればよいですか? そうですよね、迷いますよね。その迷った段階で、不動産会社や住宅会社にアドバイスをもらうとよいでしょう。 土地取引を自分一人で完結させることはできないため、必ずどこかで不動産会社や住宅会社の介在が必要です。 どのような土地がよいか考えて土地探しを行う段階までは自分たちで行い、どの土地が適しているか迷ったタイミングでプロに助言を求めましょう。

土地探しはポータルサイトを見ながら

ー土地探しはどのように行いますか? 一般的な土地探しの方法は、土地情報ポータルサイトを確認することです。昔であれば不動産会社に行って土地探しを行っていましたが、現在はスマートフォンやパソコンを通して、ポータルサイトですぐに土地探しができます。

土地探しの期間はどれくらい?

土地探しにかかる期間を知ることで、スケジュールを逆算しながら家づくりを始められます。土地探しの期間は大体どれくらいかかるものなのでしょうか。

期間は人によってさまざま!どのような時間を過ごしたかが大切

ー土地探しにかかる期間を教えてください 土地探しはかなり個人差があるため、一概にはいえません。私のお客さまの事例でいうならば、最短で4日、長くかかった方は8年というケースもあります。ーかなり差があるのですね! そうですね。お客さまと話していると、「早く決めると焦っている、遅く決まると熟考したような気持ちになる」という話を耳にします。 私は土地探しにかかる期間というよりも、どのような時間を過ごして何を検討したかが大切だと考えます。土地探しをするうえで考えるべきポイントを把握し、家づくりのスケジュールを決めていくことが大切です。

土地探しをするうえで考えるべきこと

土地探しは、どれだけ時間をかけたかではなくどのような時間を過ごしたかが大切だとわかりました。土地探しでは何を考えながら過ごせばよいのでしょうか。考えるべきポイントをお聞きしました。

検討する期間と行動に移す期間を分ける

(出典:同社運営のYouTubeチャンネル 注文住宅のための「土地選び」より)ー土地探しをする際は、何を考えてどのような時間を過ごせばよいのでしょうか? 土地探しは①検討する期間と②行動に移す期間の2つの行程に分けられるため、それぞれの行程で考えることも違ってきます。 いきなりポータルサイトで土地探しを始めるのではなく、建てたい家や土地について検討した後に行動することが大切です。

土地探しをする前に考えよう!検討期間において考えるべき要素3つ

土地探しを始める前に、建てたい家や土地、予算について検討することが大切です。検討期間において考えるべきことをお聞きしました。

資金→建物→土地の順番で考える

ー検討する期間では何について考えるとよいですか? ①資金→②建物→③土地の順番で考えていくとよいでしょう。 一般的には、ポータルサイトを見て土地を決める→建てたい建物を考える→トータルコストを考える という順番になりがちですよね。ー最初に土地を探すのだと思っていました そこをあえて①資金→②建物→③土地の順番で考えることをおすすめしています。①の資金については、ざっくりとした大体の予算で問題ありません。②の建物については、どのような構造・建物で、どのハウスメーカーや工務店にお願いするかを絞り込んでいきます。そうすることによって、③の購入したい土地のイメージが自然と掴めてくるものです。

購入したい土地をイメージできたら実行期間へ。考えるべき要素3つは?

購入したい土地をイメージできれば、次は行動に移す期間になります。考えるべき要素は先ほどと同じく土地・建物・資金の3点です。しっかりチェックしていきましょう。

土地→建物→資金の順番で考える

ー行動に移す期間では何について考えるとよいですか? 行動に移す期間では、①土地→②建物→③資金の順番で考えるとよいでしょう。ー検討段階で考える①資金→②建物→③土地の順番と逆になるのですね はい。検討段階から行動に移す段階で、考える順番が逆になることがポイントです。行動に移す段階では、実際に土地を観て、希望に近い土地が見つかっても慌てて購入するのではなく、どのような家が建てられるかをプランニングします。具体的にプランニングすることで必要な費用の全体像も確認できますから、トータルコストについて考えられます。

慌てて土地を見ないことが大切

ー検討してから行動に移すことが大切なのですね。 そうですね。建てたい家や資金について考えがまとまっていないまま土地を見ると、「誰かに買われてしまうかも」と焦ってしまい、家づくりに割く時間をコントロールできなくなります。 土地を見に行くのは、依頼する住宅メーカーが決まってからでも遅くありません。検討段階では土地を見ず、焦らないことが大切です。

疲れない土地探しのコツは?ポイントはエリア・サイズ・予算

土地探しは検討段階で資金・建物・土地についてしっかり考えることで、理想の土地をイメージしやすくなることがわかりました。 一方で、理想の土地を見つけるのはなかなか難しく、土地探しが疲れたという声もよく耳にします。疲れない土地探しをするコツは何かあるのでしょうか。

エリア・サイズ・予算のバランスが整っていると土地探しはスムーズに

ー疲れない土地探しのコツを教えてください! エリア・サイズ・予算の感覚をそれぞれ合わせるとよいでしょう。何年も土地探しを行っている方は、これらのバランスが崩れている傾向にあります。 エリア感、サイズ感、予算感について一つずつ解説しましょう。

エリア感とは

ーエリア感とはどういうことですか? 建てたいエリアに住宅を建てられるか考えることです。極端な例でいうと、駅から5分の土地を希望する方がいるとします。東京駅など大きなターミナル駅であれば、駅から5分歩いてもまだ駅の構内ということもあり得ますよね。 明らかにエリア感がずれている場合、希望するエリアに住宅を建てられる場所がないというケースがあります。

サイズ感とは

ーサイズ感とはどういうことですか? 希望する土地の面積が周辺の土地面積と合っているかということです。周辺は100坪の土地ばかりなのに欲しいのは30坪の土地だったり、30坪の土地が並ぶエリアで100坪の土地を希望している場合は、サイズ感がずれているため希望の土地を見つけることは難しいのです。

予算感とは

ー予算感とはどういうことですか? 相場に合った予算で探すことです。土地売買の構造上、おそらく相場より安い土地を見つけることはできません。ー土地売買の構造とは? ほんの一例なのですが、仲介手数料は「3%+6万円」と決まっていますよね。 例えば、相場価格1000万円の土地が900万円で売られていたとします。そのまま900万円で仲介すれば、仲介手数料の33万円が不動産業者の利益となる訳です。 しかし、その土地を不動産業者が900万円で買い取り、相場価格の1000万円で売却すると、利益は100万円へと一気に跳ね上がります。 この例だけでも、相場より安い土地を一般ユーザーが購入することは難しいとお解りいただけると思います。実際に、相場より安い土地が売りに出ていることはめったにありません。

3つのバランスを合わせることが大切

ーエリア・サイズ・予算感を合わせることが大切ですね! そうですね。売っていないだろうというところに執着するとどうしても疲れてしまうため、要望を調整しながらバランスを取っていきましょう。

土地探しの要望をまとめるコツは?

土地探しはエリア・サイズ・予算感を合わせることが大切だとわかりました。3つのバランスを合わせるには、土地探しの要望をうまくまとめることが必要です。 土地探しの要望をまとめるコツは何かあるのでしょうか。

NGの見える化をする

ー土地探しの要望はどうまとめればよいのでしょうか? 私がおすすめしているのはNGの見える化です。 昔からいわれる「希望の条件を10~20個ほど紙に書いてチェックする」という手法もよいとは思いますが、全ての要望を満たした場合でも「もっと安ければ」「もう少し待てば」もっとよい土地があるかもしれないと考えがち。 不動産は相対評価であるため他の土地と比べてしまい、要望を満たしていてもどこか納得できないというケースが多いのです。ーNGの見える化とは? 住めないエリアや出せない金額を把握することです。神奈川に住んでいる私が「沖縄にとてもよい土地がありますよ」といわれても、さすがに購入できません。当たり前なのですが、意外にもこの「当たり前」の基準がはっきりしていない方は多いと感じます。 どこからなら生活できるか?と考えると、県内全域あるいは隣の県でも問題ないかもしれません。関東地方なら?→隣の県なら?→神奈川県内なら全域?と徐々に範囲を狭めていくことで、自ずと建てられるエリアが見えてくるのです。ー広い視野で探すことが大切なのですね! はい。最初から希望の土地を見つけるために細かく要望を出すのではなく、可能性を否定せずに広い範囲で土地と出会ってみるのがよいでしょう。

角地、駐車場は2台…本当に必要な条件?

ーそのほか土地の要望をまとめる際に注意すべき点はありますか? 細かな要望が自分の中で絶対的なものとならないように注意しましょう。一例として、角地のほうがよいという思い込みで角地に限定して土地を探すケースが挙げられます。ー角地は理想ですよね? それはそうかもしれません。もちろん、角地の場合は建蔽率が10%増えることもありますし、一方向しか道路に接していない土地よりも開放感があって人気です。 しかし、なぜ土地を欲しいのか?もう一度立ち戻って考え、角地に執着しないことも大切。 建蔽率が10%増えるのは魅力的ですが、それより大きな家が建てられる土地と比較すれば優位性は失われますし、開放感だって建物のプランニングで演出できるものです。よい土地を購入することが目的ではなく、希望の家を建てることが土地購入の目的だと忘れないようにしましょう。ー知らないうちに目的が変わってしまうのですね… そうですね。また、車は1台しか所有していないけれど駐車スペースは2台ほしいというケースもあります。「車が1台置けるか2台置けるか」の2択であれば2台置けるほうを選ぶ一方、「2台車が置ける郊外の土地か、1台車を置ける利便性のよい土地」といわれると視点が変わりますよね。 土地の購入は1度きりであるため、どうしても時間をかけてしまい「土地購入」自体が目的になってしまうケースは多々あります。可能性を否定せず、たくさん比較することで見えてくるものは多いと思うのです。

災害に強い土地か、便利な土地かどちらを優先するか考える

ー最近は災害に強い土地を希望する方も多い印象です。災害リスクという観点からはどのように土地探しをするとよいでしょうか? ハザードマップを見ながら安全な土地を探すとよいでしょう。注意点は、日本はほぼ山ばかりの山岳地帯であるため、人気のエリアがハザードの対象外というケースはあまり見られないことです。 川が流れているから平野部があり、平らで水があるところに人は住みつきました。人が住んでいるから設備が整い、人気のエリアになっていきます。 住みやすいエリアとハザードから外れたエリアというのは相反するものになりがち。ハザードを気にして郊外のエリアに住むか、災害に備えながら便利なエリアに住むかというのは割り切って考えるほうがよいと思います。

究極!土地を選ぶポイント3点

ある程度土地の希望が定まると、次はどの土地にするかを選んでいきます。土地選びのポイントをお聞きしました。

土地を選ぶポイントは3つ

ー土地選びのポイントを教えてください ①住めそうと思えたか、②希望通りの家を建てられるか、③支払い可能かどうかの3点を軸として考え、そのほかの要素はおまけと考えましょう。ーシンプルですね! そうですね。一生懸命土地探しをしている方は、どうしても電車の沿線や通勤時間など、細かな部分にチェックポイントを設けがち。新しい土地に引っ越すことで通勤時間が早くなるのもよいのですが、駅は遠くなるけれど近くに子どもと遊べる大きな公園があるのなら、選択肢に入れてよいと思います。利便性や効率を追求するだけでなく、少し回り道をしても人生は豊かになるのではないでしょうか。

家づくりは本来楽しいもの!土地探しも楽しもう

「家づくりは本来楽しいもの」と語る渡辺さん。土地探しも含めた家づくりの楽しさをお聞きしました。

土地のお悩みを抱えている方は多い

ー土地選びのコンサルティングを始められたきっかけは何ですか? 土地探しをするお客さまの悩みに寄り添いながら土地を紹介したいと考えたためです。不動産業者はたくさんある一方、専門的に土地選びのコンサルティングをする方はあまりいないと思います。コンサルティングをしながらも半分は賃貸・建売事業を行っていたり、土地を売りたいという方を集めていたりと、土地選びのコンサルティングを専業でされている方は本当に少ないのです。 お客さまは不動産会社が売りたい土地に興味があるわけではなく、自分たちに合う土地を知りたいと思っています。お客さまの気持ちに寄り添いながら、土地選びのコンサルティングをしています。ー土地探しについて悩む方は多い一方、コンサルティング業をされる方は少ないのですね そうですね。最近では、培ってきたノウハウを伝えるためにYouTubeチャンネルを始めました。土地探しのコツについて発信することでお客さまの悩みを解消するだけでなく、土地選びのコンサルティングという職業自体も広まるといいなと思います。

多くの専門家がかかわりながらひとつの家が出来上がる

ー渡辺さんの思う家づくりの楽しさとは? たくさんの人と関わり合いながら、まっさらな土地に一つの家が完成していくところです! 私は家づくりが好きすぎて「すべて自分で」家を造ろうとしたことがあります。いわゆるセルフビルドで現在も進行中です。仕事に置き換えると、土地探しから建物のプランニング、建築確認、施工からメンテナンスまで、すべてワンストップでつくれるかの実験です。 必要な資格を取得したりもしましたが、結果「すべて自分で」は不可能でした。要所要所が専門的すぎるため、どこかでプロの助けを借りないと先に進めなかったんです。 完全セルフにチャレンジしたことで、多くの専門家が介在しながら「ひとつの家が出来上がる楽しさ」を再確認できました。ーみんなで協力しながら一つの作品をつくるような感覚なのですね! そうですね。家づくりってお客さまがプロデューサーのチーム運営なんです。 家づくりの楽しさを一言で表現するのは難しいですが、そのチームに参加できるだけでも、とても楽しいんですよ。今まで400軒以上のお客さまの家づくりに参加してきましたが、毎回毎回「幸せ」や「楽しさ」のお裾分けをいただいており、本当に幸せな仕事だと感謝しています。コンサルティング業務やYouTubeの配信などを通して、もっと家づくりの楽しさを発信していきたいと思います。

まとめ

いかがでしたか?土地探しは焦らずに視野を広く持って行うことが大切だとわかりましたね。本来家づくりは楽しみながら行うもの。肩の力を抜きながら楽しく土地探しをしていきましょう!

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